山岡大臣の異例の苗字変更 盗作論文販売の違法性 被害者遺族への発言 参院法務委 森まさこ氏 4 |
ブログ筆者より:タイトルに日付が入りきりませんでしたが、平成23年10月27日、参議院法務委員会の質疑の続きです。
動画:http://www.youtube.com/watch?v=--hhAId5OAc
原法務省民事局長 (承前)具体的な事例があるのか、私は承知しておりません。
森 ええとですね、先ほどの秘書官のように、ま、苗字が変ってると、過去に犯罪をしてても気がつかないということがあると思います。
まあ、私、消費者問題が専門の弁護士をしてきましたけどもね、大臣はずっと大蔵省でいらして、そのあと弁護士になって、ま、2年間で政界に出られたということですので、あの、御存知かどうかわかりませんけれども、ま、詐欺をする犯罪は、よく、通称名ですけれどもね、変えるんですよ。苗字のところを変えていくというと、大変ですね、追跡調査が困難になるんですよ。
ま、大臣の中にですね、あの、山岡大臣ですけれども、戸籍の苗字を変えておられます。今法務省が答弁した通り、婚姻以外の理由によって氏を変えるというのは、非常に特別な場合に限られます。読むのに難しい漢字があるので、難読っておっしゃいましたけども、社会生活上困難であるとか、まあそういうような理由なんですけれども、山岡大臣はですね、まあ元々の自分の生まれた時のお名前から婚姻によって藤野さんに変った。奥さんのほうの姓に変えたわけですね。藤野さんというのは、作家山岡荘八さんの本名です。国会議員に出られた時には藤野賢次で登録をし、議員名簿にもそう載っております。
ところが、そのあと、法務政務次官になった。これは戸籍法を所管する法務省の政務次官です。その間に氏が山岡に変っているんです。と思われます。議員名簿には通称という記載が消えて、今は山岡であるということです。でも、これ、義理のお父さんの本名じゃなくて、ペンネームですよね。なぜそんなものに戸籍を変えるんでしょうか。
私どもは、法の適用、まあ大臣もおっしゃいました、法秩序の維持とおっしゃいました、そういうものを司る法務政務次官がですよ、通常認められないような氏の変更を在任期間中にしたということは、大変ですね、不可解に考えているんですけれども、大臣はどのように思われますか?
平岡 今の事実関係は私も詳らかにはしておりませんので、何と答えていいかわかりませんけれども、先ほどの民事局長の答弁では、最終的には家庭裁判所が判断するところであるということであったので、家庭裁判所における判断によって決ったものではないかというふうに、ま、感じた次第でございます。
森 ま、国会議員でですね、あの、義理の親のペンネームに戸籍を変更した方はいません。また、自分のですね、御自分の、あの、芸能活動の時の、ま、芸名であるとか、そういうものに戸籍を変更した方もおられません。戸籍の氏を変更した方はおられないんです。
また、一般人でもですね、私が調べた限りでは、国会図書館に調べていただいた限りでは、義理の親のペンネームに戸籍を変えたという方、いらっしゃらないんですよね。
ですから、私、戸籍法を担当している大臣にですね、ま、ご感想を伺ったんですけれども、家庭裁判所の判断ですので何もコメントはありませんと、そういうお答えでした。
それでは次に著作権法の違反についてお伺いしますけれども、他人が書いた論文をですね、一言一句そのまま使って何の文章も付け加えず、どこも削除せず、まるきり同じ文章の作成名義だけを自分の名前に変えて、それを他者に提供してお金を受け取る、こうした場合に著作権法違反で罰則が適用される可能性はあるんでしょうか?
平岡 著作権法の所管は確か文部科学省だと記憶しておりますけれども、ま、いずれにしても犯罪の成否というのは収集された証拠に基づき判断されるべき事柄であるので、私からは答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
森 罰則の部分は法務省であると思いますけれども、それでもお答えにならないということですか?
平岡 あの、答弁は変りません。
森 それでは犯罪被害者の問題にまいります。えー、先ほどですね、えー、御自分の秘書官も、あの、犯罪を犯したけれども、もう執行猶予期間が満了したので、えー、ということをおっしゃられましたけれども、今度は被害者の問題についてお伺いしようと思います。
大臣が、まあ、犯罪被害者に対してですね、どういうお考えでどういう施策をしていくかということ、大臣所信には書かれておりません。大臣が民主党ネクスト法務大臣の時代にテレビで発言したことが色々と取り沙汰されておりますので、大臣は大臣所信で犯罪被害者の施策をきちんと書き込んでくださるのかなと、ま、過去の大臣は書いておりましたのでね、私も思っておりましたけれども、犯罪を犯した側のですね、えー、色々な処遇等については所信の中に書かれてあるものの、被害者については何も一言も言及がございませんでした。大変そのことについて残念に思っています。
衆議院の法務委員会で、三人の委員からこの問題を、自民党についてだけでも三人の委員から質問がされたようでございますけれども、テレビ番組で息子さんを少年のリンチで殺害された被害者の母親の前で、その被害者に発言したということで、どういう発言をしたんですかという質問に対して正確にお答えになっておられないので、もう一度お伺いします。この被害者の母親にどのような発言をなさったんですか?
