二重ローン救済法案 7月28日参議院復興特別委員会 加賀谷健氏(民主党)2 |
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発議者への質問の続き
質問 加賀谷健氏(民主党)
答弁 片山さつき氏(自民党・発議者)
本当に1、2ヶ月で買取開始できるのか
次に、再生支援機構の必要性と事業開始のめどの関係、ちょっとお伺いをいたします。
昨日の答弁でも、1、2か月以内で買取り開始が可能という片山議員の答弁がございました。そして、さらには、スタート時の体制は200名体制、そして被災市町村ごとに支店を設置をする、そしてまた業種ごとにあってもいいというようなどうも回答があったような気がしますけれども、この200人、どのようにして集めるのか。そして、一体どういう支店を、このスキームの説明書といいますか、この絵によりますと、本店を仙台に置いて支店を設けていくというようなふうに書かれておりますけれども、実際にどんなような支店をつくっていくのか。
これだけ大きな200名体制の組織を立ち上げるということになれば、どんなことをしたって、1か月や2か月で本当にその買取りがスタートできるのか、私は大いに疑問に思っておりますけれども、いかがでございましょうか。
地元の人材、買取対象債権の目途はついている
片山 実は、この1か月、2か月ということの前に、そもそも民主党も含めてこの三党の二重ローンの協議を始めたのがいつだったか。最初に私どもが自民党としての提言を民主党との間でやり取りし始めた、そのころから私どもは動いておりまして、そのころから何らかの機構で買取りを行って支援をしていかないとこの問題は無理だということを言っておりまして、当然自民党としては法案を出すというつもりで、仮にそれができれば、どういう方をどういうふうにお願いするかということも4、5月ごろから御相談をしております。
そういった、是非この法案をという方、そういう団体、そういうグループ、その一部の方が昨日も参考人としてお見えですが、仮に国会でお認めいただければ、全面的な協力の下に、まさに東京や関東地方から今高額の中小企業診断士やコンサルタントばかり集められているようでございますが、地元のことは地元で、地産地消で、地元のために必死に、自らも被災者として傷つき、しかも地元の状態をよく知っている方々がやれるということで、私どもは大体のめども付けられると思っております。
そういうことでございますし、金融機関の方も既にどういう債権が対象になり得るかというイメージも持っておられますので、早いところからは買取りは1、2か月でスタートが十分に可能ということで自信を持っております。
加賀谷 できるだけ早くやらなければならないというのはそのとおりだと思っておりますけれども。
既存組織活用の方が迅速ではないのか
今政府がやろうとしているスキームといいますかこの考え方もですね、これは会社をつくるということではなくて、今現実にある組織を活用しながら動いていくということになればかなり迅速に対応ができると思いますし、また、今言われたきめ細かな対応も私はできるんではないかなと、こんなふうに思っております。
審査の簡略化を悪用される危険
昨日、片山議員から、手続や審査を簡略化して速やかに処理しますと、こういう趣旨のお話もいただきました。これ残念ながら過去のいろんな形のこういうものを見ますと、これを悪用をする、こういう人たちが必ず出てくるんです。で、結果してその手続の簡素化、早くしてあげたいということが悪い方向に利用する人が出てくる、こういうこともどうやって防いでいくのかなというのはやっぱり難しい問題なのだろうと思います。この辺はもちろんいろんなことでやっていか なければならないと思いますけど、あえて質問はいたしませんけれど、そんな気がしているところでございます。
全部国が出資するのか
また、これは株式会社を設置をするということでございますけれども、これも昨日の答弁では、資本金の問題でございますけれども、貯金、預金保険機構から 160億、20億、そして中小企業庁の20億ということで、まあ200億の資本金というふうに理解をしていいのではないかと思いますけれども、中小企業庁が出資をするということになると、これは株主で、まさに国が全部出資をするというようなふうに読めますけれども、これはそういう理解でよろしいんでしょうか。
公益目的なので国の出資でよい
片山 昨日も何人かの委員の方からお話が、御質問がありましたが、この機構の性格として、特別の非常に公益上の目的を持った時限の株式会社でございまして、預金保険機構、貯金保険機構等の発起設立があればもうそこで設立行為としては法的に完了いたしまして、そこから先に、恐らくは出資が行われるであろうその周辺の御関心をお持ちで、かつ主務大臣が認めるようなちゃんとした方ですね、それが事業会社であり金融機関であり投資資金を持つ機関投資家でありですが、その方々が付いてくることは、あくまでもその主なものがあってのことでございまして、別に国が結果的に100%になっても構わないと思っております。
なぜかと申しますと、よく投資事業組合の方の話として長年言われてきたこととして、やはり投資を行うのであれば公的資金は呼び水なんだよということで、この投資事業組合を中小企業対策のツールとして産活法で使うときには5割以下の出資比率ということを言われております。それをずっと言ってきたのはどちらかというと財務省の予算当局の方ですから、私もそういう理念をずっとなじんできたわけですが、この私どもの法律に基づく機構は、投資が目的ではありません、あくまでも第1条に書いてあること(筆者注:被災事業者の再生支援)が目的ですから。投資というのはどういう辞書を引いてもこれは利益が前提なものですから、全くそこの概念が違うのでございまして、ですから、公益的な会社として設立されるときは大体初めは100%国なんですよ。それを部分的に民営化してきたわけですね、いろんな理由があって。
これは、そうなる前に恐らく時限ですから役割を終えるでしょうが、そういう形であって、特に法理上何ら不都合はないものと考えております。
それなら政府スキームでよいのでは?
