2014年 11月 22日
2014年11月20日 BSフジ プライムニュース 「解散前夜…年末総選挙 野党キーマンが生集結」 2 |
秋元 さあここからは昨日解党を決めましたみんなの党の動きと、それから今後の野党共闘の可能性についてお伺いしてまいります。
まず野党各党の関係をちょっと見て行きたいと思うんですけれども、まず今日ですね、生活の党の鈴木幹事長ら数人が民主党に合流する方向で調整と。で、一方、昨日みんなの党は28日に解党するということを決めました。で、今日民主党に入党申請をした議員ふたりも含め、浅尾代表など、民主党との合流を目指すと見られるグループ、それから渡辺前代表など、新党を結成するか、自民党との関係を重視するグループ、それから松沢議員など、次世代の党に合流するか、新党結成するとみられるグループなどの動きが見られているわけなんですけれども、浅尾さん、みんなの党の形はこういう形で、まあ、いいでしょうか。よろしいでしょうか。
浅尾 そういう形というか、まずですね、大変みんなの党に期待をいただいた皆様方に解党となったことについて、まあ、お詫びを申し上げないといけないというふうに思っております。大変残念なことだと私自身も思っています。
今回のことに至る経緯は、政策の違いというよりかは、まあ、与党の再編という、与党にこちらから寄って行こうという路線と、私なんかは民主党と合流と言われましたが、そういうことではなくて改革勢力の結集ということでありまして、改革勢力を結集して、与党に対抗できる勢力を作っていくということを考えている、そのふたつの考え方の間で、政策の中身というよりかは、やり方、手法の違いによって党が解党になったということでありまして、みんなの党の政策に期待していただいた方々には、その政策の実現するための枠組みを私自身はひとりとなっても作っていこうというふうに思っています。
反町 数ヶ月前ですよね、渡辺喜美さんと浅尾代表の間での、まあ、何て言うんだろう、手打ちみたいなものが行われてね、見た目ですよ、与党との連携も図るけれども野党再編も目指すと、両睨みの方向で行きましょうというので、一回、こう、ふたりの間での融和が図られたような印象があったんですけれども、これはやっぱり選挙が近くなった時に、さあどっち側によっていくのかというところで、もう耐え切れなくなった、こういう理解でよろしいですか?
浅尾 まあ、色んな複雑な要素がありますけれども、選挙というのは衆議院の議員の話でありまして、衆議院の人にとってみると、早く路線がはっきりして、自分の選挙区の調整なり何なりが決めてほしいという、しごく当たり前な話ですよね。
一方で、統一地方選挙が来年4月だし、参議院の選挙はしばらくないということから、選挙をいつ経るかという、選挙のタイミングが党所属の議員の間でも異なるということもひとつの解党に至った原因だろうというふうに思います。
伊藤 動きを見ているとね、むしろ参議院議員のほうが動き回ったという感じがするんですけど、その理由はどこにあるんですか?
浅尾 うーん、まあ、それはちょっとよくわかりませんけれども、衆議院の人は選挙ということですし、選挙においてしっかりと自分の政策、党の政策を訴えていくということだと思いますが、参議院の方々はしばらく選挙はないから、もう少し大所高所から見て頂いている方もいらっしゃったと思いますけれども、そうでない方もいたということじゃないですかね。
反町 今日は、お二人、山口さんと中島さんでしたっけ、みんなを離党して民主党への入党を申請という段取りになったんですけれども、ほかの衆議院議員、全部で今8名でしたっけ。ほかの6名の方々、具体的に今度の総選挙はどういう立場で臨まれることになりそうなんですか?
浅尾 それは、それぞれが、自分のみんなの党の政策を実現するために最善の道を選ぶということになるというふうに思っています。
反町 浅尾さんご自身は何時頃までに決めるおつもりですか?
浅尾 まず私はみんなの党と言っても、今申し上げましたように衆議院議員だけではなくて、参議院、それから党の職員、町議員もおりますので、そうした人たちが、しっかりと、党が解党しても、何て言うんですか、道筋をつけて、次に進んでいける。道筋をつけて次に進んでいくというのは先ほど申し上げましたようにみんなの党の理念をしっかりといろんなところで発展的に解消したというふうに言い続けておりますので、色々なところでその理念を埋め込んで行けるような態勢を整えるのが、まず私の責務だというふうに思っております。
反町 と言っても、選挙も近いので、無所属で出るわけにも行きませんでしょ?
浅尾 まあ、無所属で出る選択肢も相当程度考えております。
反町 民主の今日の山内さんみたいに民主党への入党というのはあんまり、まあ、安住さんの前では露骨な話もしにくいんですけれども、どうなんですか、迎え入れる用意はできているんですか?
