朝鮮学校無償化 平成22年10月21日 参院文教科学委員会 義家弘介氏の質問 |
「選挙に負けない範囲で国家解体を主張する」
朝鮮学校を高校授業料無償化の対象にするかどうかについて、国会会議録の抜粋の続きです。昨年10月21日、参議院文教科学委員会で自民党の義家弘介議員がこの問題を取り上げています。朝鮮学校を無償化の対象に含めるかどうかの政府の検討委員会を公開するしないで、延々と押し問答が続きます。全部で1時間あまりの質疑で、エントリは6つに分かれますが、5にショッキングな内容の朝鮮総連内部文書が出てきます。
動画:http://www.youtube.com/watch?v=F9ShCLWDhx4
質問 義家弘介氏
答弁 高木義明文部科学大臣
鈴木寛文部科学副大臣
義家 自由民主党、義家弘介です。今日はどうぞよろしくお願いいたします。まず冒頭にお聞きしたいことは、文部科学大臣が代わりまして、高木大臣体制で新たなる出発をしたわけですけれども、実はこの間多くの積み残しを文部科学行政は残しておると我々は認識しています。「この件については検討します」と宙に浮いている様々な懸案について、どんなことが今後議論していくものだと引き継いでおられるか、大臣、お答え下さい。
高木文科大臣 私が就任いたしましてまず感じたことは、昨年の政権交代以来、様々な改革の歩みをスタートさせております。例えば、子供たち、親の所得や経済状況にかかわらず教育をする権利を確保する、そういう意味での負担軽減の課題、あるいはまたその中での朝鮮学校の対応をどうしていくのかという課題、あるいはまた科学技術振興に対するテーマ、また子供たちの支援のための幼保一体化の問題等々、様々な課題がございます。
もちろん、来年度からいわゆる教員の質と数の拡充という計画も実行段階にございますが、その多くは、検討課題やあるいは中央教育審議会等、専門家の皆さん方に議論をしていただくテーマがたくさんございます。
菅内閣総理大臣は実行内閣だと言っておりますが、まさにその言葉どおり、これまで各分野で検討をされ、そして調査をされたことについて、私が一つ一つ実を結ぶようなそういう、もちろん予算の確保を含めて、このことが私のまずは使命の一つではないかと、このように思っております。
義家 非常に大ざっぱな抽象的な質問をしましたが、実は一つ一つ本日それを確認させていただきたいという思いで冒頭そういう発言をさせていただきました。
実は、この文部科学問題だけではなくて、もろもろの問題が昨年の政権交代から次々に起こっているわけですが、私は、その問題を見るにつけ、戦後間もなくの日本共産党の衆議院議員だった志賀義雄氏の1952年、昭和27年の発言、これを思い出してしまいます。
何も武装闘争などする必要はない。共産党が作った教科書で社会主義革命を信奉する日教組の教師がみっちりと反日教育を施せば、三、四十年後にはその青少年が日本の支配者となり、指導者になる。教育で共産主義革命は達成できる。
実はこれ初めて読んだときちょっと、日教組の実態もよく知っていましたから、何だかぞっとしたわけですけれども、いやいや、しかし国会はそんな簡単にはいかないだろうと思って、政権交代しましたら、まさにこの方向に進んでおるなという、すごくぞっとしたことを感じているわけですが。
今日、鈴木寛文部科学副大臣も出ていますが、例えば、今年の2月14日に友愛公共フォーラムなんというシンポジウムが行われた。そのときの発言なんかも私はぞっとしたわけですけど、鈴木副大臣は出席なさっておりましたが。
平田オリザ氏。ずっと10月以来政権にかかわってきて、鳩山さんともお話をしているのは、やはり21世紀というのは近代国家をどういうふうに解体していくかという100年になる。しかし、政治家は国家を扱っているわけですから国家を解体するなんてなかなか言えないわけで、選挙に負けない範囲でそれをどういうふうに表現していくかということが僕の立場だと。
当時の松井内閣官房副長官。要は、今、平田さんがおっしゃったように、主権国家が国際社会とか地域の政府連合に自分たちの権限を委託するという流れ、流れとしてはそういう姿になっているし、そうしないと問題は解決しない問題がたくさん広がっていると。
一体、この民主党内閣は何を目指しているのかということで、私、このフォーラムの模様を撮ったものも何度も何度も見直していますが、そのたびに自民党が今しっかりしなければ大変な方向にこの国が行ってしまうという思いを強くしていますが、このとき鈴木寛文部科学副大臣、発言していますよね。そのときの発言覚えていらっしゃいますか。
