2月2日 衆議院予算委員会 石破茂氏(自民)1 防衛大臣、伊江島で起こった米軍事故をご存知ですか |
動画:http://www.youtube.com/watch?v=9cqKRRkRYqQ
質問 石破茂氏(自由民主党)
答弁 野田佳彦内閣総理大臣
田中直紀防衛大臣
石破 委員長。
委員長 石破君。
石破 5大臣に対する質疑ということであります。主に防衛大臣、そして総理大臣に質問を致したいと存じます。色んな理由があって、内閣改造が行われました。5大臣が新任をされました。これは人事は総理の専権事項であります。で、総理がおっしゃったのは、最強の布陣であるということをおっしゃいました。
全ての大臣がその分野で、民主党におおぜい人材がおられる、国民新党にもおられるのでしょう、最もその分野に通暁し、最もふさわしい人ということで任命をされたというふうに承知を致しております。
私も長く議員をやってきて、安全保障の仕事もずいぶんとやってまいりました。外交とか安全保障にあまり与党と野党で差があっていいとは思いません。どちらがなっても、外交や安全保障の基本的方針がものすごくぶれるということがあってはならないことであります。そういう観点から、ここ10数年でしょうか、党は違っても安全保障で色んな議論をやってきました。新世紀の安全保障を考える議員の会などというものも作り、民主党の色んな方とも議論をしてきました。
あるいは私も防衛庁副長官、防衛庁長官、防衛大臣とやってきて御党の色んな方と有益な議論をさせていただきましたし、有事法制なぞというのは共同で最後は民主党の皆様方にも賛成して出来た、その時にもずいぶんと色んな議論をしたことをよく覚えております。
民主党の中に安全保障について知識を持ち、見識を持った方々、おられることよく承知を致しております。これはあの、私がたまたまそういう機会に恵まれなかったからなのかもしれませんが、田中新大臣とそういう議論をした覚えがございません。少なくとも私は田中大臣とそういう議論をした覚えがない。
で、私、森内閣で農林水産総括政務次官というのを致しておりました。今で言う副大臣であります。内閣改造があって、田中直紀議員が参議院枠として農林水産総括政務次官にお入りになりました。農林水産等々についてご造詣があるということはよく承知を致しておりますが、人間何でもできるわけではございませんので、安全保障についてご造詣が深いということは、私あまり寡聞にして存じないので有ります。
私、民主党の中に色んな方がおられるということはよく承知をしておりますが、総理が今回田中大臣を任命なさったのは、よく意地悪に言われますように、参議院枠であるとか、何年国会議員をやったとか、そういうことではなくて、そのほかの方よりも最もふさわしいということでお選びになったという認識で間違いございませんか。
野田内閣総理大臣 あの、委員のご指摘の通り、外交安全保障においては、基本的には二大政党の時代と言いながらも、問題意識を共有して軸がぶれないようにしていくということが大事であるということ、これ、全くご意見同感でございます。
で、そういう考え方も背景に置きながら、現実的にしっかりと防衛政策安全保障政策を遂行できる人が望ましいというのが第一の観点であります。で、その上で、もう防衛大臣も務められ、ある意味この日本においてはこの安全保障政策における第一人者の石破委員に比べれば、それはあの、専門性は足りないかもしれませんけれども、大局観に立ってきちっとこの国を守るために、安全保障をしっかりと推進するために、軸のぶれない判断の出来る人という、そういう考え方も持ちました。
で、田中大臣におかれましては、あの、私が財務大臣の時に、財務金融委員会でご質問いただいたりしたんですけれども、その時、大変グローバルな問題、国際情勢を踏まえたご質問もいただきました。あるいは参議院の本会議においてもそうした視点からご質問いただいたこともございます。
で、過去をたどって見ると、かつて外務の政務次官であるとか、参議院の外交防衛委員長も務められていらっしゃるという、そういうキャリアと、その分野だけではなく、今農政のお話もありましたけども、総合的ないわゆる経験、知見というものを評価をして判断をさせていただいたと。そしてその際には政務三役がチームとして機能しなければなりませんが、あの、渡辺副大臣、それから下条、神風政務官、それぞれ中堅若手の議員でありますが、しっかり安全保障については考え方を持った人たちが周りにいると。そのチームをまとめながら、あるいは防衛省しっかり、あるいは現場をしっかりまとめていくマネジメントの力、そういうものを期待をしながら、期待を込めて選んだということでございます。
石破 あの、任命権者としての総理にお尋ねをしますが、防衛省が他の役所と違うところはどこですか。
野田 あの、特に、何が起こるか分からないという、不測の事態というのが常にある。緊張感を持って、特に危機管理の意識というものを持つことと言うことは、まあ他の役所にも不測の事態は起こりますが、とりわけ国民の生命と財産を守らなきゃいけない防衛省の立場としては、その危機感というものを常に持っていることは大事だというふうに思います。
石破 そう、ひとつはそうです。何があるか分からないという危機管理官庁であるということですね。常に、あれが起こったらどうする、これが起こったらどうするということのシミュレーションを頭の中でしておかねばならない。危機管理官庁ってのは、言葉の遊びで言ってるわけじゃなくて、さっきからその辺でマニアだどうだこうだって言ってる人がいますが、そんなことを言っておる限り日本の防衛政策は駄目ですよ。いかなる場合に同対応するかということを常に考えておかなければならない。そして、瞬時の判断の遅れが多くの人たちの人命を失わせる、ひいては国家の存立をも左右するということである。危機管理官庁であるということはひとつです。
