TPP 各省それぞれの試算と国民への説明 11月11日 参議院予算委員会 林芳正氏(自民)3 |
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質問 林芳正氏(自民党)
答弁 野田佳彦内閣総理大臣
枝野幸男経済産業大臣
鹿野道彦農林水産大臣
古川元久国家戦略担当大臣
林 (承前)色々とそれはそうじゃないということを枝野大臣はおっしゃりたいと思いますけれども、ちょっと我慢いただいて、(会場笑)あの、そういう印象になってるってことがこんなことになってるってことをね、是非わかっていただきたいんです。
皆さんは中では色々知ってるかもしれない。しかし、野党はそういう情報ありません。野党の国会議員ですら知らないことを、国民の皆さんが知りうる立場にないわけですね。そういうふうな立場に置いておいて、これはきっといいことだから全部俺に任せてくれと言われてもね、それは無理ですよ、総理。(会場「そうだ」)
今までも、25%温室効果ね、トラスト・ミー、普天間、全部そうじゃないですか。任せた結果どうなったか、見てますよ、国民は。(会場「そうだ」)大事なことなんです。本当にこれ大丈夫ですか、総理?
野田 (激しい野次)あの、基本的にはですね、この外交交渉の問題も含めて、あるいは今回の第三次補正予算その他の課題、あの、ひとつひとつ、みんな大きな課題だと思っています。その課題を乗り越えるために、あの、全力を尽くしていくということであって、あの、安易にですね、私を信頼してくれとか、そういうことではなくて、やり抜いていく覚悟をしっかり持っているということだけは御理解をいただきたいというふうに思います。(会場騒然)
林 あの、もうあたかも入るっていう決定をされたかのような答弁でしたけれども、入るという場合はということだと思います。そんなことでひっかけようと思いませんから、安心していただきたいと思いますが、そこで、時間も迫ってまいりましたので、試算総括表っていうのを政府が出しておられます。これ、何度も議論になっているやつですが、あの内閣府が、あのこれ外の方なんですね、川崎さんってのはGTAPモデルの専門家ということでやっているのが、これがまあ、メインだとおっしゃっているんですが、一方で、農水省、経産省、それぞれ別々に出しておられます。ですから、これがメインだと、こうおっしゃるんであれば、この前提に農水省も経産省も前提を合わせてですね、たとえば、経産省っていうのは、日EUとか日中EPAとかね、全然関係のないことも全部書いてやってるんですね
で、韓国だって今米韓FTAの批准がどうなってるか、連日新聞で報道されている通りでありますから、もうここまで議論をして、明日決めるっていう時に、もうちょっと現実的なですね、農業の方は対策をこのぐらいやるっていうのを入れて、そして、まあ三省というか、少なくとも総理の下で農水省と経産省を交えて、一体としてこういうメリット・デメリットになりますというのをお作りになるということは、なぜされないんですか?
委員長 はい、枝野……(会場「総理だよ」「総理」)経産大臣。
枝野 経産省の試算についてお尋ねがございましたが、これについては、あの、昨年の段階でこういう計算をいたしましたが、その後今のような御指摘を踏まえて、こうしたことも出発点にしながら、内閣府において一括した総括した試算をしていただいたものでございますので、あえて言えば一番左の試算が出てきたことで経産省の一番右のものは役割が終わっているものであるということをお話申し上げたいと思います。
林 あの、経産省の試算はじゃあもう撤回するってことですか、これ?
枝野 より総合的な、内閣府としても試算が出てきましたので、経産省の所管範囲内における、ある部分的なものについての役割は終わったものであるということです。
林 あの、議論を混乱させただけだと思いますね。最初からそれをやっとけばよかったんですよ、じゃあ。なぜ別々に出すんですか? 最初から政府として統一見解出しとけば、ここまで議論が拡散することなかったと思いますよ。あなたそんないい加減なことをね、そうよくこのここで言えると、そういうふうに思います。
農水省、いかがですか? これも、もう役割終えてますか、この試算?
