6月10日 参院予算委員会 林芳正議員の質問 2 |
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林 瓦れき処理でございますが、十分の十ということを是非お願いしたいと、これもずっと言ってまいりました。後で交付税で見るから大丈夫ですと、これは衆議院で小里議員が片山総務大臣とのやり取りでもそういうことをおっしゃっておられるんですが、現場の声を聞いてほしいんですね。この莫大な何年分のもうごみに匹敵するようなものが出ていて、予算の規模ともう比べ物にならないぐらいの瓦れき処理の費用が見込まれる中で、一割、これは後からと言われるよりも、全部これは国で見るからやれと言えばすぐできるんです。なぜ地元の市町村を信頼できないのかという話なんですね。
この間の小里さんに対しての質問でも、自分も地方自治体の知事をやっておられましたから、そういう経験で大丈夫だと思うのでやってもらいたいと。平時ならいいと思うんですよ、十分の九というのは大きいですから。しかし、こういう事態で、もういつもの予算の規模を超えるような瓦れき処理をやるときに、片山国務大臣、「その辺は地元の自治体の皆さんも御安心いただければと思います。」と。御安心いただけないからできていないわけですね。
〔委員長退席、理事森ゆうこ氏着席〕
これ、十分の十にするということも総理の決断でできると思うんですよ。野党がやれと言っているんですから、出してくれれば賛成しますよ。その指示を、総理、片山大臣にされるおつもりはありませんか。(発言する者あり)
理事(森) まず、松本環境大臣、答えていただきます。
松本 三月の二十日ごろから、財務大臣そして総務大臣と、阪神・淡路を超える瓦れきの撤去に関しては全額国庫でいこうということを腹に決めまして、それから動き 始めたところであります。そういう意味では、残る地方負担分につきましても、特定被災区域内の市町村についてその全額を災害対策債により対処して、その元 利償還金を一〇〇%交付税措置をするという方針を総務省より出されております。
そういう意味では、これからも総務省においてしっかり対処されてくるというふうに思っております。
林 そのやり取りが延々とずっと続いている。結果として進んでいないんですよ。理屈はいろいろある、分かります。だけれども、結果として瓦れきの処理が進まなきゃ復旧から復興に行けない、これは当たり前のことでありますから、もうこれは政治決断しかないんです。総理が大好きな言葉を使えば政治主導と、こういうことなんでしょうけれども、まさにそういうときに、いろんな理屈を超えて、今回俺が責任取るからやれと言うのが政治主導なんですよ。
総理、今の答弁を超えて指示をお出しになる考えはありませんか。
菅 今の環境大臣さらには防災担当をしていただいている松本大臣からの話そのものが、自治体に最終的には負担を掛けないからやってくれということであります。 私もそうあるべきだと思いますので、是非自治体の皆さんには、最終的には政府が全ての瓦れき処理の負担はいたしますから是非やっていただきたい、こう考えます。
林 論点が分かっておられないのかもしれませんが、最終的に負担をするというのはもう分かっているんですよ。そうじゃなくて、それが後で返ってくると言われると、ちゅうちょするんですよ、小さな自治体は。
だから、今回に限ってでもいいですよ、十分の十やる、心配するなと。後でやると言っても、それは何年先のことか分かりませんよ。ですから、十分の十、これについては今回やる、自治体、信じて全部やってくれと、これが言えるかどうかで、これは法律体系とか理屈とか言っていたらできません。だから総理の政治決断と言っているんですが、今の答弁に変わりはありませんか。
菅 私も改めて瓦れきの処理の状況を、先日も環境大臣から説明を受けましたし、いろいろな状況を自治体からも聞いております。かなり進んでいるところもあるし、かなり遅れているところもあるわけであります。私は、今申し上げましたように、最終的には全て財政的な責任は負いますから自治体にはそういう前提でやっていただきたいと、そのように申し上げているところです。(発言する者あり)
理事(森) 御静粛に。
林 前例がそうでした、今までそういう仕組みになっておりますというのが絶対に上がってきますよ、総理のところにね。それを変えろと言うのはあなたしかできないんです。それをやらないんだったら、そこにいる必要はないと思います。
義援金の話に移らせていただきます。
我が党の小泉議員が衆議院で、これは五月の三十日に議論をさせていただいております。
細川厚労大臣も、大変遅れていることについては心配をいたしております、早くやらなきゃいけないということで、阪神大震災のときもそうだったんですが、 一律にまず配るということができるかどうか。今度は委員会の方で全壊、半壊について別々の支給額が出たんで、全壊か半壊をやるためにいろんな作業が要る。 それがないと罹災証明は出ないということで、これに手間取っていると。ですから、もう一次配分はしようがないけれども、この間の三十日の細川大臣の答弁 で、今度の六月六日が第二回目の委員会の期日でございます、そのときに、委員、これは小泉委員のことですが、御提案がありましたように、一次配分で配付し切れていなくても第二次配分はやるように、やるようにというのは一律でもう先に配れという御提案ですが、そのことを事務方を通じて私からもお願いをしたいというふうに思っておりますと。大変前向きな答弁だということになっておりますが、今日六月十日でありますから、六月六日の委員会はいかがでございましたでしょうか。
細川 六月六日に配分委員会が行われました。
