国会じゃないけど書き起こし:曽我豪朝日新聞編集委員の発言がGJな件(『激論!クロスファイア』7月23 |
拙ブログ筆者でございます。例の6月2日の不信任案否決についてですが、総理が退陣表明したという前提で民主党代議士が否決に回ったのは前提がはっきり言ってそもそも詐術だったのだから、そんなんで一事不再議というのはどーなのよ、と思っているのは私だけではないと思います。最近岡田幹事長がマニフェストが甘かったと謝罪したことに関して、それでもだだをこねて足引っ張るのか自民党、的なことを言う人がメディアなどでも散見されるわけですが、このあたりのことについて、先日の『激論!クロスファイア』での曽我豪朝日新聞編集委員の発言が大変明快かつ同感だったので、国会審議ではないのですが書き起こしてみました。
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(マニフェスト甘かったの謝罪といわゆる退陣3条件の法案に関して田原総一郎氏が石破茂自民党政調会長の見解を色々聞いたあとで)
田原 (曽我氏に)ちょっとこれ解説して。どう考える?
曽我 解説ってあの、民主党が入ってくると話が常によじれるので、ちょっとあの、そもそもで話をするとですね、ま色んなことが言えるんですけど、たとえば岡田幹事長がお詫びしたと、お詫びしたにも関わらず自民党が妥協しないのかということを聞かれていたような気もしますが、私は政権交代の時に約束した公約を全てお詫びするのであれば、政権交代の意味がなくなったわけですからね、で、そうすると政治論的には、これは総辞職ないしは解散だという議論になるので、あんまりその、謝罪したからこの個別のテーマの修正協議で折れるかどうかっていう立て方自体がまずおかしいと。
田原 何でこれ謝ったの?
曽我 まあだから岡田さんはそのつもりだったんでしょ。ただそれが、わかりました、甘かったって言ったから、じゃあこの子ども手当に関して、中の修正協議が進んでないのに、この状況で自民党が折れるってことがもしもあるとすれば、自民党がおかしいと思います。
田原 いや、だからそれは、岡田さんが、民主党がどこまで折れるかだよね。
曽我 あの具体的にはですね、もうひとつは、あの子ども手当の話になってますけど、なぜあの特例公債法案に関して最後まで残って議論するかっていうと、これは来年度の予算に直結してくる話ですよね。いわゆる4Kといわれているものをどうするかと。だからその子ども手当っていう、まあ小さなとは言いませんけど、その話を今回議論してるのは、来年以降につながる話だからやっているんだと。で、最後にもう一点言わせてほしいのは、最初に出された、あの総理がやめる3条件って出てましたけど、この3条件だって、そもそも民主党が言ってる話ですから。自民党が、わかりました、この3条件飲んだら辞めるんですね、って議論になってないわけですよね。
田原 これ民主党が言ってんだからね。
曽我 だからそもそも論で言うと、かなりおかしな話になってますからね。
田原 あいまいなんだ。おかしいっていうか、極めてあいまい。
曽我 つまり3条件もおかしいし、お詫びしたから子ども手当何とかしてくれって発想もおかしいし、なら来年度以降どうするかっていうときに、付け加えて言えば、概算要求そのものが9月になって、この時期にずれこむっていうのを官房長官が認めてしまうと。そういう状況下において、ま、最初の話で言えば、自民党がどう民主党をまともな方向に戻すかってことが重要なポイントなんじゃないですかね。
田原 まともな方向ってのは、菅さん辞めさせるってことだよね。
曽我 いや、っていうか、それだけじゃないでしょう。私はもう菅さんが辞めたからと言って、あの今の民主党総体がですね、きちんと政権、政策遂行できるかというところまで疑問をもたれてるから、一番最初にあった政党支持率(番組冒頭で民主党支持率が朝日新聞調査で17%、時事通信調査で10%と紹介していた)になっているわけです。
田原 いやあんなもん(数文字分聞き取れず)、つまり民主党を政権政党から降ろせってこと?
