二重債務、復興政策の大局観、尖閣 平成23年9月28日 参議院予算委員会 衛藤晟一氏 3 |
動画:http://www.youtube.com/watch?v=87trxRmC8xs
(23分54秒ごろから終わりまで、約10分強)
衛藤 それから、二重ローンの問題をお尋ねします。今度は、瓦礫処理が為されたあと、そして計画が組まれなければいけない。この計画もどうするか、復興計画が明確に組まれていません。そして、そこにですね、二重ローンの問題が解決されなければ、前向きに進められないんですよ。6ヵ月半経っても、我々が二重ローンの問題をちゃんとしろと言ったって、何かちょこちょこっと小手先のことをやって、まったく二重ローンの処理ができないようになっている。業を煮やして我々が最低でもこれだけの処理をすべきだという法案を出したって、ずるずるずるずる、ずっと延ばしてきたんです。
二重ローンがあったらどうして再建できないか。一番わかっているでしょう? 住宅があります。多額のローンを抱えています。全部つぶれました。そういうときにですね、もう一回お金を借りて家なんか作れない。企業をやっている方もそうです。この二重ローンの問題について、どうするのか、今結論を出してくださいよ。6ヶ月も経ったんですから。
どうぞ。
枝野 二重債務問題については、6月17日に政府として対応方針を決定いたしまして、これに基づきまして、産業復興機構及び産業復興相談センターを県ごとに設立すべく、早急な対応を、県および地域金融機関と調整をしているところでございます。それに加えて、野党から御提起をいただいております二重ローン救済法案については、与野党間で建設的な前向きの議論が進んでいるということを承知をいたしておりまして、与野党間で合意が為され、国会において対応がなされることを期待をしているところでございます。
衛藤 今のあなた方がやろうとしたそのファンドでは、二重債務の問題は全く解消できないということは、もうはっきりわかったんです。ね。あれだけちゃんとやってくださいよということを自民党は最初から言ってきたけれども、それをしなかったからね、半年間言い続けてきているんですよ、直後から。それを何もできなくてやってきたから、私どもが業を煮やして法案を出している。だから、すぐ対応するという決意を、是非、総理ですね、本気でやってくださいよ。
これができなかったらですね、復興なんてできないんですよ。総理の決断を求めます。どうぞ。
野田 あの、これまでの二次補正の取り組みの中でも、また、今準備をしている各地域の御議論の中でも万全を期して行きますけれども、今与野党の協議が大詰めを迎えていると思います。そこで出てきた成案を踏まえて、しっかりと政府で対応していきたいというふうに思います。
衛藤 それから、さらに、私はそのあと一番総理のこの人事における問題点と、もうひとつ一番大きな問題点は、震災復興にあたってね、まずはツケを次世代に回さないということを言って増税という方針を出したんですね。
これはですね、大局観のない、決定的に大きな誤りだというふうに私は思っています。
今、税外収入の話も出ました。税外収入の話も増やすと言ってますけど、これもどうなるかわからないから、これも、今5兆と言ってますが、5兆にするのか7兆にするのか、これについての答弁も求めますが、基本的にはですね、この時に、増税によってですね、これをやろうとする姿勢は、明らかに誤りです。
あなたが副大臣の時に、いくつかの、民のかまどは賑わいにけりということを引用してやられてます。今復興に向けて頑張ろうとしているときに、増税したらもっと需要が落ちてしまう。そして、プラスに行かないんですよ。今このときにはですね、まさにあなたが副大臣の時に引用した、民のかまどは賑わいにけり、あのときに減税をして、そしていらない出費を我慢して、やっていくんです。
そして、そうなると、当然なこととして、我々は基本的には、いわゆる復興債なるものを出して、それを長期の中で回収していくっていうことです。これだけ大きなものですから、長期間の中でやるっていうことをしなければいけない。それなのに、いわば需要を減らすような、このデフレの時にさらに需要を減らすような、国民を苦しめるような形の増税によってやろうという基本姿勢そのものが、一番大きな誤りなんです。そのことをはっきり見解を求めます。
野田 7月、復興の基本方針を取りまとめた時に、その基本方針の中で、これから復興していくときに、その財源については、将来の世代に先送りをすることなく、今を生きる世代で連帯して負担を分かち合うという方針を取りまとめました。それを踏まえて、これから復興の集中期間で5年間で、今、少なくともです、コミコミで13兆かかると。で、そのうちの出来る限りを歳出削減や税外収入の確保によって対応するとともに、一方で復興債を発行して、これは一般の公債とは別管理としてやるということは復興基本法でも決っておりますので、それに基づいてその償還についての道筋を定めていくという中で、足りないところは時限的に税によって措置を取っていくと、まあそういう方針の下で今最終的に政府与党で中味は固めましたので、野党の皆さんとしっかり協議をしながら、事業が推進できるように財源の裏づけを持って対応していきたいというふうに思います。
