7月21日 参院予算委員会 自民党林芳正議員の質問(CafeSta解説つき) 1 |
7月21日参議院予算委員会 (Cafe Sta 世耕弘成議員の解説つき)
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質問 林芳正議員
解説 世耕弘成議員
答弁 菅直人内閣総理大臣
世耕 前回好評でした参議院予算委員会の実況解説を、今日またしていきます。今日は朝9時から自民党の林芳正さんが先頭になって質問を行います。林さんは、経済問題・予算を中心に質問をする予定になっています。
世耕 林さんは今回の2次補正の規模があまりにも小さすぎるということを厳しく指摘しています。
林 この中でほんの一部、ま、これ今からご質疑をしますけれども、原子力の関係、二重ローンの関係ということで、いずれも我々が提言をしているものでございますから、この中味について反対だということではない、そういうことで賛成に衆議院でも回ったわけでございますが、しかしどうしてこういう中途半端な、総理自らが最初に1.5次補正というふうに言葉をお使いになったような、自らが認めたような中途半端さ加減でございますが、なぜこうなったのか、色々党でも役所の方を呼んで議論しましたけれども、結局行き着くところは総理の指示ということでございます。
6月14日に、このパネルで今日持ってまいりましたけれども、こういう指示を総理が出されたということで、この補正予算の編成が始まったわけでございます。ここにも総理自らおっしゃっておられるというか、書いておられるというか、この下から半分ぐらいのところでございますが、「2次補正予算を本格的な復興対策に先行して編成する」とおっしゃっておられます。従ってこれは本格的なものではないということをですね、最初からこの指示の中で入っていて、こういうことでこの予算がこの規模になってしまったと、こういうことであろうかと思いますが、この総理指示を出される時にですね、たとえば野田財務大臣、それから三党合意をされた玄葉国家戦略担当大臣、そのほか復興を担当されているほかの皆さん、そういう方々と十分にご相談をした上でこ
の指示を出されたんでしょうか。総理にお聞きします。
世耕 林さんは、この予算編成の指示が、また菅総理特有の思いつきなのではないか、あるいは延命のためのためのものなのではないかという意図で質問しています。
菅 この2次補正が本格的な復興の対策に先行して必要だということで出さしていただいたということは、まさにその通りであります。そして、確か6月10日でありますが、この参議院の予算委員会で林議員ご本人からもですね、当初復興構想会議の提言を待って本格的な復興に向けての補正予算も考えていたわけですが、それが6月末になるということの中で、
林さんは今回約15分という持ち時間を持っていまして、林さんが立っている間だけ、この15分のカウンターが動くという形になります。ですから、菅さんがいつも意味のないことをだらだら答えて質問時間を消化するということはできないという形になっています。
菅 この1次提言を待っているようなことも言われるけれども、やはりそういうものを待っていないでやれることは次々にどんどんやったらどうかと、林さんご自身からもこういう指摘もいただいております。そういう意味で本格的な復興予算の前に、色々ご指摘のあったものも含めて今回こうした形で出させていただきました。もちろん出すにあたっては、事前に財務大臣ともお話をいたしましたし、この指示に沿ってお願いを、編成のお願いをしたところであります。
林 玄葉大臣ともご相談されましたか。
世耕 国家戦略担当大臣というのは、当然予算も担うことになっています。
世耕 全然逃げてますね。「玄葉さんと相談したのか」と言ってるんですよね。
林 ちゃんと相談しなかったということだと思いますが、玄葉大臣それで大変立場が苦しくなったんですよ、総理。この3党合意というのを玄葉さんと我々の石破政調会長、公明党の石井政調会長とやりました。
世耕 林さんは自民党の政調会長代理という役職についています。
