朝鮮学校無償化の問題点 平成23年10月24日 衆議院拉致問題特別委員会 長尾敬氏 |
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(20分40秒ごろまで)
質問 長尾敬氏(民主党)
答弁 公安調査庁第二部長
城井崇文部科学大臣政務官
山岡賢次拉致問題担当大臣
委員長 長尾敬君。
長尾 委員長。
委員長 長尾君。(拍手)
長尾 民主党の長尾敬でございます。まず冒頭、昨日発生いたしましたトルコの地震におきまして、報道ベースでは200人以上の方々が命を落とされたということでございます。大変な親日国家でございますし、トルコの皆様の一日も早い救出、また、なくなられた方々の御冥福をお祈りいたしたいと思います。また、日本政府におきましては、東日本大震災で大変な御尽力をいただいておりますので、万難を排し十分な対応をしていただけますよう、よろしくお願いをいたします。
まず今日は朝鮮学校の無償化問題につきまして重点的に質疑をさせていただきたいと思っております。ちょうど菅総理が辞任される直前に審査凍結状態これを解除ということで、当時高木文部科学大臣が審査におよそ2ヶ月程度というお話がございました。ちょうど今本日がその2ヶ月あたりという、重要な、非常に大きな、重大な局面に来ているという認識をいたしております。
この問題も確かに教育問題という側面ももちろんあるわけでございますが、ここは拉致特別委員会でございますので、国家としての意志の問題であると私は認識をしております。
場合によっては間違ったメッセージへつながることのおそれもあります。世界では人権問題に真剣に取り組んでいる国々各国ある中で、我が国がどのような対応をしているのかということは世界各国が注目をしていると思っております。
野田政権には正しい判断をしていただきたいという思いから、どうか従来の政府答弁にとらわれることなく、拉致事件解決に向けた国家の意思を示していただくよう御答弁をいただきたいと思っております。
まずその前に公安調査庁にお尋ねをいたします。朝鮮総連と朝鮮学校の関係、以前他の委員会で同じような質問・答弁がございましたが、御答弁下さい、よろしくお願いします。
サカイ公安調査庁調査第二部長 お答え申し上げます。朝鮮総連は朝鮮学校の運営につきまして朝鮮沢連の指導の下、総連の傘下団体であります教育会が責任を負っている旨説明しております。従いましてその影響は朝鮮人学校の教育内容などに広く及んでいるものと承知しております。
長尾 ありがとうございます。教育内容、人事、財政に影響力を持つということで、以前の答弁と同じでございますが、加えて、朝鮮学校の生徒さんと朝鮮総連との関係について、よろしくお願いします。
サカイ お答え申し上げます。お尋ねの朝鮮学校のうち、朝鮮大学校の学生および朝鮮高級学校の生徒につきましては、朝鮮総連の傘下団体であります在日本朝鮮青年同盟に加盟し、当該団体の各種活動に参加しているものと承知しております。
長尾 在日朝鮮青年同盟のいわば政治的活動に参加されているというような状況認識をまず押さえさせていただきたいというふうに思っております。これは従来からということでございますが、で、続いて文科省にお尋ねしたいんですが、こういう状況下の中で都道府県市町村から朝鮮学校に従来から補助金が出されているということについて認識をしていらっしゃいますね?
城井文部科学大臣政務官 お答え申し上げます。御指摘の都道府県ならびに市町村からの補助金ということでありますけど認識をいたしております。
長尾 文科省が調べたものと民間で調査したものと両方あるんですが、民間のほうで都道府県の順位は大阪府が2億2千144億円、兵庫県が1億8816万、東京都が1億1382万、神奈川県が8850万と、都道府県から全国で総額でわかっているだけでも8億1528万に達したと。ちなみに大阪の場合は大阪市で2700万市内校に交付、東大阪では540万を交付、わかっているだけで12市1町から3633万6千円が補助金として支払われたと。これはあの、わかっているだけでということでございますので、これは文科省のほうでは額までなかなか調べ切れていないという部分があろうかと思いますが、御答弁は結構ですが、是非そういったことも状況把握していただければなと思っております。
で、加えてですね、差し押さえ問題、つまり、私が記憶しているところですと、豊明、北九州、あとは直近であると宮城県の四日市市のほうで朝鮮学校の土地と建物を担保に朝鮮総連が(ママ)関連企業が資金を引き出したまま返済されずに不良債権化しているという事案が存在をいたしております。
で、よって(?)、23年度の数値なんですが、今まで支払われていた補助金・交付金につきまして、非常に多くの都道府県の中で、これを検討しようという動きがございます。たとえば、北海道、千葉県、東京都、これは文科省の資料をいただいているんですが、三重県、京都府、大阪府、広島県は方針を検討中というような状況になっております。
文科省はこの補助金を巡る動きについてどのようなご所見をお持ちでしょうか?