その配分委員会で、事務方といたしまして、一律に配分したらどうかというようなことも提案もいたしたところでありますけれども、その配分委員会では地方の代表なども入っておりまして、その中でいろいろ議論があったようでありますけれども、二次の配分については都道府県に対しまして率で配分をし、その具体的な配分方法については都道府県の配分委員会で決めると、こういうふうに決まったようでございます。したがって、私どもの指導不足もあるかと思いますけれども、この配分委員会というのは、赤十字社など三者とそれから地方の自治体の代表者、そこで構成をされておりまして、そこでの決定でございますので、それに従っていかなきゃなというふうに思っております。
〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
ただ、遅れていることにつきましては、これは早くやっていかなければなりませんので、赤十字社とか、あるいは厚生労働省の職員、そして自治体の職員と、 遅れているところに対していろいろと調査もいたしまして、職員の不足によって遅れているようなところに対しては、総務省とも相談をいたしまして、職員もそこへ派遣をして義援金のこの方法を進めていくと、こういうことにいたしたところでございます。
林 ちょっと事実確認ですが、大臣、少しお願いをしたとおっしゃいましたが、どういうふうにこの委員会の方にどういうルートでお願いをされましたでしょうか。
細川 これについては、半壊それから全壊、そして行方不明そして死亡というようなことで、金額を違えて、異なったあれで一次はやりましたので、そうでないような、一律で配分をしたらどうかと、こういうことは事務方としてお話をさせていただいたということでございます。
林 確かに事務方を通じて私からもお願いをしたいというふうに答弁されておりますので、通じるのは事務方なんですが、例えば大臣の名前の入った文書を委員の皆さんに大臣の見解としてお渡しするというようなことをやられましたか。
細川 私といたしましては、日本赤十字社の副社長も厚生労働省に来ていただきまして、国会での審議の状況などもお伝えをいたしまして、とにかく早く被災者の皆さんに義援金が届くように、それは是非やってほしいということも申し上げたところでございます。
林 来てもらってお願いをするというのは大変結構だと思うんですが、そのときに正式に文書で、厚生労働大臣の名前で、二次配分については、一次配分をなされているかどうかにかかわらず一律でまず支給をするということを書いて渡さなきゃ駄目なんですよ。こういう国会の議論があったから是非お願いしますというところで、話がぼやけていっちゃうんですね。そうしないといつまでもあなたの責任になりますよ。
文書まで出して、そして厚生労働大臣の見解として出した上で向こうがそれに違った判断をするのなら、それはその委員長の人事権とかなんとかというそっちの話に行くかもしれませんけれども、そこまでやっていないんではないですか。いかがですか。
細川 この配分委員会というのは全く民間の形で、赤十字社あるいはNHKそれから共同募金会、この三者が中心となって自ら集めた募金でありまして、それをどのように配分するかということを、今までは、今まで、神戸なんかのときにも国はそういうところに全くタッチしていなかったんですけれども、今度大きな災害でございますから被災者も多いということで国の方にお手伝いをと、こういうことでありましたから、厚生労働省としては事務方でお手伝いをさせていただいておりまして、それによって厚生労働省の方からこれをこうしろというようなことはなかなか言いづらいところがありまして、やはりその配分委員会の決定というのは、これは被災県の代表者も、被災県の代表も来ておられて決めているところでありますから、ここは、そちらの方の考え方をこれは尊重しなければいけないというふうに私は思っております。
林 今のお話を小泉さんに答えるべきだと思うんですよ。私は権限がない、だから、事務方を通じてこういう話があったということはお伝えできるけど、それ以上の権限はありませんと何で五月三十日に言わないんですか。やってみるとおっしゃっているじゃないですか。言った以上はやってくださいよ。文書を出して私の見解こうですということぐらいやったって全然問題ないと思いますよ。
浜岡は要請したんでしょう。何で赤十字には要請できないんですか。同じことじゃないですか。どうですか、大臣。
細川 衆議院の小泉委員の質問に対して、小泉委員のお考えもこれは傾聴に値する意見でありましたから、私としてはそのような形で事務方を通じてやってみたいと、こういうことを申し上げました。
しかし、先ほどから申し上げておるように、これは民間の団体の集めた義援金でございます。したがって、そのことをどういうふうに決めるかはその義援金を集められたその団体が基本的には決めることでありまして、私どもの方がこれに対して強く言えることはなかなかないというふうに思います。
林 総理、今のやり取りを聞かれて、その浜岡の話さっきしましたけれども、あれぐらいリーダーシップを総理が発揮されたと。本来、海江田大臣がもう少し時間を掛けて発表するところだったのを、俺が自らやるんだと言って連休の谷間にわざわざやられた。あれぐらいのリーダーシップを今の義援金の問題について、細川厚労大臣に対して発揮するおつもりはありませんか。
菅 長浜について触れられましたが、長浜……(発言する者あり)あっ失礼、浜岡原発について、失礼しました、浜岡原発について触れられましたけれども、海江田大臣の方からこういう方向でいきたいということがあって、二人で十分協議をした上で決めたのであって、少し今、林さんが言われた経緯は若干事実関係とは食い違っていると思います。
この義援金が実際の被災者になかなか時間が掛かって届いていないという問題は私も大変憂慮いたしております。是非、法律的な制度では今厚生労働大臣が言われたとおりでありますが、要請をするようにいたしたいと思います。
林 今、最後、要請をすると総理おっしゃっていただきましたので、是非それを見守っていきたいと思います。
同僚に譲ります。ありがとうございました。