官房長官厳重注意とTPP米への訂正要求 どっちも二枚舌? 11月16日 参院予算委 小野次郎氏 2 |
質問 小野次郎氏(みんなの党)
答弁 野田佳彦内閣総理大臣
藤村修内閣官房長官
玄葉光一郎外務大臣
小宮山洋子厚生労働大臣
小野 (承前)話題を変えますが、総理に伺いますけれども、総理は、今月11日付で、藤村官房長官、それから、竹歳官房副長官、処分されましたね。処分の内容と処分の理由をもういっぺん話してください。
野田内閣総理大臣 藤村官房長官には厳重注意、竹歳副長官には訓告と言う形の処分をさせていただきました。それはあの、昨日もご議論ございましたけれども、えー、松原国土交通副大臣を、おー、え、拉致問題の担当の、あの、いわゆる、山岡大臣の補佐と言う形で、閣議で私が要請をしたという形で、その官房における混乱があって、その指示のところで国会のいわゆるご審議にご迷惑をかけたりしたと、いうことを踏まえての対応であったと言うことでございます。
小野 官房長官、あの、連絡してませんがちょっと、説明して欲しいんですけども、閣議でって総理おっしゃいましたけど、閣議ですか、閣僚懇談会の場、どっちの場ですか?
で、閣議決定ですか、それとも閣議了解事項、どっちだったんですか?
藤村内閣官房長官 今のあの、ご質問に、閣議であるということをお答えしたらいいですか? 閣議です。閣議で発言をされたということです。
小野 閣議ですか、閣僚懇談会ですか。それから、閣議決定ですか、閣議了解事項ですか?
藤村 あの、閣議での発言であります。
小野 竹歳官房副長官、官房副長官は3人いますが、なぜ事務の副長官が処分されたんですか?
藤村 あの、閣議での発言において、松原副大臣について、えー、総理からの指示をしたと。で、本来過去の例は全て、松原副大臣の上司であります前田国交大臣がその後に発言をしないといけない。そういう手続きになっていたと。と言う意味では、手続き面で瑕疵があったことは、それは事務方の処分になったんだと思います。
小野 私はもういっぺん総理に伺いますけど、この厳重注意自体なかったんじゃないかと思うんですよ。いつどこで、どういう形で官房長官に厳重に注意したんですか? (会場から笑い)(「総理だよ」「総理にいつ注意したのかって聞いてるんだよ」)
野田 あの、金曜日の出発前にそういう方針を固めて、あの、お話をいたしました。
小野 私は、総理が閣僚を厳重注意する場面を見たことがあります。ちゃんと、ある場所において、きちっと、こういう理由で厳重に注意するって事を言い渡すんですよ。ちゃんとしましたか? (会場「してないんだよ」「してない」)
野田 官房の執務室で行ないました。
小野 それは証明できますか?
野田 私と官房長官の間ですので、官房執務室でお話をして、そういう形にしたと言うことであって、証明と言われても困りますが、ええ、あの、二人でやってるとこです。
小野 私はねえ、閣僚を総理大臣がかなり厳しく叱るのも、あの、閣議室の周りに小さい部屋があるでしょ? あれ、愛の説教室って言うんですよ。でもそれは、厳重注意処分じゃないんですよ。どんなに怒ったって。厳重注意処分っていうのは、人事上の処分ですからね、それは誰かがきちっと証明しなきゃいけないし、どっかに記録がきちっと残ってなきゃいけない。藤村さんの方は、それを受領しましたと言う確認する何かの行為がなきゃいけないんですよ。それがありますかと聞いてるんですよ。(西田「なるほど」)
委員長 藤村、藤村官房長官。受けた方の話を聞いてください。(西田「やった方がないんだから受けた方もないだろ」)
藤村 あのう、総理が出発、あ、あの、記者会見をされました。で、その後、夜の多分あれは8時過ぎくらいかと思いますが、私はあの総理室に入り、そこで注意をいただいたということで、このことはまあ、証明と言うことよりはあの、私のその後の会見ではそのようにご報告をしたところでございます。
小野 それで私が、その、見ることができたその場面では、閣僚の方からは、ま、厳粛にそれを受け止めると言う趣旨の発言と、もうひとつは、責任を自覚して閣僚としての給与について、忘れましたけども、一定の割合を返上すると言う申し出もありました。あなたは、本当にその厳重注意処分を厳粛に受け止めるなら、どういう対応を考えたんですか?