衛藤 大局を誤っていると私は何度も言いますけどね、これね、できるだけね、税外収入とか色んなものを求めて財源を作るというのは、ひとつ私はその通りだと思います。しかしですね、残りをすぐ、次世代に先送りしないと言いながら、今度は結局増税になるわけですよ、これは。ね。今増税する時期ではないんです。
ですから、ここのところは復興債にしても、もともとこの復興に当たって、色んな形の都市計画決定がちゃんとなされて、復興計画ができると都市計画決定がなされてですね、どう作るかということになってきたら、まず、公的な支出額のほとんどがインフラ整備になるんですよ。そのあと今度は民間の住宅だとか、ね、二重債務問題をちゃんと解決してですね、そこで色んな企業活動を活発にしていくとか、色んな生活基盤整備をやっていくということになっていくんです。そこに大きな投資が行われるんです。
ですから、このインフラ整備の金は、そういう意味では、次世代に先送りしないで増税ということではなくて、今この厳しい時に増税をしないで、そして復興債でもってやって、そして、基本的なインフラ整備ですから、むしろ長期間にわたってですね、国民みんなで負担してもらうって言うのが明らかに正しい姿勢なんです。
そして、復興の目鼻がついたら、若干これについてある程度負担をお願いしなければいけないことになるかもしれませんけど、その大局観を誤ったら駄目だと言ってるんです。そのことについて猛省を私は促したいと思うんです。その大局を誤ったら、あなたは間違えますよ、政策決定を。総理に聞きたいんです、これは。安住さんじゃありません、総理に聞きたいんです。
野田 復興の取り組みも含めて、あるいは社会保障と税の一体改革も含めて、当然経済のことはよく考えながら判断していかなければならないと思います。だけど、これは経済成長と財政再建を両立を図っていく、これが基本的な私の構えです。
で、これは、今の世界の色んな動きを見ても、私はアメリカも含めて趨勢になっているというふうに思います。しっかりと成長と再建の両立を図る、その取り組みを強めていきたいというふうに思います。
衛藤 再度言います。いいですか。あなたは、財務大臣をやったかもしれませんけれども、財務省の財布の紐係の役割をしてはいけないんです。あなたは総理大臣なんです。ね。その時に、この国全体の運営としてどうあるべきかということにしたときに、明らかにこの震災復興のためのお金は、税外収入等入れて一生懸命かき集めてくる。それでも足りなかったら、ほとんどがインフラ整備にかかるお金なんです。
ですから、国民広くに呼びかけて、まずは復興債を発行させてくれ、そして長期間の中でこれを吸収させてくれ、そして、復興の目鼻がついたらですね、若干の増税もよろしくお願いします、ということをしなければ、復興できないんですよ。
この大局を誤らないようにだけはしてもらいたいという具合に思いますので、それについて再度、総理のですね、私はそれについて本気で考えていただきたいということについてお願い申し上げているわけでありますけれども、総理の感想をお聞きしたいと思います。もう一回。
野田 いずれにしても財源確保策も含めて、これは三党間の協議になりますけれども、私どもは叩き台を作らさせていただきました。これを基に御検討いただければ大変ありがたいというふうに思っております。
で、もちろん国民の御負担をお願いする場面はあるという時には、これは、さきほどの中に財務省云々というお話がございましたけれども、単なる帳尻あわせの算盤勘定ではなくて、国民の理解が不可欠であります。算盤勘定と国民感情、両方しっかりと勘案しながら説明責任を果たしながら御理解を進めながら、事業を進めていきたいというふうに思います。
衛藤 予定してた質問が出来なくてですね、ひとつだけ。尖閣について、二度に亘る検察審議会の判断が出ました。そして、一昨日は、松本健一前内閣参与の話が出ました。これは明らかに政治的な判断をしたのにも関わらず、いわば歴史的な虚偽をやったんだということの発言でございました。これについて総理大臣の見解、答弁を求めます。私は是非、この官邸の処理についてですね、やっぱりおかしかったと、今後こういうことを繰り返さないということについて、総理に対してその見解を求めたいと思っております。
野田 この中国人船長の釈放の問題については、これは検察当局が判断をされたものであって、これの後に連なる外交問題については政治指導で対応してきたというのが、従来からの政府の見解であります。という発言を松本さんがされていますけれども、私の認識とは違うというふうに思います。
衛藤 終わります。