続「内閣ひとり」民主党エネルギー政策の矛盾 7月7日参院予算委 片山さつき氏 CafeSta解説つ |
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3日前にアップした7月7日の参議院予算委員会片山さつき氏の質疑の続きです。全部でエントリは3つになる予定で、これは2番目です。1番目はこちらにあります。再生エネ法は必要な法律だと思うので、行きがかり上変なことにならないように、残りわずかの会期ですが、よい法案に仕上がることを筆者は願っております。
エントリの順番が実際の審議の時系列とあまりに違ってきてしまっているので、そのうち整理します。
動画:http://www.youtube.com/watch?v=596Lm5Pomts
質問 片山さつき氏(自民党)
答弁 菅直人内閣総理大臣
解説 世耕弘成氏(自民党)
世耕 これ今理事が協議中です。こういう時はタイマーが止まります。片山さんの質問時間は、この間止まっている形になります。今、民主党の筆頭理事が菅総理に対して自民党の言い分を伝えて、もっときちっと答えるようにという要請をしているものと思われます。
これは要するに、二人の部下の大臣が違うことを言っているから、上司としてどう考えているのかという片山さんの質問に対して、それは部下を呼んで聞いてくれと答えているのに等しい、ひどい答弁をしているわけですから、さすがに民主党の理事も今総理に迫っているという状況であります。(委員長のそばの席から女性が委員長のところに行き、すぐ戻る)今横に出てきた女性は、これは事務局の人です。
前田委員長 質疑者及び答弁者に一言申し上げます。質疑者も冷静に、座ったままで余り指図をしないように。委員長の指示に従ってください。答弁者におかれましては、質疑者の質疑に的確に答えるようにお願いをいたします。
世耕 これは委員長のいい指摘だと思います。
前田委員長 それでは、菅総理大臣。
菅 法律のことを余り申し上げるのはもう片山議員が得意かと思いますのであれですが、現在私は……(発言する者あり。菅総理、手振りで委員長に会場を示す。)
世耕 これはそんなに気になる野次ではないですよ。これぐらいの、予算委員会ではよくある話ですが、これ、わざとこう止めて、こう時間を稼ぐんですね、菅さんは。
菅 ちょっと静かにしてもらえませんか。原子力災害特別措置法の本部長という立場もあります。しかし、原災法に関して言えば、ある範囲の中での判断をすることにはなっておりますが、それを超えて判断することになっておりません。また、原災法の場合は、原子力安全委員会に助言を求めることになっております。
しかし、先ほど来申し上げていますように、現在の法律では、この問題に関して再開をするしないに関しては、現在の法律では経産省の下にあります原子力安全・保安院がこういう形でいいのではないかと言って、
世耕 全然答えてないですね。
菅 そして経産大臣が判断すればそれでいいという法律の立て付けにはなっておりますけれども、私はそれでは国民の皆さんの理解は得られないと。ある意味では原子力保安院そのものが今回の大事故を防げなかった当事者でもありますので、それでは決して十分でないと。
そこで、私は両大臣に、国民が納得し得るそういう基準なり場なりをどのようにつくればいいかを検討してくれと。私が直接何でもかんでも判断できると、私もそれほどうぬぼれてはおりません。まずは、そういうきちんと国民が納得できる場をきちんと検討してくれということを
世耕 長々と答えてますけれども、片山さんの質問に対しては全く答えてないですね。
菅 数日といいましょうか、前から申し上げて、そして海江田大臣の方からもあるいは細野大臣の方からも
前田委員長 在席議員の方々、もう少しお静かに。
菅 IAEAが従来より提示、提起しているストレステストという考え方を提起をされてきたわけであります。
まだ最終的にどういうルールでやるべきかということの結論をいただいておりませんが、二人の大臣にしっかりと国民の皆さんに納得できるルールを提案をしていただきたいと、そのことを申し上げているところであります。
片山 もうこれは何度聞いても返ってこないので、理事会の方で検討してください。
そして、我々はずっとエネルギー源においては供給安定性、環境適合性、経済合理性、これが大事だと言ってきましたが、当然、安全性を加えなくちゃいけない。皆さんのおっしゃっていることの批判だけしているわけではございません。ここに菅内閣のエネルギー基本計画と、菅総理が5月25日に御自分でおっしゃった、再生可能エネルギー、2020年21%プランの図があります。見ていただければ分かります。
