1月31日 衆議院 予算委員会 赤嶺政賢氏(共産党) |
動画: http://www.youtube.com/watch?v=g25468t8hVs
委員長 次に、赤嶺政賢君、赤嶺君。(拍手)
赤嶺 日本共産党の赤嶺政賢です。私は今日は米軍普天間基地について総理に質問をします。
環境影響評価書の提出は誰が指示したのか
政府は、昨年12月28日未明、名護市辺野古に新たな基地を建設するための環境影響評価書を沖縄県に提出をしました。私たち沖縄県民は、新基地建設の断念と普天間基地の閉鎖・撤去を繰り返し求めてきました。
昨年11月には沖縄県議会が評価書の提出に反対する意見書を全会一致で可決しました。その後、評価書の提出を巡って前沖縄局長の暴言もありました。
にも関わらず、沖縄県民の意志をまっこうから踏みにじって、年内提出を強行したのであります。
沖縄県庁には、最後まで提出に抗議する我々国会議員、県会議員、そして市民団体や住民らが駆けつけました。それを前にして、沖縄防衛局は宅配業者に運ばせようとしましたが、それがうまくいかないと、まだ薄暗い午前4時に真鍋局長を先頭に車で県庁に乗り付けて、県庁の守衛室に評価書の入った段ボール箱を持ち込んだのであります。(「大臣が持ってくるべきだよ」)
夜陰に乗じて搬入するという極めて姑息なやり方に、これが政府のやることかと、轟々たる非難の声が上がりました。(「そうだ」)
まず総理に伺いますが、一川防衛大臣は、「年内に提出する準備は進めているが、期限は切っていない。内閣としての総合的な判断の中で進めていく」と述べていました。最終的に提出を決めたのは誰ですか。総理が決めたのですか。
委員長 田中直紀防衛大臣。(赤嶺「いなかったじゃない、田中防衛大臣、その頃。わかってないでしょう、経過」)委員長が指名致しました。
田中防衛大臣 お答えを致します。先生からこの評価書の県に対する届出につきましては詳細にお話がございました。防衛省と致しましても、その判断が良かったかどうかということは、大変反省を致しておるところでありますが、ま、期限内に評価書を沖縄知事にお届けをすると、こういうことで届けをしましたところでございます。
これから手続きを踏んでいくところでございますけれども、この手続きは内閣と相談をしながら防衛省が進めておるということでございますので、ま、今、知事からですね、ご返事を頂きまして、新たな準備をしていくと、こういう段階になっておることをご理解を頂きたいと思います。
赤嶺 総理、私は、年内提出を判断したのは誰ですか、総理ですかと、このように聞いたのであります。
(野田総理が答弁者席に行く。)
委員長 答えたよ。答えたよ。
(野田総理が自席に戻る。)
(会場「委員長!」委員長「今答えた、防衛大臣が」会場「答えてないですよ」)
委員長 もういっぺん聞くの?
赤嶺 委員長!
委員長 はい、赤嶺君。
赤嶺 あの、今、田中防衛大臣は、お聞きの通り、ああいうやり方反省しなければならないと、県民の理解を得られないああいうやり方、午前4時に防衛局長が運び入れるようなやり方が県民の理解を得られる行為か。そんな行為でないことは明らかですよ。
で、総理はですね、これまで、「沖縄県民の声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し、理解を求める」このように言ってきました。しかし、実際にやってることは、全く逆ではありませんか。沖縄県民の声など、全く聞いていないではありませんか。
この間、アメリカ政府は、昨年9月の日米首脳会談、10月のパネッタ国防長官の来日など、事あるごとに日本政府に対し新基地建設に向けた具体的な進展、これを求めてきました。
総理は、環境影響評価書を年内に提出する準備を進めているとアメリカに伝え、それを現実に実行したのであります。結局アメリカの要求に応じて、県民が何を言おうが、とにかく基地を押し付ける。これが野田内閣のやってることではありませんか。
委員長 田中直紀防衛大臣。
赤嶺 (自席から)防衛大臣、年末年始のこと知らないでしょう。(会場「そうだ」)
