来年度予算を補正に突っ込め 平成22年11月18日 参議院予算委員会 林芳正氏 6 |
最初にお詫び申し上げます。林芳正氏の昨年11月18日の質疑の模様を続けて掲載しておりますが、その中で、蓮舫大臣のお名前を不適切に表記しておりました。
いやあ、今の今まで、「蓮舫」でフルネームだと思っていたんですよね。一文字ずつ姓と名なのかと。で、「蓮行政刷新担当大臣」などという書き方をしてしまったのですが、ファーストネームだけで登録している国会議員もいらっしゃるとは全然知らず…とか言う以前の問題として、単に筆者が疎かっただけでした。
いやー、恥ずかしい。
蓮舫大臣にはこの場を借りてお詫びします。前エントリまでのお名前の表記は直しておきました。
さて。
『WILL』の先月号(9月号)と今月号(10月号)に連続で現役官僚匿名座談会が載っています。先月号はすでに処分してしまって手元にないので、孫引きですが、ぼやきくっくりさんのサイトから一部引用します。強調部分は一箇所を除き、ぼやきくっくりさんによるものです。ぼやきくっくりさんのサイトにはこの前後の部分も出ています。
引用ここから<<<<
厚労 税と社会保障の一体改革も含めて、国会答弁があまりにひどい。こんな答弁がよく通るなあと思った。自公政権でこんな答弁したら大問題になっていただろうという場面が何度もあった。たしかに、前政権でも誇張表現は数週間に一度はありました。ところが民主は、一日に複数回ある。嘘も平気でつく(この強調のみブログ筆者)。
−−7月14日の政府の社会保障改革に関する集中検討会議後の懇談会で、菅総理は「政治家は何を言っても信用されない。特に私は口下手で信用されていない」とぼやいたそうですが、信じられるわけがない(笑)。
内閣 官僚の9割は、「自分たちは自公政権時代と変わらず答弁をつくっているけど、つくるのがバカバカしい」と言うはずだから。
財務 皆、真面目だから意味がないとわかっていてもつくる。菅さんが財務相に就任した時は、前職の同僚から「どうせ見ないから引き継ぎ書も説明書も要らないよ」と言われていたけど、担当者は深夜までかかって作成していたようです。結局、無駄でしたが(笑)。
内閣 閣僚がつくったものとは違う虚偽答弁をしまくるんですから。メディアも少しは霞が関の役人に取材して、真面目な番組づくりをしてほしいですよね。
>>>>>引用ここまで
前エントリの蓮舫大臣の答弁や、このエントリから始まる岡崎トミ子国家公安委員長の答弁は、誰がどのように準備したのでしょうねー。
動画:http://www.youtube.com/watch?v=XSiBhV3K7eg
質問 林芳正氏(自民党)
答弁 細川律夫厚生労働大臣
蓮舫行政刷新担当大臣
野田佳彦財務大臣
アナウンサー 国会中継です。この時間は午前に引き続き、参議院予算委員会の質疑の模様を中継でお伝えします。今日は菅総理大臣とすべての閣僚が出席して審議が行われています。
委員長 ただいまから予算委員会を再開いたします。
アナウンサー 予算委員長は、前田武志さんです。
委員長 休憩前に引き続き、平成22年度補正予算三案を一括して議題といたします。
この際、午前の林芳正委員の質疑に関し、大臣から発言を求められておりますので、これを許します。細川厚生労働大臣。
出資金の件の説明と謝罪
細川厚生労働大臣 今回の国立がん研究センターの出資金は、築30年の現在あります研究センターを改築をして、がんその他の悪性新生物といった制圧すべき疾患のための研究等の更なる推進を図るための研究施設の整備を行うものでございます。
なお、出資金は財政基盤の強化に充てられるものでございます。先ほどの蓮舫大臣の答弁は、結果として施設整備や医療機器の購入に充てられるという趣旨のものでございます。
以上でございます。
委員長 蓮舫国務大臣。
蓮舫行政刷新担当大臣 先ほどの機器整備との発言は、まず一番最初に撤回をして、心から謝罪を申し上げたいと思っています。
その上で、今回の補正予算、特に独立行政法人の制度改革を担っているものですから、そことの齟齬が生じないように、私の立場でしっかりとチェックをしてきているものでございます。
委員長 野田財務大臣。
野田 私の方からは、ちょっと事業仕分と予算編成のその整理を少しお話をさせていただきたいと思いますけれども、事業仕分担当する行政刷新担当大臣含めて、それから私、それから官房長官、経済財政担当大臣あるいは国家戦略担当大臣で予算編成の基本方針を決める予算編成閣僚委員会というのがございます。そういう中で、事業仕分を担当されている大臣からもいろんなお知恵を出していただきながら予算編成をしていく、その結果を23年度の編成に取り入れていくと、そういういわゆる整理をして作業をしているということでございます。