林 で、ここには次の予算、すなわちこれ1次補正のときですから次の補算のときには復旧復興のために必要な再生債を出して本格的なものをやろう、まあみんなそういう気持ちでこれサインをしたわけですが、この総理指示が出たためにですね、ここに総理、またその下ですけれども(パネルを示す)、「国債発行に依存せず」ということをおっしゃっておられる。
世耕 林さんはこの3党合意の取りまとめにあたって、事務方としてかなり尽力をされています。
林 明らかにこの総理指示と、我々が合意した「次の時には本格的な復旧復興予算をやる、そしてそのためには復興債というものをちゃんと出して財源を調達する」と、まあある意味では野党が借金をしてもいいですよということを、1次補正のときにお約束というか、手を差し伸べて、その手を玄葉さんに握っていただいたということなんです。それを全く無視して、「この決算剰余金があるから、まあこの金でとりあえずやっとけ」というようなものをですね、ここで指示をしてしまった。そういう矛盾があることにお気づきでしたか、総理。
世耕 さあ、どう答えるでしょうか。3党合意と今回の2次補正の矛盾を突いています。
菅 先ほども申し上げましたが、この2次補正を急ぐようにと言われたのは、これは林さんご自身も含めて御党の多くの方が言われました。
世耕 自民党のせいにするんですね。あきれますね。
菅 で本格的な復興予算を組むためには、復興構想会議に4月以来6月の末を目途にひとつの青写真を作っていただくようにお願いをしていたわけでありまして、まあ最終的には6月の25日にそうした提言をいただきました。まそういうことを考えますと、本格的な復興を、予算に関して言えば、まあ少なくともその6月25日、6月末を踏まえて、そしてそれを今基本方針にして、そして次の予算ということになりますと、当然ながら6月末が、6月が会期末でありましたので、その会期よりも当初の通常国会の会期を越えていくわけであります。
世耕 しどろもどろですけれども、この答弁を聞いてる限りじゃ、この2次補正予算がなぜ必要なのか全くわからないですね。自民党に言われたから予算を出したということをさっきから強調する答弁を続けていますね。
菅 それに対して御党を含めてですね、会期中にも2次補正を出すようにと言われて、具体的に、たとえば、二重ローンの問題とかですね、色んな問題が提起されました。そういうことも十分に検討してこの中味を出したわけであります。
世耕 二重ローンの問題といっても、この補正予算に盛り込まれている二重ローンは700億円ちょっと、非常に小規模なものです。
菅 その3党合意の内容については私もよく承知をいたしております。私としては、本格的な復興予算を組む次の段階では、基本的に復興債を含めたですね、これ基本法にも盛り込まれておりますけれども、そういう考え方で編成をすべきだと、そう考えております。
世耕 全然説明になっていないですね。だらだら答えてますけれども、片道方式の時間計測ですから、林さんの質問時間には全く影響しません。
林 あのさっきから私が言った私が言ったと言われるんで、私が言ったのは、復興会議の結論を待たずに、総理や閣僚の皆さんがこれは要ると思ったものは本格的な復興予算を出せばいいじゃないですか、と言ってるだけなんですよ。こんなキムチみたいなね、2兆円足らずの、しかも、しかもですね、この実際の予算は、7000億ですよ。そういうものをですね、出してきているということについて聞いているんです。
世耕 「実際の予算は7000億」と言っているのは、今回の予算のほとんどは予備費を計上するという形を取って、具体的な項目がついてない部分が非常に大きいんですね。具体的な政策と結びついているのは7000億しかないということを、林さんは指摘しています。
林 従って、先ほどの答弁を簡単にまとめますと、「玄葉さん、これは3党合意とは反することになるけど、よろしくね」というような調整はされなかったということでよろしいですね。
菅 どうもですね、議論の本質について私は申し上げているつもりであります。
世耕 本質についてこの人から言われたくないですね。
