朝鮮高等学校無償化 平成22年8月4日 参議院予算委員会 山本一太氏の質問 続 |
質問 山本一太氏(自民党)
答弁 川端達夫文部科学大臣
菅内閣総理大臣
川端 (承前)教科、授業時間数、そして教科書、授業の中身を含めて、先ほど来申し上げておりますように、高校の課程に類する課程とみなせるかどうかということを専門的に御議論をいただいているところでございますので、御指摘の中身等々、私が今の立場でコメントすることはありません。
山本 大臣、今の立場で私がコメントできることではないじゃないんですよ。大臣がコメントしなきゃいけないことじゃないですか。だって、この無償化決定するかどうかというのは、日本の高校に類する教育をしているかどうかが判断基準なんですね。
これ、この朝日新聞に書いてあります。会議は、委員会とか日程はこれは非公開で進められていると。(発言する者あり)静かにしてください、質問中なんだから。関係者によると、事務局の文科省の職員がすべての朝鮮学校を訪ね、カリキュラムや教科書などに関する資料の提供を受けたと。これをきちっとチェックしているということなんですが、大臣は、この朝鮮高校のカリキュラム、今言った歴史の教科書も含めて、きちっと御自分でこれをお読みになっているんでしょうか。チェックしているんでしょうか。伺いたいと思います。
川端 現在、専門家の調査委員会が御議論をいただき調査していただいているそのサポートを文科省の職員がすることは当然ありますが、私の立場では最終的なその結論を聞かせていただきたいというふうに思っております。
山本 大臣が最終的に判断されるっておっしゃったじゃないですか。大臣告示なんだから、大臣が判断されるとおっしゃったじゃないですか。それを大臣、こういう政策を決めるときに、その朝鮮高校のカリキュラムが本当にこの日本の高校の基準に合っているのかどうか、それをきちっと分からないでどうやって判断されるんでしょうか。
川端 高校の無償化の対象とするために、当然ながら日本の高校、これは対象でございます。それ以外に、高校の課程に類する課程とみなせるということで、一つは専修学校の高等課程を認定をいたしました。これは、専修学校の高等課程というものの枠にはまるものはすべて適用いたしました。
それ以外に、いわゆる外国人学校が高校の課程に類するのではないかというふうにおぼしめされるところがあります。それで、一つは、その国との外交ルートを通じて、その本国が自分の国では高校と、いわゆる日本でいう高校のレベルであるということを保証した学校は認める。もう一つは、本国を持たないいわゆるインターナショナルスクールというのがございます。インターナショナルスクールは、インターナショナルスクールを認定する国際機関が幾つかございます。その機関が認めたものは高校と認定するという基準を決めました。
この二つのこと以外に、現にその学校を出て大学に入学している者がいる機関として朝鮮学校だけが残りました。この二つは、高校の課程に類するかどうかを客観的に判断することができないので、今の仕組みでは、そういう意味で、どういう中身、どういう基準で認定し、どういう判断方法を持てばいいかを専門的に御議論をいただいている。それを踏まえて、それで決められた仕組みで決めることによって、先ほど申し上げました前二者と同様の扱いをして高校と認定するということで、最終的に告示をするという方法を取るということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
山本 冗長にしゃべっていますけれども、何をおっしゃっているのか全く分かりません。だって、大臣が最終責任者としてこれを許可するわけでしょう。これを決めるわけでしょう。だから、その前にきちっと、例えばここは今朝鮮高校ですけれども、この歴史教科書が高校の授業としてふさわしいかどうかという判断をされるわけですよね。
大臣、この決定をする前にきちっとこの高校のカリキュラムを、大臣、きちっと読んでいただけますか。そのことを約束していただきたいと思います。
川端 繰り返しになりますけれども、本国、いわゆる外国人学校で本国を持つ学校は、その本国に問い合わせをし確認をする。インターナショナルスクールは国際的なインターナショナルスクールの評価機関に任せると。そういう意味で、今回はもう一つの方法として専門委員会の評価方法に任せるということでございまして、それを手続上取るということを申し上げていることでございます。
山本 全く答えになっていません。全く政治主導が働いていません。よく分かりました、この件については。
大臣、この教科書、ほかにもいわゆる金正日、将軍様を礼賛している部分がいっぱいあります。私は、別にこの朝鮮高校で学んでいる高校生の方々、もちろん彼らには何の罪もありません、彼らを排除するって言っているんじゃないんです。でも、この指針、こんな、金元工作員の爆破事件はでっち上げだと言い、拉致を極大化するなんということを書く、こういう教科書を作る、こういう歴史教科書で教育をしている学校なんですよ。
で、これはもう申し上げるまでもないんですけれども、北朝鮮は日本の外交安全保障にとって最大の脅威なんです。200になるか300あるか分かりませんけれども、日本全土を射程に収めるノドンミサイルが配備されている。核実験2回強行している。しかも、拉致も彼らがやっているんです。独裁国家なんです。その独裁者を礼賛するような教科書を使っている高校に何で国民の血税を入れなきゃいけないのか、ここに疑義があるということなんですけれども、これについて、菅総理、どう思われますか。
菅 今、文科大臣がこの問題についてはかなり丁寧な手続をもって判断をするということを言われております。私は、その文科大臣のそういう丁寧な手続に沿ったある意味での判断をお聞きしたいと、最終的にはそう思っております。
山本 これ以上やっても文科大臣から同じような官僚答弁みたいなものしか返ってこないと思うんで、最後に一つだけ文科大臣に申し上げておきます。
これ、本当に密室で議論が進んでいるんですね。全くどういう議論が行われているか分かりません。これ全く、今、林さんからも話がありましたが、パブリックコメントにも付していません。このままある日突然、ほとんど議論が公開されずに文部科学大臣が、いや、この朝鮮学校の無償化は決定しましたと、私の責任で決定しましたというふうにおっしゃったら、これはだれが会議で何を発言して、どうしてそうなったのか、そこはもう徹底的に国会の議論を通じて追及をさせていただきますので、そのことはしっかり頭に置いて私は聡明な判断をしていただきたいと思います。もう答弁は結構です。