委員長 それでは、質疑を行います。林芳正君。
アナウンサー 午後最初は、自由民主党、林芳正さんの関連質問です。
林 午前中ちょっとテレビ中継が途中で切れてしまいましたので、見ておられる方が少し見られなかったところがありますが、今、蓮舫大臣に謝罪をいただきました。最初は、この出資金は器材を買うものなので、きちっとチェックをしてこれは間違いないということをおっしゃっておられたので、今それを訂正、謝罪をされたということであります。また、先ほどの細川大臣の答弁も、多分この二つ下の医療研究センター設備整備費とちょっとごっちゃになったのかなと思いますが、築30年の建物を建て替える費用のための出資金だというのが132億円ということで、全く違っていたと。
先ほど質問の通告が細かくなかったというふうにおっしゃられたわけですが、私、この一覧表をお渡ししてあります。この中身について、それぞれどの大臣にお聞きしますよということははっきり、しかも、宴会終わって11時とかじゃなくて、5時に皆さんの部下の方の気持ちも考えてお渡ししてあるんですよ。ですから、きちっと大臣が答弁を責任持ってやってもらえるようにお願いをしておきたいと、こういうふうに思います。
高齢者の医療費負担軽減措置の継続が円高・デフレ緊急経済対策?
そこで、せっかく細川大臣にも出てきていただきましたから、元々お聞きをしようと思っていたこの高齢者医療円滑運営対策費、これはどういう予算かというふうに思って説明を読んでみますと、高齢者の負担軽減措置を23年度も継続するため、保険者等が設置した基金にお金を入れると、こう書いてありますから、これはまさに緊急経済対策ではなくて、来年度、すなわち23年度の当初予算に入れるべき経費だと思いますが、いかがですか。
細川 今質問のありました高齢者医療円滑運営対策費というのは、これ高齢者医療制度におきます低所得者の保険料の軽減や、法律では70歳から74歳までの窓口の患者負担、これを2割から1割に来年度も継続をするものでございます。そういう意味では来年度の予算ということになりますけれども、しかし、広域連合とか、あるいは保険者の方で年度内に予算でこれは決めなければいけないと、来年の保険料の料率の方はですね。そういう意味では、予算が決まってないとそういうことができませんので、したがって、今度のこの財源を確定をするために今回の補正予算に計上したものでございます。
これは、これまでも、自民党政権の中でもこういうことは計上もされておったところでございますが、この保険料、患者負担を軽減するということは、これは国民の皆さんが安心して暮らすという、そういう意味の社会保障の強化を通じて景気の回復につながる対応でありまして、緊急経済対策の柱であります、これは子育て、医療・介護・福祉と、これは今度の緊急経済対策の柱でございまして、国民生活の安定、安心に役立つ施策の一つだと考えております。
林 これがどういうふうに使われるかの使途についていい悪いを言っていません。23年度も継続するためと、そしてまさに大臣が今おっしゃったように、4月から使うお金でありまして、円高・デフレ対策のための緊急経済対策ではないんじゃないですかと。しかも、財源がとおっしゃいましたけれども、来年度の予算を今年度中に編成して12月中に確定させればできるんじゃありませんか。
細川 国の予算というのは、来年の通常国会に提案をされまして、予算が成立するのは3月の末かどうかと思いますけれども、しかし地方議会などは、2月議会などでその前に議会が開かれて、そこでその決定もしなければいけないということもありまして、したがって、そこで国の方の財源がしっかり決まってないと、それは地方議会の方もできないと。(会場ざわざわ)こういうことで、これまでも例年どおり、以前の政権からもこの補正予算に組み込まれて議決をしていると、こういうことでございまして、経済対策の趣旨としては先ほど申し上げたとおりでございます。
林 この補正には実は、経済対策以外のその他のところというのがちゃんと1800億、後から言おうと思っていた国際連合平和とかKEDOとかクメール・ルージュというのは、正直にその他の所要というふうになっているんですよ。今大臣がおっしゃったやつは、いろいろ理由はあるかもしれない。ちょっとおかしいと思いましたけれども。しかし、経済対策に入れずになぜその他の方に入れてないんですか。