菅 たとえばですね、よく皆さんがたが、規模が小さいということも言われますが、たとえばもちろん阪神淡路とは震災の規模が違いますけれども、阪神淡路の時に二度目の補正を組まれたのは時期的にも118日後に出されて122日目に成立され、1回目と2回目と合わせて2.5兆円であります。
世耕 まあこれまた、自民党政権時代のことを言って、だから自分たちは問題ないんだという、いつもの菅さんの論法ですね。
菅 今回の補正予算を含めて言えば、1度目が約4兆、今回が約2兆で、6兆円であります。
世耕 阪神大震災と東日本大震災では、震災の性格も規模も全然違うわけです。これを、こう単純に金額で比較するという、全く意味のない答弁ですね。
菅 もちろん、本格、本格復興に関して言えばもっと大きな額の予算が必要なわけでありまして、そのことについてはその3党合意も踏まえ、あるいは基本法の考え方を踏まえて、当然より大きなもので編成することになると、その本質的なことをきちんとお答えしているところです。
世耕 全く本質的な答弁ではありませんね。
林 あの総理、衆議院と違って今日は片道ですから、いくらだらだら答弁していただいても結構なんですが、
世耕 先ほどから私が指摘していることを林さんも言っています。
林 私が聞いてるのは、この指示を出された時にこの3党合意との調整を玄葉さんに委ねたりせずに、そこはもう自分で勝手にこれを出したということですか、と聞いてます。
世耕 結局予算については予算担当の大臣を無視する、原発についても経済産業担当大臣を無視する、で菅さんのいわゆる思い付き、独りよがりのスタイルですね。
菅 ですから先ほど申し上げてますように、基本的にこの2次補正が本格的な復興に向けての予算ではないということは、玄葉大臣も理解をして、最終的には閣議という形で決めますので、それは理解をしていただいたことと思います。
世耕 参議院自民党の幹部が傍聴席に陣取っています。
世耕 こういうことをきちっとシステマチックに考える総理大臣ではないということですね。
菅 何度もお答えしてるつもりなんですが、私としてですね、どういう言葉でどういう場面でどういう会話を交わしたかというところまでは、承知をして、あの覚えておりませんけれども、
世耕 林さんは指示を明確にしたのかと、総理大臣の職務として聞いているんですね。別に玄葉さんとどんな雑談をしたかというのを聞いているわけではありません。
菅 先ほど来申し上げてますように、2次補正というものを本格的なものにするには、もっと時間がかかると、その時には、まさに3党合意あるいはその後の基本法の考え方に沿って、復興債、その場合の財源についても、御党からも色々提案をいただいております。しかしそういう形ではなくて急ぐということに限って、こういう形で出したわけでありますから、最終的に内閣としてきちんと手続きを取って出したものであります。
林 まあ何度聞いてもおっしゃらないってことは、やってなかったっていうことだと思います。
世耕 この片道方式のいいところは、満足な答弁をしない場合は繰り返し繰り返し聞くことができるんですね。質問者の時間をうまく使って細切れに聞いていけば、逃げの答弁をしたときは何回も何回も繰り返し聞けます。これがいわゆる往復時間のやり方とは全く違ってくるわけです。
林 従ってこの3党合意はもう破られたというふうに我々は思ってるんですね。ですからせっかくこうやって皆で一緒にやっていこうということを、総理自ら、事前の調整をしない、また多分3党合意を読まれながらこの総理指示を書かれたんじゃないと思うんですよ。
そういうことをするから駄目なんですよ。ちゃんと色んなものを見て、色んな人と相談して総理指示ってものは出すんですよ、普通は。そういうことを一切せずに、あとで閣議でサインしたからもう分かってるはずだと、それじゃあ仕事にならないんですよ。まあそれはもう今までずっと言ってきたことですから、あまり重々申し上げませんけれども。
それから阪神との比較がありました。総理、阪神のときに、阪神のために使った総額の補正予算、大体いくらぐらいかご存知ですか?
世耕 さあ答えられないでしょうね、これは。どうでしょう。
菅 まあ当時は自社さ政権で私もさきがけの一員で参加をしておりましたが、詳細な数字については記憶しておりません。