加賀谷 政府がそういう形で出資をしていくということであれば、今政府が作っているこのスキームでも私は十分対応できるのではないか、なぜわざわざ法律まで作って機構をつくらなければならないのか、ちょっと私は余りうまく理解ができていないんですけれども、その辺ありましたら。
既存のものは全て検討したが使えない
片山 それも昨日ほとんど全ての委員からの御質問があったんですが、つまり、私どももこのお話を4月、5月に始めたときに、今存在する道具立てについては全部検討したんですよ。
私は、この中小企業再生協議会ですとかこのファンドができたときに実は経済産業省で政務官をしておりまして、当時地元だった東海地域も含めて、どういう例があるかというのをいろいろ当てはめて、できるだけ使ってほしいという方向で動いてきたんですよ。ところが、金融機関の出資をさせればさせるほど、傷が付くような会社は一つも持ってきません。今まで来たものを全部御覧ください、対象はどんどん大きくなっていきます、リスクもどんどん下がっていきます、そういう会社がこの東日本大震災の被災者に何%いるのか、むしろそのことをお聞きしたい。
つまり、あくまでも靴に合わせて足を傷つけるのではなくて、足に合わせた靴をきちっと作ってあげないとこの目的は達せられないと、その一語に尽きるわけです。よろしくお願いします。
加賀谷 そういうことで会社という形をつくられたというわけでございますけれども。
主務大臣が複数でうまく行くのか
次に、この法律の中で、先ほども出ておりましたけれども、主務大臣というのがございます。内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、農林水産大臣及び経済産業大臣とするという定め、さらには主務省庁もこれらの省庁がなって、さらに権限を金融庁長官に委任をするということになっていますけれども、これで本当にうまく回るのか多少不安でございますが、主務大臣、中心になる大臣は誰を置くのかということを、仮に今の菅内閣ということであれば、菅さんがそういうことでいうと主務、中心になるということではなくて、誰か違う人、総理大臣でない人が主務大臣という形になるのだろうと思いますけれども、どんな形を想定されているのか、ちょっと教えてください。
自民党政権では出来ていた
片山 これ自民党政権だったころと今の民主党中心の内閣は非常にお仕事のやり方が違いまして、私どもは、こういう法律があるなしにかかわらず一定のテーマがございますと関係閣僚会議を制度的にビルトインいたしまして、そこで何か決定をしたり文書を出すときも、全部その閣僚会議決定であり了解であり、そういうものをきちっと打つんですが、今回、二重債務についての三党協議の第一回目の合意ペーパーを出そうとするその朝に、二重債務の関係者会議というのを官邸でお開きになって、そこで全く民主党さんの方がおっしゃっているのと同じ紙を数時間お早く出されたんですよ。その紙に、あて名がというか、出された大臣名がないんですよ。ですから、私どもの政権であればということで伺っていいのであれば、通常は内閣総理大臣が金融担当大臣に下ろして、それを、私どもは一応政治主導ではありますが官僚もきちっと使いますので、担当局長会議かそういったものを組織してきちっと全部に行き渡るようにすぐにやるんですよ。
ただ、これは、私どもがお願いして仮に通していただいても、皆さんの内閣でやるものですから、こういう法律の下でどうやって動かすかは皆さんの内閣がお決めになることです。
加賀谷 そうすると、菅内閣でも、この法律ができると速やかに迅速な対応が行われる、損なわれることがないということで理解をしてよろしいですね。
片山 成立させていただいた時点での内閣に国会の総意として、通ったということは国会の意見ですから、お願いをさせていただくところでございます。
加賀谷 ありがとうございます。これで菅さんもますます意を強くして取組をされるのかもしれません。ちょっと皮肉っぽくなりましたけれども。
それでは、発議者にもう少し聞きたいんですけれども、私の持ち時間が少のうございますので、発議者の方についてはこれで終わらせていただきたいと思います。