日本ヨルダン原子力協定 異例の審議延期も虚しく 12月2日 衆議院外務委員会 小野寺五典氏(自民)2 |
動画:http://www.youtube.com/watch?v=3oVF_GllOwQ
質問 小野寺五典氏(自民党)
答弁 玄葉光一郎外務大臣
野田佳彦内閣総理大臣
小野寺 (承前)改めてお伺いしますが、専門的な調査はいつされますか?
(政府側からはなかなか手が挙がらない。)
小野寺 ちょっと速記止めてください。時間もうないので。答えられないのなら。
(玄葉外務大臣が手を挙げる。)
玄葉 いや、これは、小野寺委員ですね、あの、日本政府がですね、その専門的調査を、ホントに技術者を派遣して事細かにですね、えー、行なう、ということがですね、本当に適切なのかどうか(小野寺「ええっ?!」)つまり、いやいや、(小野寺「ちょっと待ってください」)技術者ですよ、技術者。(小野寺「だって、この前」)日本国政府がですよ、日本国政府が…
小野寺 (自席から)だって私たちは政府間で協定結ぶんですよ。
玄葉 日本国政府がですよ、ホントに技術者を派遣して、で、大事なことは、そういうチェックがきちんとできるですね、体制が整っているかどうかということを、我々政府としては、やはり判断する。それは、まさにですね、IAEAも含めた、そういうチェックを受ける、そういう体制になっているっていうことを確認できたっていうことだと思うんです。
小野寺 あの、技術者派遣しない、日本政府は関与しない、だけどこの協定国会で結べ。委員の皆さん、本当にこれでいいんですか? 何で前回止まったか。心配だから、この水の問題どうなのか、それを政府確認してくれ。だから今回まで延びて、そして私たちはちゃんと検査結果があって、技術者が行って、水が大丈夫で、福島のことがもうヨルダンで起きないと、これが分かったから、今日この委員会で私どもは賛成して採決しようと思って来たわけじゃないですか。
ところが、今話を聞くと、調査はちゃんとしていない。専門家は行っていない。あまりにこれ、怠慢じゃないですか。総理、どう考えますか?
野田 あの、先ほど外務大臣の答弁もあった通り、基本的には安全性については、その、その国が基本的には責任を持つということであります。その際に、きちっとその安全確保できるかどうかの確認にですね、今回は政府が調査団を送ったというふうに承知をしていまして、たとえば、今の水の件でありますけども、あの、ヨルダン政府からは建設が予定されている110万キロワット級の原子炉に必要となる年間水量は2500万立方メートルであって、同下水処理場からは現在約8000万立方メートルの処理水が生産をされるので、十分に対応可能であり、原発サイト内に運転用池とスイッチと非常用貯水池を設置する予定であると、ま、こういう説明を聞いて、あの、参考人がご懸念をされた問題について、ひとつひとつこういう説明を聞いてきているということでございます。
小野寺 あの、福島の経験を活かすと冒頭おっしゃいました。
どこが活きてるんですか?
今回のこのヨルダンの協定の中で福島の教訓が。
普通であれば、冷却水の問題大丈夫かって、技術者が行って、ヨルダン政府は技術がないから日本に求めてきてるわけでしょう? その技術がないヨルダン政府に、これはあんたの責任であんたの問題だ、これがこの協定の本当の筋じゃないでしょう、皆さん。この協定の筋ってのは、日本が安全だ大丈夫だというものを相手の国にちゃんと、懇切丁寧にする。日本の今までの国際的な信用って、これじゃないですか。
なぜここでひと言、ちゃんと専門家派遣して、この水の問題を、この国会の審議の前にやってくれなかったんですか?
もう一度お伺いします。福島の教訓が、このヨルダン協定には活かされますか、総理?
野田 あの、まずはですね、ご懸念があった、その冷却水であるとか、あるいはテロの問題とか、あるいはその、諸々のご指摘、それをどうやってクリアしてくかと、それは今後IAEAのだとか、国際的な基準をしっかり守っていきますよという、まず基本的なことを今回確認をして、で、特にさっき言ったように冷却水の問題はどうするかとか、具体的な話を聞いてまいりました。で、当然のことながら、福島の事故の教訓をこれからも活かしながら、どういう協力、技術協力が出来るかなどを含めてこれから議論をしていくということでございます。
小野寺 あの、まあ、この問題、これから質問されます河井委員も、しっかり質問されると思います。えー、私ども、この委員会で、あれだけ議論をして、採決の直前に実はなぜ止まったかというと、おそらく今日いらっしゃる委員の良心だと思いますよ。本当にあのヨルダンとこの協定を結んで、もしこの冷却水で何か起きた時に、私たちは日本政府として大変申し訳ない。そう思うから、実は延ばして今回この審議になったんだと思います。
私は政府の怠慢というのは、これは今回明確だと思います。あの委員会であれだけ指摘が出たんだから、本来であれば技術者を是非派遣していただいて、1週間なり、10日なり、水の確保が日本の技術者から見ても大丈夫だという、そういうことが本来は責任としてやるべきだった。それをされてないということは、これは大きく反省をいただきたいと思っております。
最後に一点だけちょっと確認をしたいことがあります。この原子力協定とは違うことで大変恐縮なんですが、えー、田中、一川防衛大臣の問題についてでございます。総理は、この田中前沖縄防衛局長の問題、不適切発言の問題で、これ更迭ということを判断されましたが、私どもやはりブータン国王の問題も含めて、一川防衛大臣のこれ任命責任、大きいんだと思っています。
総理に確認をします。総理はかねがね適材適所で大臣を選んだとおっしゃっておりますが、一川防衛大臣も適材適所で選んだと、今でもお考えでしょうか?
野田 前沖縄防衛局長の発言については、これは極めて遺憾であり、そして更迭は妥当である、当然であるというふうに思いますし、あの、沖縄の県民の皆様には改めて深くお詫びをしなければいけないというふうに思っております。
で、その上で、えー、ま、先般の宮中晩餐会を巡る発言も含めて、担当大臣本人は大変軽率であったということを深く反省をしています。ま、そういうことを含めて、きちっとこれから脇を引き締めてですね、職務に遂行して欲しいというふうに思っている次第であります。
小野寺 あの、職務に遂行していただきたいということは、やはり今でも市川大臣は、総理が選んだ適材適所の、いわゆる適材というふうにお考えかどうか、「はい」かどうかお伺いしたいと思います。
野田 ま、これまでの政治経験や知見を含めて適材として私が選ばさせていただいておりますし、あの、その気持ちは変わっておりません。
小野寺 最後にひとつだけ確認を致します。今回の一連の問題を踏まえて、一川防衛大臣を罷免される、あるいは自発的に辞任を促される、そのようなおつもりはございますでしょうか?
野田 一層緊張感を持って職務にあたってほしいというのが私の気持ちでございます。
小野寺 あの、続けていただきたいというふうに取らしていただきました。どうも今日はありがとうございました。(拍手)