そして、2020年に再生可能エネルギーを20%にすることは、自民党は去年のマニフェストで、最終消費エネルギーベースですが、提案しています。今そこにいる山本一太さんが委員長になって我が自民党も画期的なエネルギープランを出しますから、過去のしがらみに全くとらわれず、そして、過去やってきたことはしっかり反省する。
しかし、この2020年は9年後の近未来なんですよ。今全く研究開発もされていないような技術開発が突然起きることはありません。そして、21%を再生可能エネルギーにしたら、残りの8割をどうするかが問題なんですよ。
あなたが閣議決定したエネルギー基本計画では、何と原発を62基に増やして原子力を42%にしていると言います。
世耕 これが民主党政権下で作られたエネルギー計画であります。もちろん震災前ということになりますね。
片山 それを前倒したことが変更というのなら、原子力は42%から35%に減り、火力が増える。つまり、環境問題が犠牲になるか。つまり、鳩山プランと言われている2020年でCO2をマイナス25%、減らすというプランをあなたは6月1日の国会答弁で引き続きやると言っているんです。
世耕 これも矛盾をしてきます。
片山 そのためには、2020年でゼロエミッションと言われている再生可能エネルギーと原子力の合計を5割以上にしなくちゃいけない。原発は増えるんですよ。それを今からストレステストをやって、どれができる、どれができないの話をして、どうやってここにつなげられるのか、全く道筋が見えません。
世耕 菅内閣あるいは菅内閣が引き継いでいる鳩山内閣の決めていることが全部矛盾をしている、数字に全く整合性がないということを片山さんは追及しています。
片山 私が思うには、今この時点であなたはこのエネルギー基本計画は直ちに閣議を開いて廃止すべきですよ。だって、今、19基しか動いていないんですよ。それが62基ですよ。廃止するのかしないのか、お答えください。
世耕 このエネルギー基本計画、菅内閣が震災前に決定したものですが、その決定をまだ取り下げていません。そのまま再生可能エネルギーを20%という机上の空論を言っていることになります。
菅 エネルギー基本計画は御承知のように三年に一度改正されているものでありまして、これまでの法律ではエネル ギー庁が中心になって立案をいたしております。今回の事故が起きた段階で、私は、その中に、2030年には、この資料にもありますように、電力の中に占める原子力の割合を53%にするとなっているのは、これはもう一度白紙から見直す必要があるであろう、そういうことを申し上げ、現在、それを白紙に戻すことを前提にして議論を始めております。
その中で私が特に重視したのは、再生可能な自然エネルギーと同時に省エネルギーというものも、まあマイナスの意味ではありますけれども、つまりは、使う量そのものを減らすわけでありますから、ある意味での、エネルギーをポジティブに生み出すのと同じ意味を持つという意味で、その二つの柱をもっと積極的に進めるべきだということを言ってまいりました。
そういった意味で、今廃止をしろと言われましたけれども、エネルギー基本計画を廃止をしろと言われましたけれども、基本的には白紙の立場でこれからのエネルギー計画を検討を始めているところであります。その中で、今、化石燃料についてもお触れになりました。私も今経産省に、例えば一般的火力発電所で余力がどの程度あるのか、あるいは自家発電所がどの程度更に稼働が可能なのかというチェックをするように指示をいたしております。
世耕 しかし、火力発電も使うと、今度は菅さんが引き継ぐと言っている2020年CO2 25%削減は完全にできなくなるわけですね。全く矛盾する答弁を先ほどから繰り返しています。また、再生エネルギーと省エネだけで、これから止まっていく原発のカバーをすること、これも完全に無理です。
菅 私も、ある段階では不足分について化石燃料に今よりも依存をしなければいけない時期は来るのではないかと思っておりますが、将来的に今申し上げたようないわゆる再生可能エネルギーと省エネルギーのウエートを高めていくと、そういう方向で進めていくべきだと考えております。
片山 菅総理及びブレーンの方々のエネルギー迷走発言というのがここにあるんですけれども、今や菅総理の唯一の経済界におけるお友達と言われているソフトバンクの孫社長ですが、「休耕田の2割に太陽光パネルを設置すれば原発50基分、再生可能エネルギー全量を20年、40円キロワットで買い取るべし」と。
世耕 これ、食糧自給はどうするんでしょうね、このまま休耕田を太陽光パネルの置き場所にしてですね。