城井 お答えを申し上げます。今御指摘いただいた7つの都道府県については現在検討中ということについてはご承知置きのとおりかと存じまして、そのように承知を致しております。
その上ででありますけれども、その7つの都道府県に関してはもう方針を決定すると言うふうに聞いておりますが、そうしたひとつひとつの各種学校について、特に朝鮮学校も含めてでありますが、補助金を支出するかどうかというのは各自治体の判断に委ねられているというのがルールというか制度であると。で、補助金を支出する場合には、当然のことながら、その各自治体で毎年、毎年度当該補助金が適正処理されているかどうかというのをきちんとされていると、審査をされているものというふうに理解を致しております。
長尾 適正に処理されているものという御認識ということでありますが、これどうか文科省におかれましては、是非、このですね、都道府県、地方公共団体も、教育上の観点からと言うことで従来継続しているもののですね、一連の流れ、後ほどお話しますが、ことも含めですね、検討し始めているという現実を見た上で、どうか次の質問に御答弁をいただければというふうに思っております。
あの、何度も出てきておりますが、朝鮮学校で使用されている教材の内容に関して歴史的事実と大きく(聞き取り不能)する記述が確認されていることに対するご所見をよろしくお願いします。
城井 お答え申し上げます。朝鮮高級学校におきまして、我が国や国際社会における一般的認識および政府見解と異なる教育が一部行われていることについては大変遺憾に思っており、現在行っているこのたびの審査におきましてもその点を含めて慎重に確認を行っているところでございます。主たる教材の記述など、各教科の具体的な教育内容につきましての懸念される実態について、留意すべき事項として自主的な改善を促してまいるというところが基本でございますけれども、委員の御指摘も踏まえながらそれも含めた行政の権限でできる、できる限りの手立てを尽くすということで対応させていただきたいと言うふうに考えております。
長尾 もう一度教科書の内容についてしっかりと押さえさせていただきたいと思いますが、政府見解と大きく異なるという部分については、まさにここに資料、今日はお配りいたしておりませんが、「日本当局は拉致問題を極大化し、反共和国反総連反朝鮮人騒動を大々的に繰り広げることによって、日本社会には極端な排他主義的な雰囲気が作り出されていった」と記述があります。
これを読む生徒さんは気の毒です。生徒さんには、国籍問わず、教育は平等に、正しい教育を受けていただきたい。確かに文部科学省のスタンスは私も十分理解をすることができますが、どうか今の御答弁にありましたように、慎重に確認作業、また、記述の内容について懸念される事態についてはくれぐれも留意すべき事項として自主的な改善、ただですね、自主的な改善を強く促してまいる所存ということではですね、先ほど私冒頭申し上げたように、過去の政府答弁にとらわれていらっしゃる。
非常にまあ、拉致問題、長期化しすぎ、論点が少しずつやっぱり増えてきておりますので、どうか文科省におかれましてはしっかりとした対応、結論を出していただけますよう、強くお願いを申し上げたいというふうに思っております。
高校無償化というのは、高校に支払われるものでなく、子ども手当と同じように、生徒さんに支給をするという部分で、私もその理念を尊重することは当然であります。しかしやはり朝鮮学校、総連、また先ほど公安調査庁の方からお話がありましたように、政治運動に自動的にというか、駆り立てられているという現状の中では、やはりですね、生徒さんを守るという部分においても、やはりこの無償化の支給というものはですね、本当に教育に使われていくんだろうか、あるいは今までの補助金も教育に使われていたんだろうかというような、場合によってはこれが継続する、あるいは無償化対象にするということになれば、間接的に我が国はテロ支援国家というふうに言われても返す言葉がないような状況に陥りかねませんので、よろしくお願いをしたいと思っております。
そんな中で無償化本体の問題に入りたいと思います。高校それから高校に類するもの、類するものという部分が非常に論点で、検討会議というものが設置されたわけですが、検討会議はどのような分野の専門家が選ばれたのか、あるいはその中に外交もしくは朝鮮半島問題に詳しい専門家がいらっしゃったのかどうか、御答弁ください。
城井 お答えを申し上げます。高等学校等就学資金支援に関する検討会議の委員については、教育制度に関して行政全般の専門家、そして教員に関する専門家、専修学校教育に関する専門家、そして、高等学校教育に関する専門家、ならびに都道府県教育委員会の経験者、そして、法学の専門家の6分野の専門家から構成されていたものでございます。