細川 だから、先ほども申し上げましたように、この保険料あるいは患者負担の軽減をするということによって国民の皆さんが安心をして暮らすことができる、こういう社会保障の強化をして、そのことが景気の回復にもつながる対応と、こういうことでございまして、したがって、この今回の緊急経済対策の柱として、先ほども申し上げましたように、子育て、医療・介護・福祉というのが入っておりまして、そこに予算を計上することによって、ここで国民生活の安定、安心に役立つ政策だと、このように申し上げているところでございます。
林 もう答弁を聞いてて気の毒になってきたんで(会場笑)、もう言いません。これが緊急経済対策、円高・デフレ対応ということになるのは、仙谷長官は法律お詳しいかもしれませんが、相当因果関係というのがあって、どこまで行ったらそこになるのかというのは、絶対景気対策にならないとは言いません、お金使うんですからね。ですけれども、ここに計上するのはいかがかなということを言っておきます。
「魅力ある観光地づくり推進による円高・デフレ対策」の中味
同じようなことが、岡崎大臣にお伺いしたいんですが、この治安水準の更なる向上のための初動警察体制整備費と、こういうのが入っておりまして、これがどこに計上されているかといいますと、魅力ある観光地づくり推進・国内旅行活性化対策費で84億、上記の追加額は、安心・安全で魅力的な観光地づくりの推進、国内旅行の活性化のために必要な経費であって、その内訳は次のとおりであるといって出てくるのがこの69億なんですね。ですから、観光の84億のうち69億は警察の体制整備費。あと、外国人旅行費、観光地公共交通グリーン化、国内観光活性化緊急対策、沖縄観光力強化緊急対策、幾らぐらいあるかというと、5億、4億5千、3億9千2百万、1億7千万。
69億がほとんどでございまして、車両や航空機、船舶の整備をするというようなものが中心になっておりますが、これが観光にどういうふうに資するのか、円高・デフレにどういうふうに効くのか、岡崎大臣の見解を求めます。
岡崎国家公安委員長 林委員にお答えいたします。
魅力ある観光地づくりを推進する上で、安全、安心な町づくりを進めることが不可欠であると考えております。そこで、今回の補正予算では、事件、事故が発生したときに警察の活動を迅速かつ的確に行うことができるようにするために、初動警察体制の整備に必要な経費を魅力ある観光地づくり推進・国内旅行活性化対策費に計上したところでございます。
なお、観光地を始め、我が国全体の治安水準を向上していくということのためには、観光地としての我が国の魅力ある、そうした向上につながるというふうに私は考えているところでございます。(会場ざわざわ)
そして、最近の治安情勢でありますけれども、刑法犯認知件数が減少するなど改善しつつありますけれども、子供と女性に対する事件ですとかサイバー犯罪がどんどん増加していくこと、あるいは犯罪がグローバル化していくという新しい現象、新しい脅威にぶつかっているということがありまして、やはり依然として治安情勢厳しいものがあるというふうに考えておりまして、こうした状況を踏まえて、平成23年度の概算要求・要望において要望していた事項を一部前倒しをしまして、これはもう既に、早急に私たちはこの体制を整えていかなければいけない、二年前から取り組んでいるものですけれども、初動警察体制を整備するというところで補正予算の趣旨にかなうものというふうに考えているわけでございます。
また、今回の補正予算で計上している内容、今、林委員がおっしゃったように、警察車両ですとか航空機ですとか船舶ですとか、資機材の整備に要する経費になっておりまして、こうした物品を調達することによって所要の創出効果があるものと認識しておりまして、犯罪のない安全、安心な町づくりは安定した雇用の前提となる社会環境の実現に資するものであることから、治安対策を進めることは経済対策という面からも一定の効果があると考えております。
林 大変よく分かりました、読んでおられるということがですね。
今おっしゃったように、23年度に要求していたものをこれに前倒しされたと、大変正直におっしゃっていただいた。元々これは、この補正で緊急経済対策でやるものではなくて、23年度の当初できちっと警察の体制整備として要求するものだったということを自ら大臣がお認めになっていただきまして、ありがとうございました。
観光に資するということがございましたが、では、この施設、警察用車両とか航空機とか船舶の整備をするのはどういうところ、すなわち観光地というのはどういうところでございますか、全国じゃなくて。地域的にはちゃんと限定がありますか。
岡崎 先ほどもお答えいたしましたけれども、警察の車両ですとかヘリコプターあるいは船舶ということなんですけれども、初動捜査が必要であるというのは、人の命が本当に救われなかったことが二年前の事故で起きまして、警察(続く)