藤村 あの、参議院の中で様々議論の中で、あの、いわゆる給与返納と言う話も中段階ではございましたが、最終的に参議院のほうで決めていただいたと言うことでございますので、そのように従ったわけでございます。
小野 だから駄目なんですよ、こんな内閣は。だってね、憲法上の、内閣って立派な機関なんですよ。あなた、国対の問題でね、そうやらなくてもいいって話になったからやめましたで済む問題なんですか、閣僚として。あなたはその厳重注意処分をどういうふうに受け止めたんだと聞いてるんですよ。(西田「ナァナァじゃないか、全部」)
藤村 手続きの手違いがあったことは私の責任でもございますし、もちろん事務方の責任が一番あったとも思いますので、私は重く受け止めました。
小野 同じ文脈で、今度、TPPの総理の、そのオバマ大統領の発言としてアメリカ側の発表との食い違いの話に行きますが、総理はやっぱり言ってるんじゃないんですか? 僕は今日、今朝聞いてて、昨日の説明と今日の説明と微妙にあなたは変えてますよ、説明を。昨日は、山本一太議員には、「昨年11月の閣議決定に従って」と言ってですね、カギ括弧、交渉参加に向けて米国との協議を開始するとアメリカ側に伝えたと言いましたけど、今日、徳永議員に対しては、昨年11月の閣議決定に従って交渉参加に向けて関係国との協議を開始するとアメリカの大統領に伝えたと言いましたよ。つまりその、閣議決定には入ってるんですよ、さっきから話題になってる全てのものをテーブルに乗っけるって話が。だからそれはあなた言った事と同じになりますよ、それだったら。(西田「また詭弁か」)
野田 あの、昨年の11月の、私が申し上げたのは、あの、交渉参加に向けて関係国との協議に入るということと、昨年閣議決定をしている包括的な経済連携協定に基づく基本方針を踏まえて、高いレベルの経済連携協定を目指すと、そういうことです、はい。
小野 じゃあその「従い」ってのは、外務大臣、英語で何て訳したんですか、向こうに。
玄葉 ちょっとあのー、その場にですね、私自身、あの、おりませんので、英語で何と言ったかと問われても、正しくですね、えっと、通告していただければ、あー、しっかり持ってまいりますけど、これは仕方がないと思います。
小野 昨日からだってこの問題が全て一番大きな問題になってんでしょ。外務大臣、じゃあうちで休んでたんですか、質問来なければ。そういう問題でないじゃないですか。まさにその、言った内容と、アメリカ側で取り消さないと言ってる内容の食い違いが問題になってるんだから。その部分は何て言ったんですか? それは、委員長、続けますよ。だけどこれ、どんな国際会議に総理が行って帰ってきた時も、その説明は総理大臣はしませんよ。外務大臣がしてるんですよ、歴代。だから、外務大臣は全部把握してなきゃいけないんですよ。あなたの責任なんですよ。答えてください。
委員長 あの、ただ、英語の原文をですね、あの、持参してないって言ってるんですから、多少それを取り寄せるとか何とか、あの、それをやらなきゃ、ここでやったってですね、いささか、ちょっとその、難しいと思うんですね。
小野 (席で)何で委員長が代弁するんですか、そんなこと。
委員長 あの、どうですか? 後刻、その、それに対して、あの、提出するという事にしていただいたらいかがでしょうか。ここの質問事項では、その原文の照合まで、はい。
小野 じゃあもう一度聞きますけど、総理、その今、総理がさっき説明した話は、オバマ大統領に伝えたんですね? 閣議決定に従って、基づき、どっちですか? (会場から「基づき」)と言ったんですね、向こうに。言ったら、言ったと同じですよ、だって。
野田 昨年11月に決定した包括的経済連携に関する基本方針に基づき、高いレベルの経済連携を進めていくという趣旨の話をしたということです。
小野 で、その閣議決定の方針は何が書いてあるんですか?
