罪万死に値する失政 8月8日 衆議院予算委員会 高村正彦氏の質問 2 |
8月8日 衆議院予算委員会 高村正彦氏の質問 2
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高村 (承前)自分は沖縄にいたからよくわかるが、沖縄の人たちは大変なんだと、こういうことを言ったのを、感激を持って聞きました。で、そのことはアメリカとの交渉にも、私はよく使わせてもらいました。ただ、一方で、アメリカの国民に、独立国の中に他国の基地を置くというのは大変だということをよく理解してもらうと同時に、いざというときはアメリカの青年たちが日本を守るために血を流してでも戦う、あるいはそこまで行かなくとも、そういうこと、そういう覚悟を持って、遠い日本で、この基地で、軍事訓練にいそしんでいる、これも大変なんだ。両方がどっちも大変なんだということを理解しないと、日米同盟というのは持たなくなる。
と、私は思うんですが、総理はそういうふうに思いませんか?
菅 日米安保条約、そしてそれに伴う米軍基地を我が国に相当程度受け入れているという、この構造は、私はもちろん日本の防衛あるいは安全に大きな効果を発揮していると同時に、アメリカ自身が世界戦略の中で特にアジア太平洋においての色々な活動をする上で極めて大きな役割を、特に我が国に存在する米軍基地は、アメリカの戦略にとっても極めて大きな役割を果たしていると、このように考えて認識をいたしております。
そういった意味で、双方がそれぞれのメリット、あるいは色々な負担なり、義務なりという意味での、まあデメリットという言葉を使いたくありませんが、そういった負担なり義務なりをお互いが負うことによる、ある意味でのひとつの負担、広い意味で負担と申し上げましょうか、というものをお互いが理解しながら、そういったものを維持していくということは、大変重要であり、この間も多くの皆さんがその両面を理解して維持に努めてこられたと、高村議員もその重要なおひとりだと認識しております。
高村 先般の衆議院選挙の時に、鳩山前総理は、まだ総理じゃありませんでしたけれども、「少なくとも県外」と、こういうことを、普天間基地ですね、普天間基地について、「少なくとも県外」と言った時、総理はその通りだと思って聞きましたか、それとも、ああ、ちょっと言い過ぎちゃったなあ、と思って聞きましたか?
菅 沖縄において、県民の相当数の皆さんが従来から沖縄の米軍基地の負担をもっともっと軽くしてほしいと、また、普天間の問題については、橋本総理の頃からの日米間におけるひとつの約束になっていたわけであります。そういった点で、この普天間の基地をできるだけその線に沿ってどこかに移すということの重要性は、あるいはその沖縄の皆さんの期待は、私にもひしひしとわかっておりました。その移転先をどのようにするかということを巡って大きな議論があったわけでありますけれども、そういった点で鳩山当時の代表が、ま、選挙の期間中にですね、そういう発言をされたことについて、大変大きな努力が必要なことだな、というふうにその発言を聞きながら感じたことは、私の率直な感想であります。
高村 鳩山総理は前々から、常時、駐留なき安保と、こういうようなことを言っておられました。まあ端的に言えば、日本が要らない時はアメリカ軍出てってくれ、だけど必要になったら来て助けてね、こういう論理であります。日米同盟、日米安保条約というのは、日本が基地を提供する、アメリカはいざとなったら日本を守る、こういう条約でありますが、基地を提供するほうはやだよ、だけどいざとなったら守ってね、これ国際社会で通用すると思います? 国内社会だって、大人の社会で通用しないと思います。パン屋さんに行って、代金払わないけどパンくれって言ったって、これ、通用しないですよね。(傍聴席{意味が違う」)意味、おんなじです。違うと思ったら、総理から答えていただきたいと思います。
菅 色々な同盟あるいは軍事同盟の中で、どういうお互いに義務を課しているかというところは、一般的に言えば色んな形があります。また変化もいたします。そういった意味で、今の日本とアメリカの安保条約がおっしゃったような性格を持っているということそのことは決して否定するものではありませんが、一般的に言えば、同盟関係があっても、必ずしも一方が他方の地域に基地を置かない同盟関係も数多くあるわけでありまして、そういった意味で、一義的に、何かその形しかないということではないと、一般的にはですよ、ただ日米関係においては今おっしゃったとおりで、私もその必要性を認めて対応してきたつもりであります。
高村 一般的にはそういう同盟関係あるって言ったって、基地を置かない同盟関係って、それは相互防衛義務があるようなものですが、相互防衛義務はない、日本は基地を提供する、アメリカは日本を防衛する、そういう条約なんですから、そこはしっかり認識してもらいたいと思います。
今沖縄に海兵隊の基地が必要だと思ってますか?