田中 え、お答えを申し上げます。今、あの、昨年の6月の2プラス2におきまして代替施設の維持・計上等は日米間で合意したところでございます。日米合意が大前提であることは、これは国の方針でございます。しかし、その手順におきまして、ご指摘のあるようにですね、大変、県民の皆さん方に不信を増幅させたということは、大変申し訳なく思っておりますし、私も防衛大臣に就任したところでございますけれども、仲井真知事にですね、その気持ちをお伝えを先般したところでございます。
何と言っても、沖縄県民の皆さん方のご理解がなければ、これは先に進まない訳でありますが、この代替をですね、実現する事によって、沖縄の負担軽減というものは現実に、これ、なってくるわけでありますから、その点から言いますと、やはりこの合意をですね、推進していくということが大きな課題であると思っております。
皆さん方に、大変そういう意味ではあの、ご理解を頂くと思っておりますし、総理大臣も先ほど答弁を致しておりますが、適切な時期に沖縄に訪問をですね、すると、ま、こういうことでございますので、その土俵をですね、私はしっかりとこれから作らしていただくと、そういう決意で臨んでおることをご理解いただきたいと思います。
赤嶺 あの、田中防衛大臣ね、ひとこと申し上げておきますが、聞かれたことに答えることが誠実な説明なんですよ。聞かれないことをね、べらべらべらべら、しゃべるようなやり方で、県民の理解なんか得られませんよ。(会場「そうだ!」)
大体これ、改造内閣以前の判断じゃないですか。内閣全体として判断すると、野田総理、あなたがおっしゃったじゃないですか。(「そうだ!」)あなたがおっしゃっていながら、答弁しようとしない。県民に説明しようとしない。今のね、防衛大臣の答弁でも、これまでのやり方は不適切だったけれども、これからはまた日米合意に沿って粛々とやらせていただきます、結局ですね、アメリカの言うことなら県民がどう考えようと、どんな気持ちでいようと、これを押し付けていく、こういう姿勢を示しているものと、こういう答弁だったと言わざるを得ません。
宜野湾市長選挙 防衛局長の講話
で、私ですね、今日はそういう日米合意を実行するためにあなた方がやってること、もうひとつ重大な問題が発覚しました。これを取り上げてみたいと思います。
普天間基地のある宜野湾市では、2月12日投票で市長選挙が行われています。予定されています。この選挙に関わって、私たちのところに、重大な内容の内部告発が寄せられました。評価書の提出を強行した沖縄防衛局内で、宜野湾市に在住する職員や選挙権を有する親族を持つ職員、このリストが作られていたという事実であります。
私が入手を致しましたのは、防衛局の総務課人事係が局内の各部の主務担当者あてに送ったメールのコピーです。日付は1月4日午後3時9分、主題は「1月6日締め切り調査以来について」。本文は次のように書かれています。「現在人事係においては宜野湾市に在住している職員については把握しているところでありますが、職員の親族が宜野湾市に在住しているか否かについては把握していないことから、下記の件について調査を依頼したいと思います。当局職員の宜野湾市に選挙権を有する親族(家族、いとこ、親戚)これらがいる者の状況について各部等主務担当者は別添のファイルに①宜野湾市在住の職員および②宜野湾市に選挙権を有する親族、家族、いとこ、親戚、これらの状況を調査し、例の通り記載して1月6日までに人事係に提出願います」
このように書かれています。
人事係が職務行為として宜野湾市に在住する職員、さらに宜野湾市に選挙権を有する親族を持つ職員まで調査し、報告するよう求めているのであります。国の出先機関である沖縄防衛局が、職権を使って、職務命令によって、宜野湾市選挙のための有権者リストを作ったということであり、極めて重大です。国家機関の選挙における中立公正義務、選挙における地位利用の禁止に反することは明らかです。
防衛大臣、こんなことが許されるはずはありません。一体誰の指示で、何のためにこのようなリストを作らせたのですか。
委員長 答えを求める前に、あの、赤嶺議員に、その資料は後刻理事会へご提出いただけますか。
赤嶺 委員長。
委員長 赤嶺君。
赤嶺 いつでも提出する用意はあります。
委員長 それを前提に、防衛副大臣、渡辺周君。
(田中防衛大臣が立ち上がる。)
委員長 副大臣指名しました。
赤嶺 え、副大臣? 何で?
