2月2日 衆院予算委 石破茂氏 2 「沖縄にはもう何度もお詫びしました」「芦田修正は理解してません」 |
動画:http://www.youtube.com/watch?v=EbxpJWyVAec
質問 石破茂氏(自由民主党)
答弁 田中直紀防衛大臣
野田佳彦内閣総理大臣
田中 いやあの、その後の利用のですね、あの状況は若干あの分かっておりますが、その戦後のことについては存じ上げておりません。存じてません。
石破 これはね、戦争が終わって3年ごろのことですよ。1948年8月6日、不発弾の処理をしておったのが伊江島ですよ。それを輸送する船が大爆発して、100数十人の人が死んだという、戦後沖縄で米軍関係の最大の事故が起こったのが伊江島です。
伊江島の人たちがどんな思いを持っているか、夏休みに入ったばっかりで、子供たちも大勢死んだ。そういう事故が伊江島でありました。
沖縄の人たちの気持ちを理解するというのは、理解という言い方も私は不遜なのかもしれないと思っています。日本の中でたったひとつ地上戦が行われて大勢の人が死んでいった。それだけではなくて、戦後も、不発弾を積んだ船が爆発をして、日本人がたくさん死んだ。そして今補助飛行場があって、何が行われていますか。
田中 ひとつは伊江島の補助飛行場につきましては、1953年建設の収用をするにあたり、米軍がブルドーザーの使用での農民の土地の家屋を接収したということがございます。で、現在は米軍のパラシュート訓練を行っております。1996年、平成8年のSACOの合意によりまして、米軍のパラシュート降下訓練が伊江島の補助飛行場に移転されたということでございますし、2000年から同訓練が実施されておるという記録がございます。
石破 現在訓練が行われてるわけですよ。で、パラシュートで投下したものが訓練場ではなくて農地に落ちて多くの被害が生じて、ということが起こったのが伊江島ですよ。そういうような状況があるということをよくご認識をいただきたいと思います。言葉だけで沖縄の理解を求める、そう言っても何にもならないということは私もよく自戒をしなければいけないことだというふうに思っております。
総理、沖縄においでになるのは、どういう状況が整った時ですか。私は、菅総理の時からずうっとお願いをしてきたはずだ。何でこんな状況が引き起こされた。それは、学ばぬままに国外、最低でも県外、そう言ったことが全ての始まりですよ。
そして、鳩山さんは何と言ったか。あなた方13年杭1本打てなかったじゃないかというふうに、色んな人が営々として積み重ねてきた苦労を愚弄された。13年間杭1本打ってこなかった。打っていいわけないですよね。環境を調べてる時に、環境影響評価をやってる最中に、建設用の杭なんか打っていいわけないでしょうが。
13年間どれだけの人たちが、たとえば、梶山先生は、沖縄が俺の死に場所だとまでおっしゃった。小渕さんは沖縄に命をかけた。橋本さんだって、それは、佐藤総理があれだけ苦労された沖縄返還。だけどその沖縄が本土並みになるようにということで、そして、普天間基地の返還という話をクリントン大統領との間でまとめた。
大勢の人たちの血と汗と涙で本当に実現一歩手前まで来ていた。そのことの認識は間違い有りませんか。
野田 あの、歴代の先人たち、先輩政治家たちがご苦労されてきた経緯は、あの、委員ご指摘の通りだというふうに思います。あの、必死の思いで、本当にご努力をされてきたというふうに思います。で、その上で、政権交代以降の中で、県外移転を模索をし、その検証の結果、昨年の日米合意に改めて至るということになりました。
で、現段階では、基として、失礼致しました、で、その日米合意に基づいて今は対応する、当然のことながら沖縄の軽減負担、負担軽減を図りながら、沖縄の皆様にご理解いただきながらという努力をしてる最中でございますけれども、もちろん先人たちのそのご苦労あった中で、この間に検証の課程において沖縄の皆様に大変ご迷惑をおかけしたことは、この国会の場でも何回か謝罪をさせていただきました。
そういう思いを踏まえながら、これからも対応していきたいというふうに考えております。
石破 大勢の人が努力をしてきた。それを13年間杭1本打てなかったじゃないかというふうに、はっきり言えば嘲笑されたわけですよ。愚弄されたわけですよ。そして、学ばぬままに、腹案があるとかおっしゃってですね、国外、県外とおっしゃった。
それは、野田さんが言ったわけじゃありませんよ。鳩山さんが言ったことです。でも、民主党政権が主張したことには違いがない。今民主党の代表はあなたなのです。そして、この国の安全保障の最大責任者はあなたなのです。だとすれば、本当にすまなかったということは、誰が言っても駄目なのであって、内閣総理大臣が沖縄に出向いて、今総理がおっしゃったように、本当にすまなかったということをおっしゃらなければ、何にも進まないのではありませんか。
菅さんに何度も言っても、それを受け入れることはなかった。私はね、野田さんならやってくれると、思っているんですよ、今でも。
おいでにならない理由は何ですか。どうなればおいでになりますか。条件が整ったらというのはどういう場合ですか。
野田 あの、政権交代以降の中での反省を、さっき申し上げましたけれども、それは、先輩の総理だけの問題だけじゃなくて、我々の政権が引き継いでるってことは、これ間違いございません。それはご指摘の通りであって、そのことを踏まえて、きちっと対応しなければいけないと思いますが、あの、もちろん現場に行って沖縄の皆様に謝罪をしながら物事を進めるということはひとつだと思います。
で、それと併せて具体的な進展が図れるようになるための色々な環境整備も必要だと思ってます。あの、今年は島サミットがあったりとか、色々あの、周年事業があったりとか、必ず行かなければいけない場面がありますが、是非その前に行けるような努力をしていきたいというふうに考えております。