安住 それは、僕ちょっと神奈川の県連のことに立ち入っているわけではなくてわからないので、浅尾さん、大変苦労なさって、本当に昨日あたりはそのピークだったのはもう本当に我々同僚として見ていてもわかりますからね。本当にそういう意味では、だけど浅尾さんの目指していることというのは元々同じ党でずっとやってきたわけだから。
反町 皆さん、三人とも元民主党ですね。
安住 そうそうそう。
反町 元というか、安住さんは今も民主党ですけど。
安住 やっぱりそういう意味での改革勢力というのはやっぱりどこかにひとつ集まったほうがいいですよ。
反町 さっきの大きな家の話ですね。
安住 浅尾さんなんかもそういう意味じゃ一党を率いたぐらいの人材なので、政権交代をする時にはもう絶対必要だと私は思っています。
反町 なるほど。特にコメントはないですか?(笑)
浅尾 ですから、端的に言えば、私はまずはみんなの党で改革勢力の結集を目指していたというのも事実でありますし、残された時間は少ないですけれども、ひとりからでも改革勢力の結集を、まずは旗を立ててやっていこうというふうに思っております。選択肢は、残された期間で呼応してくれる、要するに「この指とまれ」方式に呼応してくれる人がでてくれば、それでもって新党を作っていくということでありますし、また、今回の件も含めて有権者の判断を仰ぐということで、まずは裸一貫無所属で戦うという選択肢もあるだろうというふうに思います。
もちろん、選択肢ということでは他党に入るという選択肢もありますが、一番何をもって自分の生き残りではなくて、わかりやすいかということで考えていきたいというふうに思っています。
伊藤 現実にみんなの党が解党したことによって、民主党と維新の党にも影響が出ているんですよね。具体的に言えば、山梨一区ですよね。民主党と維新が激突する構図に今度なってしまうということですよね。それをその前であれば違う構図だったわけですから。そういう影響も出ているんですけど、たとえば今民主党と維新の党がそういう形で候補者調整なり、選挙協力なり、水面下で急速に進めている中で、小沢さんの選挙区で民主党と維新の党が小沢さんが激突する構図というのは、全体のそういう調整等にマイナスの影響を与えないですか?
安住 ご本人はなかなかしゃべりにくい話ですよね。
小沢 言えない、言えない。
反町 じゃあ、安住さんはどうですか。
安住 いや、僕はちょっと山梨の事情がわからないっていうか、国対をやっていたので選挙の責任者じゃないから、今ね、全国で伊藤さんの言うような、いわゆる調整ができないで問題となっている、維新と民主が出る選挙区というのは、20いくつあるんですよ。24、5あるのかな。ここは最後までやっぱりギリギリまで努力はしましょうということですね。
で、特にこれ、山梨の場合は現職で3人おられたんですよ。で、まあ、おひとりは知事選に回るということなんだけれども、そういう点では難易度の高い選挙区だということだと思います。
しかし、できるだけだから、東北もそうなんだけど、最初は難しかったんだけど、色んな意味で、それは相手は自民党と公明党ですからね、それはできるだけまとめられるところはまとまったほうがいいんじゃないかというのが僕の考えです。
伊藤 何かそういうところで、もう、まあ、民主党にいた人間からすると、やっぱり柔軟性と知恵を出すというところがやっぱり、もう少し今の民主党にはまだちょっと欠けているのかなあという気もするんですよね。したたかさと言ってもいいんですけどね、ある意味で。
安住 それは安倍総理のほうがしたたかで、そういうことをやらせないように解散したんでしょう。
反町 仰るとおり。
安住 それが国民の皆さんから見た時に姑息かどうかというのはまたあとの議論なんだけど、そういうことですよね。だから、我々もそういう意味では2年経っていて、50、50の議席だったでしょ。で、みんなの党の皆さんおられて。そういう中でこれを想定して、やっぱりいち早くいろんなことはやるべきだったんだけど、やっぱりそういう意味では、急な選挙になったことで、やっぱり時間がなかなか足りないので、伊藤さんがおっしゃるように、完全な形までは率直に言うと行ききれなかったということですね。
伊藤 民主党の枝野幹事長、かなり早い段階から選挙準備しろって言ってましたよね。
安住 だけどそれは3ヶ月前ですから。その時点というのは9月、幹事長就任なさるところでは言っていたわけですね。
伊藤 そのあとは、その想定が消えてしまったということですか?
安住 それは臨時国会が始まって、国会での戦いが始まっちゃったので、併せて色んな意味でそこをだから早く我々が態勢を作ったら…
反町 解散しなかったんじゃない?