曽我 いや降ろすかどうかって、僕は新聞記者なので、降ろせってこと言ってるつもりはありません。
田原 でも今降りろって。
曽我 つまり、降りるか降りないかってところまで来てるんじゃないですか、マニフェストそのものをお詫びするのであれば。
(中略)
田原 曾我さんね、秋の臨時国会、僕らはすぐ始まると思ってんだけど、実は特例公債、予算の問題です、これギリギリはね、10月一杯は今でもいけると。11月まで踏み込んだら大変だと。っていうことは菅さんがもしかすると10月一杯粘る可能性もあるのね。
石破 それは粘るでしょうねえ。
田原 臨時国会開かないで。
石破 はい。それはだって、当初ね、第二次補正予算ってのを、そもそも二次補正予算は国会を閉じて秋に出すって言ってたんですからね。ですから何でもやりますよ、自分が長く続けるためには。
田原 だけどね、だからさっきから言ってるように、民主党の支持率が落ちるのはいいんだけど、これで菅さんが10月一杯もう臨時国会やんないでモタモタしたら、国民はもうね、何やってんだと、そんな国会やめろよと、下手するとね、そういう空気になりますよ。
石破 ですからこの国会中、8月の末日までのこの国会中に勝負を決めなければ駄目なのです。私はそう思ってます。
田原 そうだよ、その通り。で、どうやって決めるの?
石破 ですから、不信任をね、もう一回出すことについて異論があるというのであるならば、それは総理辞職勧告決議案でもいいんですよ。
田原 あ、これ違うの?
曽我 ええ、まあ(2文字分ぐらい聞き取れず)には出てますからね。
田原 これ出せる?
曽我 ただまあ決議案に関しては不信任と違ってですね、強制的に総辞職ないしは解散という強制力はないですけどね。
石破 ですから、決議案を出してですね、総理を決める権能を持っている衆議院において、総辞職勧告決議案通りましたと、なお辞めませんということであれば、もう一度不信任案ですよ。一事不再議の例外たり得る条件がもうひとつ加わったということですからね。それはそういうものだと思いますよ。
曽我 いや私あの国会は本当に色んな考え方ができるし、ま手口はあると思うんですね。たとえば今回の先だっての不信任というのは、かなり異例の不信任で、それはやっぱり直前の代議士会で辞めるがごとき発言をしたと、そうすると前提が狂ったんだと、そういう点では今総理辞職勧告決議案の話が出ましたけど、たとえばですよ、衆院の議運で、あの不信任は無効であるという、無効の決議をやる手だってあるわけですよ。
田原 あ、そうか。
曽我 無効決議案を通して、無効であったからもう一回不信任を問う、これはそういう考えが自民党にあるってことを言ってるんじゃないですよ。だけど色んな考え方が国会って言うのはできるんですよ。
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このあと、何で不信任案採決直前の代議士会での菅さんのあの発言が退陣表明という報道になったのか、あれは菅総理の広報担当とマスコミが癒着してたんじゃないのか、という突込みが田原氏からあって、それに対しては曾我さんは色々弁明していらっしゃるんですが。森田実氏によると、マスコミもグルだったということですが…。意図的であったかなかったかはともかく、少なくとも結果として菅総理の詐欺の片棒をかついでしまったことに対しては、もうちょっとちゃんと受け止めてほしいなあ。
で、なんだかんだでもし菅総理が10月まで居座っていたらどうなるか、についての田原氏と石破氏のやりとりと、番組の終わりのほうでの曽我氏によるまとめを最後にちょっとだけご紹介します。
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田原 いやだけど、菅さんがね、いやもうとにかくね、10月までね、ずーっとダラダラダラダラ伸ばしてったら、この国はどうなんのかと。
石破 たぶんこの国は危険水域を越えるんですよ。ね。財政もそう、雇用もそう、産業の空洞化もそう、たぶん外交安全保障も危険水域を越えるんだと思います。
田原 だって外交安全保障で言えば、普天間の問題は全くケリついてないと。
石破 ここまでひどいと思わなかったですね。
田原 むちゃくちゃですよ。
石破 うん、ここまでひどいとは思わなかった。
田原 で、菅さんは普天間の話に全く関心持ってない。
石破 全くありません。
田原 ねえ。で、で、
石破 誰一人ないですよ。
田原 ない。いやだから、石破さん、今国会で決着つけると、いいですね、本当につけられるの?
石破 つけるのが我々の責任です。
田原 自民党がつける?
石破 つけます。
田原 つける?
石破 つけます。
(中略)
曽我 僕は今日石破さんの話聞けて非常にすっきりしてよかったのは、非常に重要なことを今日まとめておっしゃったと思います。つまり、ずうっと言われてきた特例公債法案をですね、辞任の条件にするんじゃないんだと、立法府として辞任を迫る場合には、不信任その他の国会で認められた手口で粛々とやるんだと、そこはもう非常にきっちり今まかれたと思うんですね。それを石破さんが党の意見を代表してるのかどうかっていうことよりも、政調会長として言われたということを僕は一番ポイントだと思います。