片山 この二点について、政府の見解、そして今朝のあなたの発言と大きな矛盾があります。
政府の見解、この配付資料に取ってあります。「休耕田の2割に太陽光パネルを全部設置しても、太陽光パネルは一日に3時間しか起動しないから原発5基分にしかすぎない」。まあ、あなたが閣議決定したこの計画においても、ほとんど原発の割合を3割にするか4割にするかの差しかないわけですから、もうそれは言わずもがなですが。
そして、「再生可能エネルギーの全量を40円で20年間買い取るべし」。こんなことをしたら、ノーリスク・ハイリターンのすごい利権商売ですよね。
世耕 ってことになりますよね。
片山 でも、あなたは、価格について質問をされて、こう答えています。「価格は、これから再生可能エネルギーは劇的に下がる」。劇的に下がるものをどうやって20年間40円で買い取るんですか。
世耕 (笑)本当にその通りです。指摘の通りですね。大きな矛盾です。
片山 そして、あなたは、「経済界にコストが上がるのではないかという見方もあるけれども、化石燃料のコストも上がっており、今回の事故で原子力に対するコストも間違いなく大きく上がる、将来に向かってコストが下がっていくこの再生可能エネルギーを促進する法律は極めて重要」。
自民党も再生可能エネルギーの買取り、これはマニフェストに入れています。あとは、鉄鋼や電炉や、どうしてもこれでは国際競争に勝てない、そういう産業にどういう手当てをするか。
世耕 片山さんはともかく今回の質問通告は菅総理プラス東電の会長だけに絞っています。ですから、菅さんは基本的に他の大臣に振って逃げることはできません。
片山 そして、電力料金が上がるということは非常に逆進的です。一番つましい、一番お金のない家庭にきついんです。それをどうするか。そういった問題が多々あるんですが、このソフトバンクの孫社長の言っていることをほとんどうのみにして、たくさんの県知事たちが、自分のところに太陽光パネルをただで敷いてもらえる、そうすれば原発を止めても大丈夫だと言っている方がいます。
ここでしっかり訂正してください。政府の見解が5基分しかないのですから、このソフトバンク孫社長のおっしゃっていることは成り立たないと言っていただきたい。そして、もう一つ。太陽光パネルは圧倒的に中国が強いんです。半分から8割の市場を持っています。
世耕 そうなんです。効率のいいものは日本製ということになりますが、安いもの、効率の悪いものということになると中国製が非常に多くなるということが言われています。
片山 ドイツでも太陽光パネルは半分以上が中国産で、 国内雇用に何の役にも立っていないと批判が立っています。これから太陽光パネルを一千万戸に増やす、それがあなたの5月25日の公約です。そのためには大型に輸入をしなければいけません。国産は300万キロワットしかありません。無理なんですよ。
まるで、あなたの太陽光発電強化作戦というのは中国と韓国に補助金を出しているようなものじゃないですか。お答えください。
世耕 これはすごく重要な指摘です。太陽光パネルの議論をしていく上では、この観点を見失ってはいけません。非常に重要な指摘です。
菅 まず、民間の皆さんからいろいろな提案が出ているというのは、私もあちらこちらから話を聞いております。
世耕 よく言いますよねえ。イベントに一緒に並んで出てたじゃないですか。他人事のように言ってますが、あのニタニタして「私の顔を見たくなければ再生エネルギー法を通せ」と言ったあのイベントは何だったんでしょうか。
菅 しかし、その中身について、例えば幾ら幾らで買い上げる云々ということを私が申し上げているわけではありません。そういった意味で、何か私がそれを正しいとか正しくないと言う立場にあるとは思いません。
それから、1000万戸の設置ということは、エネルギー基本計画の中で、元々のですよ、この震災前のエネルギー基本計画の中で、2030年に再生可能エネルギーを20%にするという目標が入っておりました。それを十年前倒しにしていこうということを私が提起をいたしておりまして、その元々2030年に予定されていた中の、経産省が試算したものの中に、100万戸の住宅に4キロワットか5キロワット程度の家庭用の太陽パネルを設置することなどを含めて、本来は2030年の20%でありましたが、それを前倒しして、2020年の20%に再生可能エネルギーで実現をすると、そういう経産省の試算に基づくものを国際会議でも一つの例示として申し上げたところであります。
世耕 これも全然答えてないですね。だらだらと違うことの説明を続けています。片山さんが聞いてることと全く違いますね。