安住 そうですよ。
反町 野党が準備してたら解散しなかったかもしれないと思います。
伊藤 いやだから、前回のような選挙で、野党が乱立して結局与党を利したという話は、その轍をを踏んじゃいけませんねということをわかっているわけですよね。
反町 そのちょっと数字だけ。これ、ふたつの選挙区だけ資料で参考資料として出してみたんですけれども、東京14区と埼玉7区というのが一応ここに挙げてみました。これはあくまでも例です。東京14区の松島みどりさん、前回9万票で当選したんだけれども、維新・未来・民主、この三つの党の落選候補を足し上げると9万9千923票。埼玉7区、これは自民党の候補が7万8千で勝ったんですけれども、維新、未来、民主、ここも三人を足し上げると12万7千票ですよ。
こういう形において、野党乱立によって自民党が勝ったという選挙区、これは今、維新と民主の間で、まあそのほか生活も含めて非常にそこを順調に調整が行われているのではないかという選挙区をたまたま○○で例に挙げてみたんですけれども、こういう選挙区というのを、野党がここに来るまで比較的シリアスに受け止めてこなかったのか。調整の遅れというのはどういうふうに見たらいいのか。そこなんですよ。
安住 これはなぜそういうふうになっているかというと、実はこの時の選挙って、私ども民主党が与党なんです。
反町 あ、なるほど。
安住 だから、野党がまとまってないというのは実は違うんですよ。我々が与党で、野党は自民党が第一党なんです。そのあと、維新の皆さんや未来の皆さんと続いているわけだから、この時の調整ができなかったことや、そのあとのことで言えば、それは与野党で分かれていたんだから、そう話は簡単でないということだけはわかってほしいんですよ。
反町 今回は、じゃあ、状況が全然違うということですね。
安住 だから今回はみんな野党になって、そして一党多弱が問題なんでしょう。一党多弱の多弱のほうにいる人間が自己正当化だけしたって、それは自民党を利するだけだということは国民の皆さんはわかっておられて、それをどれだけあなた方はまとめられるんですかというのを問われている選挙だと僕は思うから、宮城や色んなところではできるだけやってきたんです。
小沢 だから、今まさにそれをやっているわけですけれども、そのふたつの選挙区だけじゃなくて、ある調査によれば、これは1+1が2になるとは限らないんですけれども、前回の選挙でも要は野党が、今の野党が協力できれば、要は小選挙区でも自民公明は132、野党は168で逆転ですよ。比例を加えれば、いわゆる自民…
反町 それの前提として、どのくらいきれいにまとまれるかというのが色々あるんで。
小沢 もちろん、もちろん。1+1は2じゃないけど、自公は211、野党は261で逆転です。ですから、それがそういう可能性はあるわけです。その可能性をどこまで追求できますかという話を今やっているということだと思いますよ。
反町 今、仕上がり具合どのへんまで行ってるんですか? 300小選挙区のうち、こういう、今言われた惜しいところも含めて、いわゆる、何ていったらいいんだろう、維新、民主…
小沢 20くらいでしょう。残り20くらいでしょう。
反町 できているのはどのくらいあるんですか?
小沢 いやだから、残りのところはほとんどできてるんですよ。
反町 ええっ! 280っていう意味ですか?
小沢 いやだから、バッティングを本当にしているというのは本当に20ぐらいです。
浅尾 自公と共産しか出ていないところも結構あるんですよ。だから、要するに誰もいないっていうところがあって、一方で都市部はバッティングしているということなんで、本当は誰もいないというところも出れるような大きな枠組みを作って、それで…
反町 統一名簿という意味ですか?
浅尾 統一名簿でも何でもいいんですけど、要するに出たいと言っても勝てそうもなかったら出ないですよ。だから、大きな枠組みを作っておかないと本当はいけないということだと思いますね。
安住 今浅尾さんがおっしゃっている話は、大きな野党という意味ですよ、多分。ひとつ、一本にしてやろうと。しかし、たとえば宮城で言ってもね、出ないところとか厳しいところというのは村や町が多くて人口過疎地で古くから自民党の強いところですよ、東北なんかでは。そういうところで、じゃあ野党で頑張れる人っていますかって言ったら、それは率直に言うと、多分自治労の皆さんの力を借りなかったらポスターも貼れないのが現実なんだから、私は穏健中道勢力が固まるという時には、さっき言ったように、だから富士山の裾野のように広くして、しかし上に立つ人たちは、本当に遠目で見てもきれいな山だなと国民の皆さんに思ってもらえるような枠を作らなければ、自公に対抗するのはとても大変だと思いますよ。稚内から本当に石垣島までがっぷり四つで相撲を取るというのは、そりゃあね、そういうことじゃないかということなんですけど。
そこはだから、アプローチの仕方や考えが完全にこう一致できるところまで行ききれないで、残念ながら今回選挙を迎えたので、できるだけやりましょということです。
反町 そうすると、今回のその300小選挙区は、パッと公示日を迎えた時には、200ぐらいの小選挙区では野党統一候補、非自民の、共産党抜きですよ、共産党抜きの野党統一候補が立てる。こんなイメージですか?