石破 私はね、環境整備の第一が総理が出向くことだと思ってるんですよ。まずそれをやらなければ、何も始まりません。人々の気持ちを踏みにじって、努力を嘲笑して、それはみんな民主党政権がやったことですよ、間違いなく。そのお詫びから始まらないで、一体何が環境整備だ。私はそう思いますね。
総理がおっしゃることに、どこか引っかかりがありますのはね、誤りを誤りとしてきちんと認める、人間無謬ではありませんから、誤りがなかったってことはないんです。たとえば、消費税のお話でもそうでしょうよ。ヴェニスの商人や、あるいは一休さんの頓知問答ではあるまいしですね、任期中に上げるとは言わなかったと、しかし上げる法案を出さないとは言わなかったぞと。それを人々はどう受け取りますか。無駄を省けばお金は出てくると、いくらでもお金は出てくる、消費税は上げなくても大丈夫だと、民主党政権は、消費税を上げないのみならず、上げる法案を出すとも思わなかったはずです。少なくとも人々はそう受け取っていない。そのように思わせたことはすまなかったと、なぜ言えませんか。
それはね、やはりもう政治の一番の根本だと思いますよ。それを、上げる法案を出すとは言わなかったが、上げるとは言わなかった、しかし上げる法案を出すとは言わなかったんです。それをもって詭弁と言うのですよ。
そして、沖縄に条件が整ったら行く、そうじゃないでしょう。まず行くところから始めなければ何にも始まらないでしょう。どうですか。
野田 あの、ま、消費税の問題も、これは、あの、基本的に詭弁というご指摘でございますけれども、その総選挙の時にはマニフェストでは触れていなかった、そして、消費税については議論することは封印をされていない中で、待ったなしの状況の中で法案を出して、そしてそれをご審議いただきたいというのが今の思いであります。
で、その思いについての経緯についての説明は、してきたつもりでございます。で、これは、任期中に上げない分、当然のことながら、実際に法案を審議していただき、成立した暁には、当然のことながら実施時期の前には国民の信を問うということを、これはあの、いわゆる時系列できちっと論理的に説明をしてきているというふうに思います。
で、その上での今の、あの、沖縄の問題でございますけれども、これは、あの、お詫びについては、それは記者会見であるとか、国会の場においても何回もしてまいりました。もちろんその現場に行って、そしてお話をするということが一番だというご指摘は分かりますけれども、あの、決して、あの、お詫びをしないで物事を進めようとしてきているわけではないということは是非ご理解いただきたいというふうに思います。
石破 申し上げておきます。行かなければ何も始まらないということは、これは強く申し上げて起きます。一日も早く行ってください。
防衛大臣、憲法についてまず伺いましょう。自衛隊は憲法に全く書いてありませんね。どこを見ても、自衛隊のジの字もありませんね。しかし、ずうっと私どもも含めて、自衛隊は合憲であるというのが政府の立場であります。なぜ合憲というふうに言えますか。
田中 えー、我が国は、戦争の放棄を憲法で謳っております。第9条で、えーと、その、補足があるわけでございまして、この武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄するわけでありますが、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない、国の交戦権はこれを認めないという中にありまして、不保持の文書になっている訳でありますが、自衛権の中でも個別自衛権の、国家でありますから保持をしておるわけでありまして、えー、当時警察予備隊から始まりまして、我が国の、を守るために今日の自衛隊があるわけでありますし、憲法の範囲内で専守防衛の自衛隊が27万人の自衛隊を保持する状況になってきておるところでございます。
日々我が国を守るために、頑張ってくれてるというように認識を致しております。
石破 だから、今お読みになった第9条のどこから合憲と読むのですかと聞いているんですよ。
田中 ま、憲法9条は我が国が主権国として持つ固有の自衛権を否定するものではありません。自衛権発動の三要件に該当する場合には、自衛のための必要最小限の実力を行使することが認められておるところでございまして、えー、そのために自衛隊があるわけでございます。
石破 問われたことに答えてください。秘書官、メモ出さないように。私、秘書官と議論してるわけじゃないからね。いいですか。第9条のどこから読むのですかと聞いているのです。
田中 えー、第9条の2項でございます。
石破 陸海空軍その他の戦力はこれを保持しないと書いてありますね、第2項は。じゃあ、自衛隊は何ですか。
田中 えー、必要最小、我が国が保有する、最小必要、あの、必要限の、必要最小限の国を守るですね、専守防衛の部隊でございます。
石破 「前項の目的を達するため」という芦田修正で合憲としているのですよ。何のために芦田修正ってのがあったんですか。「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇、武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」。「前項の目的を達するため」という条文をわざわざ入れ、そしてまた文民条項を入れたというのが、そこを合憲とする根拠だったのではありませんか。
田中 えー、その点につきましては、私自身は理解を致しておりませんし、えー、先生のご知見を拝聴しながら、あの、よく理解をしたいと思います。
石破 それでは、承ります。自衛隊というものは憲法に規定がございません。これ、よくある論争…(続く)