瓦礫処理法案(内閣提出) 法案趣旨説明 衆院本会議7月28日 江田五月環境大臣 |
瓦礫処理法案 (内閣提出法案)
平成23年7月28日 衆議院本会議 江田五月環境大臣
ただ今議題となりました東日本大震災により生じた廃棄物の処理の特例に関する法律案につきまして、その趣旨をご説明申し上げます。
東日本大震災は、東日本の広範な地域に未曾有の災害をもたらしました。特に、大津波により甚大な被害を受けた岩手県、宮城県、および福島県の3県では、合わせて約2000万トンを超える大量の災害廃棄物が発生し、その量は前例のない膨大な規模となっております。今後被災地の衛生状態の悪化や悪臭等の発生による生活環境への支障が生ずることが懸念されており、災害廃棄物の早急な処理が喫緊の課題となっております。
このため、国がより積極的な役割を果たせるよう、市町村域、県域を超えた広域での処理を可能とすべきものとの意見が出されており、被災した地方公共団体からも、災害廃棄物の処理は市町村が行うのではなく国が直轄で処理することとしてほしい旨の要望が出されております。
本法律案はこうした状況を踏まえ、東日本大震災による被害を受けた市町村における災害廃棄物の処理の実施体制、その処理に関する専門的知識および技術の必要性ならびにその広域的な処理の重要性に鑑み、国が被害を受けた市町村に代わって災害廃棄物を処理するための特例等の措置を講じようとするものであります。
次に、本法律案の主な内容につきましてご説明申し上げます。
第一に、災害廃棄物の処理に関する特例についてであります。環境大臣は、東日本大震災に対処するための特別の財政援助および助成に関する法律第2条第2項に規定する特定被災地方公共団体である市町村長から要請があり、かつ当該市町村における災害廃棄物処理の実施体制等を勘案して必要があると認めるときは、市町村の区域内における災害廃棄物の収集、運搬および処分にかかる事務を当該市町村に代わって自ら行うことができるものとしております。
第二に、費用の負担についてであります。環境大臣が行う事務に要する費用は国が負担することとしております。この場合において市町村は当該費用の額から、自ら事務を行うこととした場合に国が当該市町村に交付すべき補助額、補助金の額に相当する額を控除した額を負担するものとしております。また国は特定被災地方公共団体である市町村が災害廃棄物の収集、運搬および処分を行うために要する費用で、当該市町村の負担に属するものについて、必要な財政上の措置を講ずるよう務めるものとしております。
以上がこの法律案の趣旨でございます。