もうひとつは、これは総理よくご存知だと思いますが、実力組織を持っているということですね。企画官庁であり、調整官庁でもあるけれども、調整っていう面はほとんどない。要するに、自衛隊という、そういう実力組織を持っているのであって、これをどう使うかということを承知をしていなければなりません。
それを使うに当たっては、精神論で動かせるわけではありません。実力組織たる自衛隊の使い方ってのは、防衛二法と言われる防衛省設置法、そして自衛隊法、あるいは、有事法制、周辺事態法、あるいは警察官職務執行法、そういう法律を常に頭において、どの条文を使ってどう動かすかということは、内閣総理大臣と幕僚たる防衛大臣は、常に知っていなければならないことです。
法律を知らないで動かすことは絶対にできません。何かあった時に、さあ、この条文は、何条を適用しようかなどと言って考えてるようでは駄目で、こういう場合にはじゃあ治安出動なのか、海上警備行動なのか、どれをどのように使うかということが頭に入っていなければいけないということです。そして、陸海空の自衛隊に何ができて何ができないかということを知らねばならないということだと私は思っております。
それでは防衛大臣にお尋ねをしたいと思いますが、参議院の本会議における質問で、岳父であらせられる田中角栄先生と何が違うかというふうに聞かれて、論戦力が違うというふうにおっしゃいました。それはどういう意味ですか。
田中防衛大臣 田中の父は、常日頃から勉強家でございました。まあ私はあの、結婚してから身近な存在になったわけでありますが、サラリーマンをしておりました。政治の世界というのは大変な積み重ね、経験が無ければいけないな、そういう印象でございましたけれども、まあ私は、この経歴から言って、サラリーマンから政治になりましたけれども、ま、家族のこともですね、しっかりとやっていきたいと、まあこういうこともございましたので、そういう意味では、マイホームでは政治家ができるのかと、まあ、こんなこともですね、じかに田中の父から話がございましたので、そういう面では足元にも及びませんが、私も政治家になりました。努力をして今日があるわけでありますが、振り返ってみますと、やはり説明なり、あるいは経験なりということから言って、やはりあの、違いがあるなということで、思い出したところでございます。
石破 私もご縁があって昭和55年以来田中角栄先生に色んなことを教えていただきました。私が政治に入る機会を作ってくださったのも田中角栄先生であります。
よく先生がおっしゃっておられたのは、国会議員は何が一番面白いかということをおっしゃっておられました。それは、法律を作ることが一番面白いのだということを私は角永先生から何度か教えていただきました。この世の中で起こる全てのこと、森羅万象という言葉をお使いになりました。川には河川法あり、海岸には海岸法あり、森には森林法あり、道路には道路法あり、田畑には農地法あり、この世の中における森羅万象全てのことを法律が律しておると。国会議員にとって一番の仕事は、法律を作ることだと。そういうふうに私は教えをいただきました。
田中角栄先生は年若くして大蔵大臣に就任をされました。多くの大蔵官僚たちは、どんな人だろうかということで待ち受けておりました。多くの大蔵官僚たちが角栄先生に信服するに至ったのは、所得税法であり、法人税法であり、関税法であり、大蔵省が所管しておるほとんどの法律をきちんと理解をしておられたこと。そして、官僚の顔と名前をきちんと覚え、そしてまた、褒める時はみんなの前、叱る時は一対一、そういうことをきちんと徹底をされて、政治主導で動かすというのは私は思います。
大臣になる時にこれから勉強しますなんてのはもってのほかで、大臣になった時には、何の問題があるのか、どの法律をどのように改正しなければいけないのか、そして成果を挙げる。私は自分はとてもその域に達しませんが、大臣というのはそういうものだというふうに認識を致しておるところでございます。
この話はまた承りますが、大臣ちょっと承りますけれども、伊江島って、硫黄島ではありませんよ、伊江島。いついらっしゃいました?
田中 私、美ら海の水族館が出来まして、その確か1年後だと思いますが、水族館を見まして、そしてまたあの、確かどなたかがご案内を頂いたと思うんですが、我々夫婦二人で伊江島にですね、まいった経験があるわけでございます。
石破 それはいつですか。何の目的でいらっしゃいました?
田中 いや、目的はですね、あの、水族館に行きまして、1日あの、見学をしてきたわけでありますが、あの、身近にある伊江島にですね、あの、時間があって行ってみないかと、こういうご案内をいただいたんだと思います。それであの、そこにちょっと行ったということでございまして、それ以上のことはございません。
石破 結構です。それでは、伊江島が持つ防衛上の意味、そしてまた、伊江島で米軍がやってることについてお答え下さい。
田中 えー、伊江島は、あの、ま、当時の説明でですね、若干あの、言葉は足りないかもしれませんが、あの、沖縄戦の時にそこに米軍がですね、あの、この、来まして、そしてま、伊江島の皆さん方が大変あの、苦難の道があったということは聞きました。その中で、ま、記憶しておりますのは、滑走路がございましたけれども、今はあの、直接使っておるわけではないようでありますけれども、その活用の状況については私は今のところ存じ上げてるわけではございません。
石破 沖縄の方々の理解を求めるために、これ、私もよく心しなければいけないことだと思っていますが、どこでどのようなことがあったのか、そして、どこで何が行われているのかということはよく認識をしておかなければなりません。
戦後最大の事故が伊江島で起こったこと、ご存知ですか。
田中 いやあの、…(続く)