鹿野 昨年の10月に私どもで出させていただいた、この試算というのは、一定の前提を置きまして試算いたしまして、経済連携においての国民各層の議論の材料として提示したものでございます。
まあそういう意味では、今後どういうふうな形で、この政府内におけるところの一つの考え方というものを、どういう形で打ち出していくかというものは、やはり今後考えていかなきゃならないことだと思っております。(激しい野次。「日本語でしゃべれ!」など)
林 あの、先ほどから農水大臣は、非常にまあ慎重なと言いますか、中身がないと言いますか、そういう答弁なんで、非常にあの、決定を控えて緊張なさっておられるのかなあという感じがいたしますが、経産省はああいうふうにおっしゃってるんですよね。もうこれ役割終わったと。こちらに、まあ吸収されたと。
農水省はまだこれはこれで残すと、こういうことでございますか?
鹿野 やはり、一つの、一定の、条件の下での考え方を出したわけでありますから、非常に大事な数字であると、こういうふうに私どもは認識をいたしております。(会場騒然)
林 えー、それでは、あの、政府全体としては、経産省はもう降りたけれども、農水省はこれは残って、内閣府と農水省の農業の方の試算が二つ残るということで、総理、よろしいですね? (会場「総理だ」「総理」)
野田 これ、まあ、農水省の農業への影響試算、これ、一定の前提で、あります。経産省も同じでした。で、それぞれの役所の立場からですね、あの、こういう影響があるということを国民の皆様にお示しをした、その効果は私は一定のものはあったと思うんです。
ただ、最新の、一番、その、横断的なものは、左のマクロ経済効果分析であるということで、どっかがなくなったとか、どっかの価値がこうとかじゃなくて、それぞれ、が、あの、それぞれをやったことはやったことでありますので、それは、その、ま、一定の国民の判断材料になったと思います。で、最新のものは今だからマクロ経済効果分析であるということであります。
林 あの、ちょっと本当に残念なのはね、総理ね、まあ政治主導なんてことをやれって言うつもりもないですけども、内閣総理大臣、また閣僚の皆さんってのは、やっぱり政治が主導するというためにあるんで、各お役所の立場でって総理がおっしゃっちゃったらね、おしまいなんですよ。ね。(会場「どこが政治主導だ」)
役所がそれぞれの立場でこういう数字作りましたってね、あなたの内閣ですよ、これ。あなたがやれって言えばやるんですよ。なぜそういう指示をされないんですか?
(会場「総理!」「総理」)
野田 ま、言葉の問題も色々あったかもしれませんけれども、過去にそれぞれの大臣の理解の下で、農水省は農水省で、経産省は経産省でやったんです。で、私の下でこういう内閣のものが出てきたということであります。
林 前提をそろえて、こういう前提で各省で統一にするっていうことを、一度も、野田さんになってからやってないってことなんですよ。それはその前にやったことまでいいませんよ、財務大臣でおられたからね、知ってますよ、それは。
だけども総理になった瞬間にこの問題を本当に大事なら、デイワンで前提をそろえて、ひとつにまとめろっていう指示してもよかったじゃないですか。それを今日までやらないで明日決断するって言うのはいかにも前のめりだと思いますけど、いかがですか? (会場「そうだ」「そうだ」拍手)
野田 いや、これ、内閣府のこのマクロ経済分析は、各省と横断的に調整をして、国際機関とかも使ってるものを使ってるということですので、それをもって、あの私は有効な資料だというふうに、指標だと思います。
林 ではあの農水省が前提としている、全世界を対象にただちに関税撤廃を行うと、何等の対策も講じない、という前提は、この内閣府の試算ではどうなってますか?