安住 私のイメージだとそのぐらいにはなれるんじゃないかと思うのと、実はこの小選挙区のすごいところは、小選挙区で半分の、約半分の150選挙区で勝てば、政権交代が起きるんですよ。比例の票がそのまま自動的に来ますから。だから、ある意味、300近い選挙区、295の選挙区で、全部戦えればいいんだけれども、実は全部戦いきれなくても政権交代の可能性は存分にある選挙制度なんで、私は頑張ってそこはやっていこうというふうに思っているんですね。
反町 それは、もうなんて言うの、今回の選挙は、失礼ながら自民党がどのくらい減るか、民主党がたとえば今の55でしたっけ、から要するに80なのか90なのか100なのかぐらいの議論が巷に流れている中で、政権交代までも視野に入れた小選挙区でも200を目指すような野党統一候補と言われると、じゃあ、できた政党で政権を担うおつもりですか? そのバラバラ感で、対自民ということだけで候補者をまとめて並べただけの野党の連合体で、政権まで担う。これは今度逆に僕らが不安になってくる部分というのは、どういうふうに受け止めていらっしゃいますか?
安住 これね、だけど、私はそれは全然可能だと思っているのは、ここにおられる大半の人はみんな民主党の人ですよ。
反町 (笑)まあねえ。
安住 維新に行かれた方も、みんなに行かれた方も、元民主の方が圧倒的に多いんですよ。だけど、じゃあなぜ民主党が分裂したかが私は逆に言えば問われるんで、こういうことを言っているんですよ。やっぱりセーフティネットを作るのは一所懸命やったんだけど、一方で改革志向の人たちにとっては、やっぱりなかなか政権取った時にやれなかったということで、党はバラバラになりましたよ。その今影響が色んな意味で三極や何かに行かれた人材なんですよ。
私は、今回もう一回、伊藤さんも先ほどおっしゃっていたけれどもね、改革とセーフティネットというのを縦と横に織りなすような考え方を修練して、やっぱり穏健中道路線でちゃんと自民党に対峙できる勢力を作るには、言葉は悪いんですけど、ちゃんとよりを戻す選挙にしたらいいと思ってるんですよ。
反町 民主党の再統合を選挙を使ってやりたいと?
安住 民主党に集まれと言うと語弊があるので、そうじゃなくて、元民主党にいた皆さんで、色んな意味で野党でリーダーになっているわけ。だから、バラバラではないかって言われたら、それは違うんですよということを説明しているんですよ。これから次とその次と、選挙は続きますからね。その中で大きなやっぱり国民の皆さんからもう一回お前たちやってみろと言っていただけるような政党に、私は野党というのはなっていかなきゃ、国民の付託に答えられないと思ってます。
反町 野合批判にはあたらないですか?
安住 元々民主党にいた人たちだから、ベースは同じなんですよ。
反町 でも、それは結局ガバナンスが緩いもんだからバラバラにはじけていったわけじゃないですか。
安住 だから、そのガバナンスがちゃんとあるというところを見せていく大事な選挙なんでしょうね。
反町 小沢さん、いかがですか?
小沢 まあ、安住さんとかね、さっき名前を挙げたような人たち、この人たちは本当に改革志向で十分やれる人たちですよ。だけど、かつての民主党はなかなかそれができきれなかった、と、こういう話になっていて、そこを本当に、まあ、我々は飛び出してもらって、新党でやれたら一番いいというふうに思ってるんだけれども、安住さんは飛び出すまではなくて、中で改革していけばやれるんじゃないかと、こういう話を今おっしゃったんだろうと思うけれども、世代交代していけば今のような人たちが自動的に民主党を全体を把握していってくれればその可能性があると思います。
ただ、我々は前から言っている既得権との戦いだというのが根本にあって、で、やっぱりそこは民主党が拠って立っているところもかなり既得権みたいなところがあるもんだから、本当に改革志向を持ってくれてはいると思うけれども、できるんだろうかと。僕らは、正直言って、安倍さんだってね、橋下さんは改革志向は持ってくれていると。だけども、今の自民党にはそれはできないんだという言い方をずっと一貫してしているわけですよ。それは、支持母体が、選挙の母体がそういったところに負っているわけですから、だからできないんだとこう思っていて、そういった意味では、本当の改革ができるんだろうかと。
で、やっぱりね、日本はたとえば1980年代はひとりあたり所得が世界トップクラスですよ。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」って、エズラ・ボーゲルさんが本を書いてくれた頃。今はもう本当にOECDの中の最下位ぐらいにまでなった。これはやっぱり改革が生ぬるいんですよ。時代に合った改革ができてないんですよ。そこまでやらないとダメだというのが僕らの思いだから。