御指摘の外交・安全保障の専門家ということでありますけれども、このたびの検討会議につきましては、とりわけ外国人学校ということについては高等学校就学支援の対象である、対象となる高等学校の課程に類する課程をおくものであるか否かを、制度的・客観的に審査するための基準や手続き等を審査するために設置された会議であることから、北朝鮮の専門家は含まれていないということであります。
長尾 文科省のスタンスはもうこれまで何度も伺いましたので、分かりましたし、改めて今押さえさせていただきました。
ところが、昨年の11月に、延坪島に対する砲撃事件が発生いたしました。これは北朝鮮の韓国に対する攻撃事件であります。審査を止めた理由、御答弁下さい。
城井 お答えを申し上げます。審査の一旦停止につきましては、昨年の北朝鮮の砲撃が国家の安全に関わる事態であり、このため国内において政府を挙げて情報収集に努めると共に、不測の事態に備え国民の声明と財産を守るため万全の体制を整えるという見地から行われたものであると承知を致しております。ただ、審査に当たってということでありますけれども、いわゆる外交上の配慮などにより判断すべきということではなくて、教育上の観点から客観的に判断すべきという考え方は変らずにおるところでございます。
長尾 私はまあいわば当初の文部省の方針に必ずしも即していない、ひとつの、私はあの、政治的判断、まあ超法規的に、まあ、私は、当時の菅総理が指示をされたという点では、極めて常識的な判断だというふうに思っております。
ところが、今年8月に審査再開を目指したということでありますが、これはもう、いわば、どういった内容になりますか? 御答弁ください。
城井 お答え申し上げます。なぜ再開をしたのかということについての御質問かと思います。朝鮮学校の審査手続きにつきましては、昨年11月の北朝鮮の砲撃から約9ヶ月が経過をいたしましたけれども、その間に北朝鮮がこれに匹敵するような軍事力を用いた行動を取っておらず、また、7月には南北対話や米朝対話が行われるなど、北朝鮮と各国との対話が生じてきているということを踏まえまして、菅前総理が関係閣僚と相談の上、事態は昨年11月の砲撃以前の水準に戻ったと総合的に判断できる状況になったと判断をして再開の指示をされたものというふうに承知を致しております。
長尾 あの、質問の核心に入りますが、不測の事態というものがあります。ま、それはひとつの大きな判断材料であったことは事実だと思うんですが、延坪島事件が不測の事態の可能性を引き起こした原因であるならば、拉致事件は今後起こりうる不測の事態の原因となりうるのではないかと私は思っております。
担当大臣にお尋ねをしたいと思っております。我が国にとって拉致問題とは何なのかを踏まえて、拉致事件に端を発し、今後不測の事態は想定されるかどうか、ご所見をお願いします。
山岡拉致問題担当大臣 改めて申すまでもございませんがですね、北朝鮮による拉致問題というのは、重大な国家の主権侵害であり、人権の侵害、生命の安全を著しく脅かすものでございますから、そういう点においてはですね、国家あげてこれに対応していかなきゃならないということは皆様も御認識の通りでございます。
そして、何をもって不測の事態かと、こういうことになればですね、当然拉致事件というのも大きな不測の事態でありますが、今後と、こういうことになりますとですね、それはあの、朝鮮半島を巡る今後の情勢がどうなっていくのかと、こういう点においてはですね、外務省を中心にして詳細な検討が行われていくものと思っております。
ま、私どもの立場としてはですね、その評価を踏まえて、その判断・結果を踏まえて、よく協議の上で対応していくというのが私どもの立場でございます。
長尾 私は拉致問題が、やはり大きな、大きな、我が国の主権侵害であるという位置づけであるならば、当然これも含め、文科省の方針は重々承知を致しておりますけれども、やはり無償化問題については極めて極めて慎重に審議をされるべきであるというふうに強く思っております。
最後に大臣に無償化問題について、ご所見をいただいて私の質問を終わらせていただきます。
山岡 あの、拉致問題に絡んでですね、この無償化の話というのは、今、大きな論議を呼んでいるところでございますが、御家族の皆様の心情を慮ればですね、これはもう図っても余りある思いをされているんじゃあないかと思います。
ま、私の立場としては、あー、あー、関係、えー、大臣、総理大臣、特に文部大臣にはですね、そういう事件の内容やあるいはその後のご心情等をですね、十分に忖度をした結論を出していただきたいと、こういうことは常々申し上げているところでございますが、10月8日でしたか、8日にですね、家族の皆様と総理とのですね、面談・懇談の機会を持たしていただいたわけでございますが、その時にも野田総理はですね、朝鮮学校の扱いについては文部省に厳正に審査するように指示をしたと、この旨のことをその時もお話をされておりましたし、その後も厳命をされているわけでございますので、こうした状況を踏まえてですね、文部省の厳正な審査を踏まえて政府全体として判断をしていくべきものと、こういうふうに思っております。
長尾 ありがとうございました。以上で終わります。(拍手)