古川 (会場「総理」「総理」)あの、今の委員のですね、御質問の部分は、内閣府は、まさにこのTPPと、に参加する場合というのを前提に置いて、かつ、まあこれが10年の原則で、10年間で関税を撤廃すると、ま、そういう前提でありまして、そういう仮定のもとでですね、マクロ計算をしたというものでございます。ですから、あの、農水省がやって、あの、試算をしたのは、これはあの、全品目について全世界で、えー、これ関税撤廃ということでですね、それぞれ条件が違うと。
ですからTPPについての試算というのは、内閣府でやらせていただいたものがですね、政府としての見解だということでございます。
林 いやいやいや、あの、内閣府だってFTAAP、TPP、TPPプラスいくつって、色々やってるんですよ。だからそれはわかってます。私が聞いているのは、対象の品目を全世界でただちに関税撤廃って農水省書いてますよ、ここに。ね。で、何等の国内対策もやらない場合と書いてるから、じゃ、内閣府の数字は、この前提についてはどういう前提で置いて作ってんですかって聞いてんですよ。答えてないじゃないですか。
総理、そんなことも知らないで、これが最新版ですと、野田内閣の、そうさっきおっしゃったけど、その大前提をわかってないんですか、総理?
(西田昌司議員の声「どう国民に説明するんだよ!」会場「総理」「総理」「総理じゃないか」と騒然)
委員長 もう一度、古川戦略大臣。(激しい野次)はい簡単に、簡単に答えてください。
古川 あのー先ほど申し上げましたように、このTPPに参加した場合で、10年で関税が撤廃された場合という、こういう前提で計算をしているということでございます。
野田 あの、各省横断で、相談をしながら作ったということでありますので、その中には農水省とか経産省も入ってるという前提で私は作られたというふうに認識をしております。
林 あのね、さっきから聞いてると他人事のように聞こえるんですよ。各省がやったから多分ね、そういうことはきちっとやってんでしょうとしか聞こえないんですよ。大前提の対策を講じるのか講じないかについてはどうなってんだってね、この説明を官邸で受けた時にそんな質問もしてないんですか、総理?
(激しい野次「総理大臣、答えろ」「逃げたら駄目です」など。野田総理が手を挙げる。)
委員長 野田内閣総理大臣。(野田総理が手を下ろす。総理は着席したまま。林議員が手を挙げる。野党側理事たちが委員長席のほうに出て行く。)
委員長 林芳正君。
林 もうね、あの、総理が、総理が御存知がないということがよくわかりましたよ。
あの、もうね、総理、手を挙げられないってことは知らないってことですよね、(会場笑、拍手)要するに。そんな大事なことね。
で、さっき経産大臣は、これはもう役割終わったって言ったけど、農水省は、まだこれは役割終わってないと、従って、この前提は生きてるわけですよ。だからそれが入ってるのか入ってないかっていう極めて大事なことについてね、総理がご存じなかったとよくわかりました。
で、その前提で今古川大臣大事なことをおっしゃいましたが、TPPですから、10年で関税がゼロになるという前提で試算してありますってはっきりおっしゃいましたよ。さっきの例外のっていう話と全然違うじゃないですか。総理、どうなんですか? この試算はゼロになるっていうことになってるということと、例外を認めるということはちゃんと説明されるべきだと思いますよ。いかがですか? (西田議員の声「ボロボロじゃないか」)
野田 あの、何でも試算っていうのは前提があると思うんです。で、その10年間関税ゼロで鳴った場合には、という試算を出してるというのがこのモデル。試算はこうだけど、じゃ、例外は作れるかって言う議論が当然あるんです、試算とは別に。そこは御理解いただきたいと思います。
林 あの、佐藤議員にもう譲りますが、そういうことをここで言われたから言うんじゃ駄目なんですよ。最初からこの試算はそういうふうになっていて、例外はこうなんですっていうことをね、口を酸っぱくして言わないと、みんな疑心暗鬼になってんですから。ね。ですから、そのことを申し上げて、本当に大事な決断ですから、いい決断をしてもらうことをお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)