秋元 はい。お知らせを挟んで引き続き伺っていきます。
まず野党各党の関係をちょっと見て行きたいと思うんですけれども、まず今日ですね、生活の党の鈴木幹事長ら数人が民主党に合流する方向で調整と。で、一方、昨日みんなの党は28日に解党するということを決めました。で、今日民主党に入党申請をした議員ふたりも含め、浅尾代表など、民主党との合流を目指すと見られるグループ、それから渡辺前代表など、新党を結成するか、自民党との関係を重視するグループ、それから松沢議員など、次世代の党に合流するか、新党結成するとみられるグループなどの動きが見られているわけなんですけれども、浅尾さん、みんなの党の形はこういう形で、まあ、いいでしょうか。よろしいでしょうか。
浅尾 そういう形というか、まずですね、大変みんなの党に期待をいただいた皆様方に解党となったことについて、まあ、お詫びを申し上げないといけないというふうに思っております。大変残念なことだと私自身も思っています。
今回のことに至る経緯は、政策の違いというよりかは、まあ、与党の再編という、与党にこちらから寄って行こうという路線と、私なんかは民主党と合流と言われましたが、そういうことではなくて改革勢力の結集ということでありまして、改革勢力を結集して、与党に対抗できる勢力を作っていくということを考えている、そのふたつの考え方の間で、政策の中身というよりかは、やり方、手法の違いによって党が解党になったということでありまして、みんなの党の政策に期待していただいた方々には、その政策の実現するための枠組みを私自身はひとりとなっても作っていこうというふうに思っています。
反町 数ヶ月前ですよね、渡辺喜美さんと浅尾代表の間での、まあ、何て言うんだろう、手打ちみたいなものが行われてね、見た目ですよ、与党との連携も図るけれども野党再編も目指すと、両睨みの方向で行きましょうというので、一回、こう、ふたりの間での融和が図られたような印象があったんですけれども、これはやっぱり選挙が近くなった時に、さあどっち側によっていくのかというところで、もう耐え切れなくなった、こういう理解でよろしいですか?
浅尾 まあ、色んな複雑な要素がありますけれども、選挙というのは衆議院の議員の話でありまして、衆議院の人にとってみると、早く路線がはっきりして、自分の選挙区の調整なり何なりが決めてほしいという、しごく当たり前な話ですよね。
一方で、統一地方選挙が来年4月だし、参議院の選挙はしばらくないということから、選挙をいつ経るかという、選挙のタイミングが党所属の議員の間でも異なるということもひとつの解党に至った原因だろうというふうに思います。
伊藤 動きを見ているとね、むしろ参議院議員のほうが動き回ったという感じがするんですけど、その理由はどこにあるんですか?
浅尾 うーん、まあ、それはちょっとよくわかりませんけれども、衆議院の人は選挙ということですし、選挙においてしっかりと自分の政策、党の政策を訴えていくということだと思いますが、参議院の方々はしばらく選挙はないから、もう少し大所高所から見て頂いている方もいらっしゃったと思いますけれども、そうでない方もいたということじゃないですかね。
反町 今日は、お二人、山口さんと中島さんでしたっけ、みんなを離党して民主党への入党を申請という段取りになったんですけれども、ほかの衆議院議員、全部で今8名でしたっけ。ほかの6名の方々、具体的に今度の総選挙はどういう立場で臨まれることになりそうなんですか?
浅尾 それは、それぞれが、自分のみんなの党の政策を実現するために最善の道を選ぶということになるというふうに思っています。
反町 浅尾さんご自身は何時頃までに決めるおつもりですか?
浅尾 まず私はみんなの党と言っても、今申し上げましたように衆議院議員だけではなくて、参議院、それから党の職員、町議員もおりますので、そうした人たちが、しっかりと、党が解党しても、何て言うんですか、道筋をつけて、次に進んでいける。道筋をつけて次に進んでいくというのは先ほど申し上げましたようにみんなの党の理念をしっかりといろんなところで発展的に解消したというふうに言い続けておりますので、色々なところでその理念を埋め込んで行けるような態勢を整えるのが、まず私の責務だというふうに思っております。
反町 と言っても、選挙も近いので、無所属で出るわけにも行きませんでしょ?
浅尾 まあ、無所属で出る選択肢も相当程度考えております。
反町 民主の今日の山内さんみたいに民主党への入党というのはあんまり、まあ、安住さんの前では露骨な話もしにくいんですけれども、どうなんですか、迎え入れる用意はできているんですか?