平岡 私、同じ質問を受けまして、えー、それなりに正確に答えたつもりではございましたけれども、こういうふうに発言をしていたと思います。「そういう悪いことをした子供たちは、それなりの事情があってそういうことになったんだろうと思いますけど」と申し上げたところ、えー、被害者のお母さんのほうから、「事情って何ですか」っていう問いかけがありまして、えー、私のほうからは、「いやいや、事情というのは要するに、彼らがどういう環境の中で育ってきたとか、どういうふうに、その大人とか親とかの関係であったとか、色んなことがあったわけで、それはとにかく置いておいて、その加害者であった子供たちにどうなってもらいたいのか、その子供たちが自分を反省し、これからの人生を歩んでくれるということには、そういうようなことっていうのはもういいから、とにかく死の恐怖を味わわせてやりたいということですか」というふうに話したというふうに、えー、承知しております。
森 大臣のですね、ホームページには、あの、もう少し書いてあるんですけど、この事件はですね、大変あの、残酷な事件ですけれども、被害者の方が交通事故で体が不自由な高校生、定時制に通っていたけれども、勉強して今度全日制に移ることになった。そして非常に喜んでいたら、仲間の二人がお祝いの会をしてやると呼び出して、障害者のくせに全日制に行くのは生意気だと言って、顔、頭、足、腹、ところかまわず、無抵抗な被害者を70回以上殴った。それで被害者の顎ははずれ、顔はたちまち原形をとどめないほど膨れ上がった。意識を失いかけた被害者をこの二人の少年は高さ60センチほどもあるコンクリート台からプロレス技のバックドロップで頭から地面に叩き付けた。さらに別の場所に移動し、2回バックドロップを繰り返した。失禁して泡を噴いた被害者をさらに1メートルほどの高さからコンクリートに頭を打ち付けた。そして、障害者だから助ける価値がないとか、そういうことを色々言ってたと。こう言って、この二人の少年が被害者に水をぶっ掛けて、暴行は1時間半以上も続いて、命を失ったという、まあこういう本当にむごい犯罪でございます。
この被害者のお母さん、大臣がテレビ番組に出ているとき、これ、民主党ネクスト大臣の時にですね、出ておられる時に、被害者のお母さんが、あの、来た時に、何と言ったかというのは、この平岡大臣のホームページに、「私はこういうふうに発言をいたしました」と、「以下に記させていただきます」というところを読み上げますと、「その加害者の人に、その死の恐怖を味わわせるという気持ちで、あれですかね、私は、あなた」あなたというのはお母さん、「が、本当に幸せというか、納得するというか、できるとはちょっと思えないんですね。むしろそういう悪いことをした子供たちは、それなりの事情があってそういうことになったんだろうと思いますけど」というふうに言った。
それに対してお母さんが「事情って何ですか」と問いかけたら、ここから先は大臣がおっしゃった通り、「いやいや事情というのは要するに彼らがどういう環境で育ってきたとかどういうふうに大人とか親とかの関係であったとか、まあ色んなことがあったわけで、それはとにかく置いておいて、その加害者であった子供たちにどうなってもらいたいのか、その子供たちが自分を反省し、これから人生を歩んでくれるということには、そのようなことはもういいから、とにかく死の恐怖を味わわせてやりたいということですか」と、そういうふうにおっしゃったというふうに大臣のホームページに書いてあります。
確かに、ま、少年法のですね、精神は、精神としてあります。私たち法曹そして法務委員会の国会議員はそれを理解していると思います。ただですね、犯罪被害者のお母さんにですね、これを言うというのは、これは本当に、人間としてね、あの、どの様な気持ちでおられたのかと私は思うんですよ。そして、そのあと、お母さんに、ま、電話一本の謝罪をしたということですけれども、お母さんはまだ怒ってらっしゃる。気持ちが傷ついてらっしゃる。
そういう中で、昨日、我が党の平沢議員がお線香を上げに行ったらいかがですかと言ったら、そう言われて初めて、じゃあそうしますというような趣旨のことをおっしゃいましたけれども、その前の答弁では、自分は電話で謝罪をし、その前にホームページで、先ほどのような引用をした上でですね、ホームページで謝罪をしたのでこれで十分な謝罪をしたと考えているというふうにおっしゃったんです。
私は、それは違うと思うんです。先ほどからのですね、被災地のこともですね、大臣所信に書いていただけませんけれども、そういうようなことのひとつひとつの答弁を見てもですね、何か本当に誠意が感じられない気持ちがいたします。
もう、犯罪被害者の施策については、そのあとの衆議院の質問でですね、答えてらっしゃいますけれども、その答えたことをですね、本当に魂をもって取り組んでいただきたいということをですね、申し上げたいと思います。
先ほどから申し上げて来ました通り、大臣所信をですね、大臣が5人目ということで、繰り返してきて、なかなか功を奏していないということからもですね、この法務委員会、大変課題が山積しておりますので、私から委員長にお願いをしたいのは、この間ずっとこの法務委員会の課題であります尖閣問題とか、それから検察庁のフロッピーディスク改竄事件もありました。これに関して検察のあり方検討会からも報告をいただいておりません。また、最高検の報告もいただいておりません。ですので、しっかりとこういうことについてですね、早くまた委員会を開いていただいて、集中審議をしていただきたいということを申し上げます、委員長。
委員長 ただ今の森さんの要求につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
森 ありがとうございます。それではこれで質問を終わります。(拍手)