2014年 04月 27日
2014年4月25日 衆議院本会議 齋藤健議員の討論(農業関連二法案) |
自由民主党の齋藤健です。自由民主党・公明党を代表いたしまして、政府提出の二法案について賛成、民主党ほか二党提出の四法案について反対の立場から討論を行います。
我が国の農業農村は、農業従事者の減少・高齢化や耕作放棄地の増大等の課題が山積しておりますが、今後の政策によっては魅力ある産業となる大きな潜在力を有しているということを私は確信しております。今回の政府提出の二法案は、まず経営の不安定さを軽減しながらも、意欲と能力のある担い手、まさに農業を経営する者が需要の動向を敏感に把握し、創意工夫して経営を発展させることを支援する、つまり農業を成長産業とする産業政策、また、国土保全や地域の伝統文化の維持といった面からも重要な農業農村の持つ多面的機能の発揮を図る地域政策、これらふたつを明確に区分したことにひとつの眼目があります。
これまでややもすると渾然一体となっていた政策を、それぞれの政策目的と政策効果がより明確になるよう再整理したものであり、経済政策論の観点からもひとつの画期を示すものと私は確信しております。
より具体的に申し上げれば、産業政策としては今回の担い手経営安定法の改正によって、効率的かつ安定的な農業経営を目指す担い手に政策が集中されることになります。担い手であれば、規模要件だけで排除されることはありません。意欲と能力のある担い手はすべからく経営所得安定対策の対象者となり、今まで以上に安心して経営の向上に取り組めることになります。
地域政策としては、農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案によって、新たに創設する農地維持支払い、資源向上支払いに、中山間地域等直接支払い等を加えた四つの支払いから成る日本型直接支払いを整理して法制化し、恒久的な制度とすることによって現場が安心して取り組んでいただけるようになります。
民主党ほか二党提出の一連の法律案の中で政府案と最も異なるのは戸別所得補償法案であります。戸別所得補償は、我が党が野党時代からばら撒き4K政策のひとつとして厳しく批判してまいりました。どう考えても、すべての販売農家に一律に配分するというのは現状を固定するものと言わざるを得ません。政府提出法案のように担い手を対象として経営安定のための各種の政策を講じていく事こそ構造改革の名に値するものと断言をしておきたい。
なお、私がどう首をひねっても理解できないのは、民主党の皆さんの法律というものに対する考え方、政権与党というものの責任感についてであります。この戸別所得法案は、民主党が政権を取る前の野党時代に国会に提出をされ、参議院を通過致しました。その後政権を取られ、与党になったので、当然正々堂々と国会に法案を出してくるだろうと、国会での論戦を楽しみにしておりましたのに、結局三年三ヶ月法案は提出されずに、毎年毎年の予算措置のみで対応され、その後また野党にお戻りになられましたら、今回与党時代よりも更にばら撒き色を強めた法案を出されました。
何ですか、これは! 与党の立場にあり、いつでも法案を出せたのに法案を出さず、なおかつ、先ほどから聞いておりますと、法案提出出来なかった理由を野党のせいに転嫁するという言動に至っては、怒りというよりもむしろ深い悲しみを覚えています。(拍手)
反論するのもむなしいんですが、ただ、ひとことだけは申し上げたい。こういう無責任な言葉、無責任な言動が、みなさんが国民から見放された原因だったんじゃないですか。皆さんが、底の浅い言葉を力めば力むほど国民が引いていくという現実を認識されたほうがいいと思います。良心に照らして素直に自らの言動をふり返っていただけないかと静かに願うのみであります。
強い農業を作っていく。息を呑むほど美しい日本の農村風景を守っていく。このためにも、政府提出二法案の早期成立をお願いし、もう次のステップに進みたい。以上をもって私の討論とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
我が国の農業農村は、農業従事者の減少・高齢化や耕作放棄地の増大等の課題が山積しておりますが、今後の政策によっては魅力ある産業となる大きな潜在力を有しているということを私は確信しております。今回の政府提出の二法案は、まず経営の不安定さを軽減しながらも、意欲と能力のある担い手、まさに農業を経営する者が需要の動向を敏感に把握し、創意工夫して経営を発展させることを支援する、つまり農業を成長産業とする産業政策、また、国土保全や地域の伝統文化の維持といった面からも重要な農業農村の持つ多面的機能の発揮を図る地域政策、これらふたつを明確に区分したことにひとつの眼目があります。
これまでややもすると渾然一体となっていた政策を、それぞれの政策目的と政策効果がより明確になるよう再整理したものであり、経済政策論の観点からもひとつの画期を示すものと私は確信しております。
より具体的に申し上げれば、産業政策としては今回の担い手経営安定法の改正によって、効率的かつ安定的な農業経営を目指す担い手に政策が集中されることになります。担い手であれば、規模要件だけで排除されることはありません。意欲と能力のある担い手はすべからく経営所得安定対策の対象者となり、今まで以上に安心して経営の向上に取り組めることになります。
地域政策としては、農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案によって、新たに創設する農地維持支払い、資源向上支払いに、中山間地域等直接支払い等を加えた四つの支払いから成る日本型直接支払いを整理して法制化し、恒久的な制度とすることによって現場が安心して取り組んでいただけるようになります。
民主党ほか二党提出の一連の法律案の中で政府案と最も異なるのは戸別所得補償法案であります。戸別所得補償は、我が党が野党時代からばら撒き4K政策のひとつとして厳しく批判してまいりました。どう考えても、すべての販売農家に一律に配分するというのは現状を固定するものと言わざるを得ません。政府提出法案のように担い手を対象として経営安定のための各種の政策を講じていく事こそ構造改革の名に値するものと断言をしておきたい。
なお、私がどう首をひねっても理解できないのは、民主党の皆さんの法律というものに対する考え方、政権与党というものの責任感についてであります。この戸別所得法案は、民主党が政権を取る前の野党時代に国会に提出をされ、参議院を通過致しました。その後政権を取られ、与党になったので、当然正々堂々と国会に法案を出してくるだろうと、国会での論戦を楽しみにしておりましたのに、結局三年三ヶ月法案は提出されずに、毎年毎年の予算措置のみで対応され、その後また野党にお戻りになられましたら、今回与党時代よりも更にばら撒き色を強めた法案を出されました。
何ですか、これは! 与党の立場にあり、いつでも法案を出せたのに法案を出さず、なおかつ、先ほどから聞いておりますと、法案提出出来なかった理由を野党のせいに転嫁するという言動に至っては、怒りというよりもむしろ深い悲しみを覚えています。(拍手)
反論するのもむなしいんですが、ただ、ひとことだけは申し上げたい。こういう無責任な言葉、無責任な言動が、みなさんが国民から見放された原因だったんじゃないですか。皆さんが、底の浅い言葉を力めば力むほど国民が引いていくという現実を認識されたほうがいいと思います。良心に照らして素直に自らの言動をふり返っていただけないかと静かに願うのみであります。
強い農業を作っていく。息を呑むほど美しい日本の農村風景を守っていく。このためにも、政府提出二法案の早期成立をお願いし、もう次のステップに進みたい。以上をもって私の討論とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
by kokkai-sokuhou
| 2014-04-27 02:26