安住 それは、僕ちょっと神奈川の県連のことに立ち入っているわけではなくてわからないので、浅尾さん、大変苦労なさって、本当に昨日あたりはそのピークだったのはもう本当に我々同僚として見ていてもわかりますからね。本当にそういう意味では、だけど浅尾さんの目指していることというのは元々同じ党でずっとやってきたわけだから。
反町 皆さん、三人とも元民主党ですね。
安住 そうそうそう。
反町 元というか、安住さんは今も民主党ですけど。
安住 やっぱりそういう意味での改革勢力というのはやっぱりどこかにひとつ集まったほうがいいですよ。
反町 さっきの大きな家の話ですね。
安住 浅尾さんなんかもそういう意味じゃ一党を率いたぐらいの人材なので、政権交代をする時にはもう絶対必要だと私は思っています。
反町 なるほど。特にコメントはないですか?(笑)
浅尾 ですから、端的に言えば、私はまずはみんなの党で改革勢力の結集を目指していたというのも事実でありますし、残された時間は少ないですけれども、ひとりからでも改革勢力の結集を、まずは旗を立ててやっていこうというふうに思っております。選択肢は、残された期間で呼応してくれる、要するに「この指とまれ」方式に呼応してくれる人がでてくれば、それでもって新党を作っていくということでありますし、また、今回の件も含めて有権者の判断を仰ぐということで、まずは裸一貫無所属で戦うという選択肢もあるだろうというふうに思います。
もちろん、選択肢ということでは他党に入るという選択肢もありますが、一番何をもって自分の生き残りではなくて、わかりやすいかということで考えていきたいというふうに思っています。
伊藤 現実にみんなの党が解党したことによって、民主党と維新の党にも影響が出ているんですよね。具体的に言えば、山梨一区ですよね。民主党と維新が激突する構図に今度なってしまうということですよね。それをその前であれば違う構図だったわけですから。そういう影響も出ているんですけど、たとえば今民主党と維新の党がそういう形で候補者調整なり、選挙協力なり、水面下で急速に進めている中で、小沢さんの選挙区で民主党と維新の党が小沢さんが激突する構図というのは、全体のそういう調整等にマイナスの影響を与えないですか?
安住 ご本人はなかなかしゃべりにくい話ですよね。
小沢 言えない、言えない。
反町 じゃあ、安住さんはどうですか。
安住 いや、僕はちょっと山梨の事情がわからないっていうか、国対をやっていたので選挙の責任者じゃないから、今ね、全国で伊藤さんの言うような、いわゆる調整ができないで問題となっている、維新と民主が出る選挙区というのは、20いくつあるんですよ。24、5あるのかな。ここは最後までやっぱりギリギリまで努力はしましょうということですね。
で、特にこれ、山梨の場合は現職で3人おられたんですよ。で、まあ、おひとりは知事選に回るということなんだけれども、そういう点では難易度の高い選挙区だということだと思います。
しかし、できるだけだから、東北もそうなんだけど、最初は難しかったんだけど、色んな意味で、それは相手は自民党と公明党ですからね、それはできるだけまとめられるところはまとまったほうがいいんじゃないかというのが僕の考えです。
伊藤 何かそういうところで、もう、まあ、民主党にいた人間からすると、やっぱり柔軟性と知恵を出すというところがやっぱり、もう少し今の民主党にはまだちょっと欠けているのかなあという気もするんですよね。したたかさと言ってもいいんですけどね、ある意味で。
安住 それは安倍総理のほうがしたたかで、そういうことをやらせないように解散したんでしょう。
反町 仰るとおり。
安住 それが国民の皆さんから見た時に姑息かどうかというのはまたあとの議論なんだけど、そういうことですよね。だから、我々もそういう意味では2年経っていて、50、50の議席だったでしょ。で、みんなの党の皆さんおられて。そういう中でこれを想定して、やっぱりいち早くいろんなことはやるべきだったんだけど、やっぱりそういう意味では、急な選挙になったことで、やっぱり時間がなかなか足りないので、伊藤さんがおっしゃるように、完全な形までは率直に言うと行ききれなかったということですね。
伊藤 民主党の枝野幹事長、かなり早い段階から選挙準備しろって言ってましたよね。
安住 だけどそれは3ヶ月前ですから。その時点というのは9月、幹事長就任なさるところでは言っていたわけですね。
伊藤 そのあとは、その想定が消えてしまったということですか?
安住 それは臨時国会が始まって、国会での戦いが始まっちゃったので、併せて色んな意味でそこをだから早く我々が態勢を作ったら…
反町 解散しなかったんじゃない?