菅 今日の極東情勢、かつて冷戦後の大きな変化はありましたけれども、残念ながら極東の情勢は、先ほど指摘をされた北朝鮮の色々な言動も含めて、まだまだ安心できる状況にあるとは言えないと思っておりまして、そういう中において、沖縄における海兵隊の存在がそういったことに対する、まさに高村議員が言われたような抑止的な効果を持っているということは、私もそのように理解をいたしております。
そういった意味で、今の沖縄における海兵隊、規模とかあり方とか色んな議論はこれまでもこれからもしていく、あるいは今すでにグアムへの一部移転等の話が進んでいるわけですけれども、そういう、その、何て言いましょうか、色々な変化のことまで否定するつもりはありませんが、現在における沖縄の海兵隊がそうした機能を果たしていて、日本においても必要であるという認識を持っております。
高村 もう少し端的にお答えいただきたいと思います。
2005年、2006年、総理は民主党の代表でありました。その時に、やはり国外県外と言ってましたが、それは、学べば学ぶほど日米同盟の必要性がわかってきたから、今違うと、こういうことですか?
中井委員長 菅内閣総理大臣。(傍聴席「防衛大臣じゃないよ」)
高村(着席で) 総理で。指名された。指名されたんだから。
(「総理指名されました」)
菅 まあ私、野党の時代かなり長いもんですから、たとえばマニフェストにどういう表現をしたかということなどで言えば、できるだけ基地の負担を削減、減らしていこうということをマニフェストに盛り込んだという記憶がありますけれども、あの、どう言ったらいいんでしょうか、そういうものを全て否定するという、そういう立場には立ったということは、私の記憶ではありません。
高村 民社党(ママ)の福島党首にこのこと、同じことを聞かれてるんですよ。社民党だ。似たようなもんだから。(会場笑)失礼しました。社民党の、社民党の…社民党の福島党首に同じことを聞かれてね、菅総理、国際情勢が変わったからって答えているんですよ。答えてるんですよ。
国際情勢の安定、変わってないと思いますよ、ほとんど。それは国際情勢って日々少しずつは変わってますけどね、大きな面で変わってませんよ。それと、使うほうの側に言わせればね、基地ってのは安定使用があって初めて意味があるんですよ。ちょっと今こういう国際情勢だから出てってください、今度また必要だったからいてもいいですよ、そんなもんじゃないんですよ。
総理も基本的な常識が欠けているということが、はっきりいたしました。
それで、この普天間の件について言うと、普天間という大変危険な基地、市街地の真ん中にある、これを名護市の辺野古に移して、危険そして騒音を少しでも騒音被害を少しでも減らしましょう、それと同時に、8千人の海兵隊員をグアムに移しましょう。家族入れると1万7千人です。嘉手納という大基地より南側にある基地の大部分を日本に返しましょう。こういう合意であったわけです。
で、当時の沖縄県知事、名護の市長、両方とも、それは国外県外のほうがいいと言ってましたけれども、それは難しそうだと。今よりずっとよくなるので、これでも仕方がない。だけど、若干の修正をしてくれませんか。こういうようなことだったんですよ。で、水面下でアメリカとも話して、若干の修正って言ったって、何度も何度も修正されるのはかなわん、一回限りならまあいいか。大体そういう状況になって、ほぼまとまってた。2014年には間違いなく普天間が辺野古に移れる。こういう状況になってたんですよ。それをぶち壊しちゃったんですよ。
今、沖縄県民怒ってますよ。参議院選挙では、民主党は候補者も立てられなかった。沖縄県民の心を弄んだと、沖縄の人たちはそういうことを言ってます。基地が、普天間基地が固定化してしまうのではないか、そういう心配すら出てきているんです。そして、日米同盟は脆弱化している。
日米同盟が脆弱化するということは、抑止力が弱くなるということですから、日本人の命が危なくなるということなんです。まさにこの状況を作ってしまった、このことは罪万死に値すると私は思ってますが、菅総理はどう思われるでしょうか?