野田 センシティブな品目に配慮をしつつ、しつつ、うー、全ての、おー、物品、サービス、自由化の対象にする、というような内容の閣議決定であります。
小野 だからそれをアメリカ側は何か知りません、ホームページか何かにそのまま載っけたってことでしょ。全然おかしくないですよ。あなたの方がおかしいですよ、二枚舌ですよ、明らかに。
野田 さっき申し上げた基本方針は、センシティブ品目について配慮を行ないつつという言葉が入ってるんです。で、それ以降を抜き出しているというところがやっぱり違うんで、(西田「何を言ってるんだ」)あのう、だから我々は基本方針に基づく高いレベルとは違うということであります。
小野 じゃ、取り消すんじゃなくて、配慮しつつっていうのも追加してくれっていうお願い、どっちしてるんですか、あなたは?
野田 解釈の話じゃなくて、私は言ったことではないと、具体的その場で、高いレベルのあの、失礼しました。あの、いわゆる全ての品目を自由化交渉の対象にするという言葉を言っていないということを我々は伝えたということです。
小野 いや、あの、たとえばこの紙、なんでもいいですよ、この紙を参照してとか言ったら、それはこの内容まで認めた事になるのは、大人だったら分かるじゃないか、そんなもの。契約の条項全部読み上げなきゃ駄目だって、書いてある通りの、あるいは別紙の通りと言ったら、別紙も認めた事になりますよそれは。(質問者席の周辺の議員がうなずく。西田「但し書きじゃないか、そんなもの!」)
野田 センシティブ品目に配慮をしつつということはこれ、ただの但し書きじゃなくて、全ての品目を自由化交渉対象とするという中の流れのひとつの文章ですから、途中できるのがおかしいんです、そもそも。おかしいんです。だから、私は具体的にそういうことを言ってはいないということを言ってるんです。
小野 だから私が言ってるのは、載せろってのはじゃあ前段も載っけてくださいよって事は言えるけど、昨日言ってた議論の流れは、あなたは言ってないんだからその部分を落とせって言ってる話に対して、落としてくれとは言いましたけど向こうは認めてくれないって事になってんでしょ。違うじゃないですか全然、話の構造が。(西田「そうだ」)加えて欲しいんだけど、加わってないって、どっちなんですか?(西田「そうだ、その通りだ。逆の話をしてるよ」「逆の話だ、全然」)
野田 あの、加えて欲しいってことじゃなくてですね、あの、正確に自分の言ったことを言って、あの、書いて欲しいということを言ってるってことであります。
小野 だから引用したらそれは使われたって仕方が無いじゃないですか。
野田 仮にですね、だからその、基本方針、去年まとめた時の基本方針で、高いレベル経済連携と、そういう書き方をしてるなら問題は無いんですけれども、基本方針の中の半分を取り出してるというところがあったんで、だからそこはその、中身を詳細に言ってるわけではないということを私は申し上げて、それを事務的に伝えてるということであります。
小野 まあ、納得できないけど言ってる意味はわかりますよ。つまりじゃあ、両方取り上げてれば、センシティブな話も挙げてれば、その全てのものをテーブルに乗せるっていうのも了解なんですね? そういうことですね、言ってるのは。
野田 それは昨年11月の閣議決定ですから、閣議決定に基づいて対応するのが基本だというふうに思います。
小野 それじゃあ、言ってないことを乗っけてんじゃなくて、言ってた事の半分しか書いてないってことでしょ。全然違うじゃない、それ、意味が。
野田 いや、昨日と同じですよ。だって、言ってることは同じです。あの、基本的にだから、言ってないこと、言ってないこと、が、出たから、それは違うと言ったっていうことであります。