安住 そうですよ。
反町 野党が準備してたら解散しなかったかもしれないと思います。
伊藤 いやだから、前回のような選挙で、野党が乱立して結局与党を利したという話は、その轍をを踏んじゃいけませんねということをわかっているわけですよね。
反町 そのちょっと数字だけ。これ、ふたつの選挙区だけ資料で参考資料として出してみたんですけれども、東京14区と埼玉7区というのが一応ここに挙げてみました。これはあくまでも例です。東京14区の松島みどりさん、前回9万票で当選したんだけれども、維新・未来・民主、この三つの党の落選候補を足し上げると9万9千923票。埼玉7区、これは自民党の候補が7万8千で勝ったんですけれども、維新、未来、民主、ここも三人を足し上げると12万7千票ですよ。
こういう形において、野党乱立によって自民党が勝ったという選挙区、これは今、維新と民主の間で、まあそのほか生活も含めて非常にそこを順調に調整が行われているのではないかという選挙区をたまたま○○で例に挙げてみたんですけれども、こういう選挙区というのを、野党がここに来るまで比較的シリアスに受け止めてこなかったのか。調整の遅れというのはどういうふうに見たらいいのか。そこなんですよ。
安住 これはなぜそういうふうになっているかというと、実はこの時の選挙って、私ども民主党が与党なんです。
反町 あ、なるほど。
安住 だから、野党がまとまってないというのは実は違うんですよ。我々が与党で、野党は自民党が第一党なんです。そのあと、維新の皆さんや未来の皆さんと続いているわけだから、この時の調整ができなかったことや、そのあとのことで言えば、それは与野党で分かれていたんだから、そう話は簡単でないということだけはわかってほしいんですよ。
反町 今回は、じゃあ、状況が全然違うということですね。
安住 だから今回はみんな野党になって、そして一党多弱が問題なんでしょう。一党多弱の多弱のほうにいる人間が自己正当化だけしたって、それは自民党を利するだけだということは国民の皆さんはわかっておられて、それをどれだけあなた方はまとめられるんですかというのを問われている選挙だと僕は思うから、宮城や色んなところではできるだけやってきたんです。
小沢 だから、今まさにそれをやっているわけですけれども、そのふたつの選挙区だけじゃなくて、ある調査によれば、これは1+1が2になるとは限らないんですけれども、前回の選挙でも要は野党が、今の野党が協力できれば、要は小選挙区でも自民公明は132、野党は168で逆転ですよ。比例を加えれば、いわゆる自民…
反町 それの前提として、どのくらいきれいにまとまれるかというのが色々あるんで。
小沢 もちろん、もちろん。1+1は2じゃないけど、自公は211、野党は261で逆転です。ですから、それがそういう可能性はあるわけです。その可能性をどこまで追求できますかという話を今やっているということだと思いますよ。
反町 今、仕上がり具合どのへんまで行ってるんですか? 300小選挙区のうち、こういう、今言われた惜しいところも含めて、いわゆる、何ていったらいいんだろう、維新、民主…
小沢 20くらいでしょう。残り20くらいでしょう。
反町 できているのはどのくらいあるんですか?
小沢 いやだから、残りのところはほとんどできてるんですよ。
反町 ええっ! 280っていう意味ですか?
小沢 いやだから、バッティングを本当にしているというのは本当に20ぐらいです。
浅尾 自公と共産しか出ていないところも結構あるんですよ。だから、要するに誰もいないっていうところがあって、一方で都市部はバッティングしているということなんで、本当は誰もいないというところも出れるような大きな枠組みを作って、それで…
反町 統一名簿という意味ですか?
浅尾 統一名簿でも何でもいいんですけど、要するに出たいと言っても勝てそうもなかったら出ないですよ。だから、大きな枠組みを作っておかないと本当はいけないということだと思いますね。
安住 今浅尾さんがおっしゃっている話は、大きな野党という意味ですよ、多分。ひとつ、一本にしてやろうと。しかし、たとえば宮城で言ってもね、出ないところとか厳しいところというのは村や町が多くて人口過疎地で古くから自民党の強いところですよ、東北なんかでは。そういうところで、じゃあ野党で頑張れる人っていますかって言ったら、それは率直に言うと、多分自治労の皆さんの力を借りなかったらポスターも貼れないのが現実なんだから、私は穏健中道勢力が固まるという時には、さっき言ったように、だから富士山の裾野のように広くして、しかし上に立つ人たちは、本当に遠目で見てもきれいな山だなと国民の皆さんに思ってもらえるような枠を作らなければ、自公に対抗するのはとても大変だと思いますよ。稚内から本当に石垣島までがっぷり四つで相撲を取るというのは、そりゃあね、そういうことじゃないかということなんですけど。
そこはだから、アプローチの仕方や考えが完全にこう一致できるところまで行ききれないで、残念ながら今回選挙を迎えたので、できるだけやりましょということです。
反町 そうすると、今回のその300小選挙区は、パッと公示日を迎えた時には、200ぐらいの小選挙区では野党統一候補、非自民の、共産党抜きですよ、共産党抜きの野党統一候補が立てる。こんなイメージですか?