委員長 いやいや、知ってるんだから、知ってるんだから。知ってるんなら出てきてください。知ってる方が答えてください。(会場「知ってる方って…」)この問題はね。
渡辺 あの、今委員からご指摘のあった点につきましては、今初めて聞いたというのが(激しい野次で聞き取れず)ですので、ですので、今、今ですね、あの、委員長から、その今おっしゃったメールというものをですね、是非あの我々としても、これあの、確認をさせていただいて、どのような形でそういうことになっていたのか、その内容を是非ですね、精査をさせていただきたいというふうに思います。
赤嶺 委員長。指定されてるから知ってるものと思って出てきて対応したんですよ。こんな知らない人をね、出すよりは、大臣をお願いしたいと思います。
委員長 はい、あのー、理事会をご提出いただいて、必ず返答をさせます。(委員長席の前に出てきた理事に)知らないほうがいいんだ。知ってたら大変だ。知ってたら大変。(騒然)
赤嶺 ただですね。
委員長 質疑を続けてください。
赤嶺 ただですね、このメールには続きがあります。「リストに名前の挙がった職員を一堂に集めて、局長が講話を行っていました。(会場「おー!」)いや、ほんとです。人事係が各部の主務担当者宛てに出したもう一通のメールがあります。(会場「ほおー!」)
日付は1月18日、午後4時30分、主題は、「お知らせ 宜野湾市在住職員および選挙権を有する親族がいる職員に対する局長講話」本文には次のように書かれてます。「先般宜野湾市在住職員および選挙権を有する親族がいる職員の調査を実施したところですが、その対象者に下記の日程で局長からの講話を実施しますので、指定された日に必ず聴講するよう、別添聴講者リストの職員に通知願います。1月23日16時、1月24日10時、聴講対象者、別添参照。講話者、局長」こう書かれています。
要するに、職権を使って、宜野湾市に在住する職員、選挙権を有する親族を持つ職員のリストを作らせ、該当者に防衛局長の講話を聞くよう指示・命令していたのであります。しかも、講話は勤務時間中に庁舎4階の講堂で行われております。国家権力による選挙の自由への不当な介入ではありませんか。防衛大臣、こんなことが許されますか。
田中 えー、お答え致します。先ほど副大臣からも申し上げましたが、事実関係につきまして、関係部局に至急確認を(赤嶺氏の声に重なって聞き取れず)私があの、この委員会に出席をする前にですね、あの、事務次官から、先生からこういう質問があるんではないかというご指摘はいただきましたので、局と致しましては、そういう事実がですね、ある、あってはいけないということで、今調査をしておるのだと思いますが(激しい野次)ご指摘をいただきましたので、さらなる努力をして事実関係をですね、明確に致したいと思います。委員会の方でも委員長がその内容につきまして先ほど確認をするという手続きをお取りになりましたので、ま、並行してですね、私の方で対処を致したいと思いますので、ご理解を頂きたいと思います。
委員長 防衛大臣、防衛大臣、防衛大臣、(田中「はい」)明日予算委員会がありますから(田中「はい」)始まる前の理事会へ(赤嶺氏または理事?「駄目駄目!」)その大臣の、(会場へ)静かにしてください、あなたそんなとこへ出てこない。(「いや、ここにいますよ」)駄目!(「ここにいますよ」)退席。(田中大臣に)理事会にその局長講話等も含めてきちっと出せるようにしてください。
田中 はい、委員長のご意向をしっかり受け止めたということで進めさせていただきます。
赤嶺 私、メールを打った日にち、時間、極めて特定した中身でお話をしております。講話が行われた日、講話が行われた場所、そしてリストは宜野湾市の選挙権を有する職員。職員だけに限らず、親戚ですよ。家族やいとこやね、そういうところまで調べて、リストを作れ。こんなの、総理、この、きちんとですね、事実関係を、あの、やるということでありましたが、国家権力がですね、こういう形で選挙に介入していく。こんなことはあってはいけないことだと、このような認識お持ちですか。
野田 まずは事実関係を確認させてください。
赤嶺 事実関係を確認するのは当然であります。あってはならないこと、そういう認識があるかどうかを聞いてるんです。(「そうだ!」)
野田 とにかく確認をさせてください。(「何で言えないんだよ!」)
赤嶺 あの、総理ね、どういう立場で確認するかですよ。あなた方は、年末御用納めの時には評価書を午前4時に提出し、しかもこのリスト集めが始まった日付は1月4日。仕事始めの日ですよ。仕事納めにああいうことをやり、仕事始めにこんなことをやり、まず事実を確認してからなぞとですね、こんなことはあってはならないことだと言う立場で確認すべきではありませんか。
質問を終わります。(拍手)
委員長 はい。これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。