鈴木文部科学副大臣 そんなに記憶力のいい方ではありませんので覚えておりませんけれども、今のお話は特段、何というんでしょうか、義家委員のような受け止められ方でびっくりされる話じゃなくて、例えばEUというのができております。それから、民主党は日本国教育基本法案をつくるときに、物質至上主義の文明から物以外の心や情報や文化、こうしたことを大事にする、そうした知識文明をつくっていく、こうした方向を目指すということは国会の法案提出理由のところでも申し上げさせていただきまして、そのような歴史的な状況に入っているというふうに思っております。
まさに、1989年にベルリンの壁が崩壊をしたし、それまでの右だ左だというイデオロギー論争からどう脱却していくのか、そして本当に自由な市民、国民 によって構成される民主主義というものを構築していくと、それが世界の今の流れでございまして、そうしたことの流れの中にあるというふうに考えております、というようなことを議論したフォーラムだったというふうには記憶をいたしておりますが、私の個別の発言については覚えておりません。
義家 このときは、はっきりというか間接的にというか、こういう国家解体というものを言ってしまうということはすごいことなんだというような発言があったわけですけれども、まず国という土台があって、領土、主権、そして国民の生命と財産を守るという土台があり、その土台を守るためにどのような教育をし、という前提がなければ、あらゆることが瓦礫のように私は崩壊していってしまうと思っています。だからこそ、一つ一つの、先ほどイデオロギーの問題を超えてと言いましたが、民主党なんかは一部の議員は完全にイデオロギーの部分に縛られてしまっていると。我々は逆に、イデオロギー的に不自由な立場にいらっしゃる先生方が様々な発言をしておられるなと思いながら見ていますけれども。
今日はまず冒頭に、高校無償化法案における朝鮮学校の取扱い、朝鮮高校の取扱いについて、先ほど水落先生の方から質問がありましたが、私はあのような答弁では納得できませんので、丁寧に一個ずつ確認してまいりますけれども、まず検討会議の議事録、つまり検討会議で一体何を議論したのかということ、それについてであります。
高等学校就学支援金の支給に関する検討会議、これは実質的にはこの会議の内容は、対象となっているのはもう一つしかありませんからね、朝鮮学校を高校授業料の無償化の対象とするかどうかというために設置されて議論してきた会議だったわけですが、一切、現在までどのような具体的案件がどのように語られたかということも含めて非公開であります。そして、一般的、抽象的な判断基準を示すにとどまりました。
9月7日、9月8日、衆参の両院で閉会中審査行いましたが、もしもあのままの流れで行ったら、国会の中でさえその基準がどうだったのか、どのような経緯でそのような決断に至ったのかということが全く明らかにされないまま流れていったことであろうと思っていますが、一方で取り上げながらその議事を提出を求めましたが、後刻理事会でのまま、そのままストップしているわけです。
そこで、まず結論、判断基準が公正妥当でなければその後の手続を踏むべきではないと我々は考えています。検討会議の基準の結論は出たというわけですから、少なくとも議事録は現時点では公開できるのではないかと我々は考えておりますが、大臣、お答えください。
高木 これは御承知のとおり、検討会議におきましては、基準等に関する報告は取りまとめていただいておりますが、引き続き同会議で文部科学大臣が定める基準に基づく審査を行っていただく可能性もございます。したがって、同会議の仕事がすべて終了したわけではありませんので、現時点では議事要旨及び会議資料の公開は行えないものにしたものであります。この議事要旨や会議資料については、基準に基づく審査を終了し、指定についての決定が行われた段階で公開することを予定をしております。
なお、このような取扱いをいたしましたのは、検討会議において委員の自由闊達な議論、また専門的な議論、これが確保されるように、外部からの働きかけがない静かな環境で議論をした方がいいと、こういうことでございまして、会議の検討が取りまとまった後に要旨を公開するということが、これは第一回の会合で決められております。
なお、氏名の公表についても御指摘が先ほどからもございましたけれども、これについても同趣旨によって、最終的には検討が取りまとまって、そして指定が行われた段階で公にするということでございます。
義家 判断基準は出したわけです。その判断基準を出した流れの議事、中身を公開しなければ、本来議論にはならないと私は思います。どうしてそういう判断基準が出たのかというその中身がないで、こういう判断基準です、あとは公開しません、あとは我々、文部科学大臣が最終的には決めます、民主党の部門会議ではおおむね了承されました。これは国民への冒涜だと私は思いますよ。
大臣は、この議事録、読まれましたか。
高木 議事録は読んでおりますが、まだ民主党の方でも、合同部門会議では取りまとめをいたしております、しかし政調会議の中で最終的にはまだ、今の時点では決まっていないものと思っておりますので、そういうことで、私も(続く)