安住 私のイメージだとそのぐらいにはなれるんじゃないかと思うのと、実はこの小選挙区のすごいところは、小選挙区で半分の、約半分の150選挙区で勝てば、政権交代が起きるんですよ。比例の票がそのまま自動的に来ますから。だから、ある意味、300近い選挙区、295の選挙区で、全部戦えればいいんだけれども、実は全部戦いきれなくても政権交代の可能性は存分にある選挙制度なんで、私は頑張ってそこはやっていこうというふうに思っているんですね。
反町 それは、もうなんて言うの、今回の選挙は、失礼ながら自民党がどのくらい減るか、民主党がたとえば今の55でしたっけ、から要するに80なのか90なのか100なのかぐらいの議論が巷に流れている中で、政権交代までも視野に入れた小選挙区でも200を目指すような野党統一候補と言われると、じゃあ、できた政党で政権を担うおつもりですか? そのバラバラ感で、対自民ということだけで候補者をまとめて並べただけの野党の連合体で、政権まで担う。これは今度逆に僕らが不安になってくる部分というのは、どういうふうに受け止めていらっしゃいますか?
安住 これね、だけど、私はそれは全然可能だと思っているのは、ここにおられる大半の人はみんな民主党の人ですよ。
反町 (笑)まあねえ。
安住 維新に行かれた方も、みんなに行かれた方も、元民主の方が圧倒的に多いんですよ。だけど、じゃあなぜ民主党が分裂したかが私は逆に言えば問われるんで、こういうことを言っているんですよ。やっぱりセーフティネットを作るのは一所懸命やったんだけど、一方で改革志向の人たちにとっては、やっぱりなかなか政権取った時にやれなかったということで、党はバラバラになりましたよ。その今影響が色んな意味で三極や何かに行かれた人材なんですよ。
私は、今回もう一回、伊藤さんも先ほどおっしゃっていたけれどもね、改革とセーフティネットというのを縦と横に織りなすような考え方を修練して、やっぱり穏健中道路線でちゃんと自民党に対峙できる勢力を作るには、言葉は悪いんですけど、ちゃんとよりを戻す選挙にしたらいいと思ってるんですよ。
反町 民主党の再統合を選挙を使ってやりたいと?
安住 民主党に集まれと言うと語弊があるので、そうじゃなくて、元民主党にいた皆さんで、色んな意味で野党でリーダーになっているわけ。だから、バラバラではないかって言われたら、それは違うんですよということを説明しているんですよ。これから次とその次と、選挙は続きますからね。その中で大きなやっぱり国民の皆さんからもう一回お前たちやってみろと言っていただけるような政党に、私は野党というのはなっていかなきゃ、国民の付託に答えられないと思ってます。
反町 野合批判にはあたらないですか?
安住 元々民主党にいた人たちだから、ベースは同じなんですよ。
反町 でも、それは結局ガバナンスが緩いもんだからバラバラにはじけていったわけじゃないですか。
安住 だから、そのガバナンスがちゃんとあるというところを見せていく大事な選挙なんでしょうね。
反町 小沢さん、いかがですか?
小沢 まあ、安住さんとかね、さっき名前を挙げたような人たち、この人たちは本当に改革志向で十分やれる人たちですよ。だけど、かつての民主党はなかなかそれができきれなかった、と、こういう話になっていて、そこを本当に、まあ、我々は飛び出してもらって、新党でやれたら一番いいというふうに思ってるんだけれども、安住さんは飛び出すまではなくて、中で改革していけばやれるんじゃないかと、こういう話を今おっしゃったんだろうと思うけれども、世代交代していけば今のような人たちが自動的に民主党を全体を把握していってくれればその可能性があると思います。
ただ、我々は前から言っている既得権との戦いだというのが根本にあって、で、やっぱりそこは民主党が拠って立っているところもかなり既得権みたいなところがあるもんだから、本当に改革志向を持ってくれてはいると思うけれども、できるんだろうかと。僕らは、正直言って、安倍さんだってね、橋下さんは改革志向は持ってくれていると。だけども、今の自民党にはそれはできないんだという言い方をずっと一貫してしているわけですよ。それは、支持母体が、選挙の母体がそういったところに負っているわけですから、だからできないんだとこう思っていて、そういった意味では、本当の改革ができるんだろうかと。
で、やっぱりね、日本はたとえば1980年代はひとりあたり所得が世界トップクラスですよ。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」って、エズラ・ボーゲルさんが本を書いてくれた頃。今はもう本当にOECDの中の最下位ぐらいにまでなった。これはやっぱり改革が生ぬるいんですよ。時代に合った改革ができてないんですよ。そこまでやらないとダメだというのが僕らの思いだから。
秋元 はい。お知らせを挟んで引き続き伺っていきます。
by kokkai-sokuhou
| 2014-11-22 20:39