小野 まああの、懸命なる視聴者の皆さんが判断すると思いますが、もういっぺんあの、頭の整理のために、総理、伺いますけど、昨日から聞いててですね、関係国との協議を開始というのと、交渉参加ってのと、ま、私なんかは、究極的にはこの、経済連携協定に参加、三つのコンセプトがあると思うんですが、この三つの関係をわかりやすく説明して欲しいんです。議論がどうもグルグル回ってるんで分かりにくいと思うんで、是非説明してください。
野田 まずですね、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入るというのは、ま、これもう、それ以上でもそれ以下でもないと思うんですが、まあ、要は、関係国との協議、すなわち、関係国がどんなことを我々に求めてくるのか、含めて、もちろん単に一方的情報を聞くだけではありません。そのお考えはちょっとおかしいですねとか、変ですねっていうことをやり取りはもちろんあると思いますが、真に求めるものを把握をしていくということ、で、そういう事を踏まえて十分な議論をしていくということ、で、最終的には、あくまで国益の視点に立って結論を出すというそのプロセスに入ったというのが、この交渉参加に向けての関係国との協議に入るという意味であります。
で、まあいわゆる交渉に参加すると、交渉に参加するというのは、そういう主体的なそういう色々動きがありますけども、TPP協定交渉中の9カ国との協議を経て、交渉に加わるということが交渉参加です。それは、今、我々の考えてるプロセスもありますけども、参加国が我々を認めるかどうかってのもあるわけですから、そういうのが合わさって交渉参加ということが成り立つわけであります。
そして、経済連携協定に参加するのは、もちろんこれは協定締結をするということではないでしょうか。
小野 私たちみんなの党は、あの、日本は貿易立国であり、科学技術立国ですから、基本的に市場を開放するということでございます。ただ、守るべきもの、あるいは日本の方が優れてるものをレベルを下げてしまうのにはもちろん反対ですから、2、3の点をお伺いしますけれども、特に多くの国民は、TPPの参加の代償として何か大切なものを失うんじゃないかっていう不安を持っています。例示を挙げますと、食品、牛肉、医薬品について、安全性確保の仕組みをこのTPPに入ることでレベルが下がっちゃうって事はあり得ませんね?
小宮山 ええと、食品につきましては、TPP、TPPの協定交渉では現在は個別の食品安全基準の緩和というものは議論されていませんが、もし今後協定交渉の中で提起された場合には、WTOのSPS協定で認められた食品安全に関する措置を実施する権利の行使を妨げる提案、これを受け入れることはありません。
また、牛肉に付きましては、これはあの、国内でBSE対策を開始してから10年経ちますので、これは新たな科学的知見に基づいて見直すということで、国内の検査体制などのリスク管理のあり方について再評価を行なうこと、そして外国産牛肉のリスク評価についても、順次海外のリスク管理の詳細なデータなどを入手して、再評価を行なうという事にしておりますので、これはTPPとは別の問題で考えています。
また、医薬品につきましては、TPP協定交渉で行なわれている議論の詳細は明らかではありませんけれども、国民の生命や健康、これをしっかりと守るように対応していきたいというふうに考えております。
小野 今日はあの、時間の関係もあって、このTPPの関係はあの、また次のテーマへ移りますけれども、私たちとしては、みんなの党としては、白地、白紙で賛成だと言ってんじゃなくて、その関係国との協議の状況というのも国会に報告して欲しいし、交渉参加、最後の協定締結、失礼、協定が出来上がるまでの交渉の状況についても、ご報告いただいて、そこで私たちの対応というのを決めていきたいと思っていますので、国民への広報、国会の報告を是非まめにやっていただきたいと思います。