箇所付け問題 1 平成22年2月5日 衆議院予算委員会 石破茂氏 |
「石破先生の講義」の動画とそれに対応する会議録テキストを順番にご紹介したいと思います。ものは昨年2月、まだ鳩山内閣の頃です。政権交代から今まで、次から次へと本当に色々ありましたね……。
「権力をもてあそんだ者は必ずその報いを受ける」
再生リスト:http://www.youtube.com/playlist?list=PL2323B2FAD3566F70
動画:http://www.youtube.com/watch?v=DdhCy2YQpe0
(長さ14分23秒)
質問 石破茂氏(自民党)
答弁 平野博文内閣官房長官
前原誠司国土交通大臣
鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。この際、お諮りいたします。最高裁判所事務総局戸倉総務局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
(会場「異議なし」)
鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
質疑を続行いたします。石破君。
石破 自由民主党の石破であります。
まず最初に、私のスタンスを申し上げておきます。
先の総選挙で自由民主党は敗北をいたしました。
鹿野委員長 ちょっとちょっと、石破君、ちょっとお待ち下さい。ちょっとお座り下さい。
石破 はい、はい。
鹿野委員長 この際、石破茂君から関連質疑の申し出がありますので(会場笑)金子君の持ち時間の範囲内でこれを許します。石破茂君。
石破 自由民主党の石破であります。
まず最初に、私のスタンスを申し上げておきます。
昨年の総選挙で自由民主党は敗北をいたしました。
厳粛な事実であり、政権交代が実現をいたしました。
これは、なぜそのようなことが起こったか。民主党の勝利であると同時に、自民党の敗北であったと私は思っております。
私たちは、相手を批判するばかりではだめだ、そのように思います。そして、今何が一番問題かといえば、内閣の支持率も下落をしている、そしてまた民主党の支持率も下落をしている、しかしながら自民党の支持率がそれにかわるものとして上がっていない、そこが極めて問題だ、私はそう思います。
参議院選挙で、三年前、我々は厳しい警告を国民からいただいたと思っています。それに十分こたえることができなかった。たび重なる総理の交代、閣僚の交代、あるいは政策提示のまずさ、苦しい人、困っている人に対する思いやりの欠如、そういうものが自民党的なるものとして国民から審判を受けたのだ、私はそう思っております。
我々自由民主党は、批判をするだけではない。では、おまえたちはどうなんだ、必ずそう言われることがよくわかっています。私たちは、闘わねばならないものが二つある。一つは、権力をもてあそび、そしてまた、みずからのために権力を利用しようとする、そういう勢力とは断固として闘わねばならない。あわせて、我々は国民から拒絶された古い自由民主党とも闘っていかねばならない、そのことはよくわかっております。
私はそのスタンスに立って質問をしたい、このように思っております。
政治家の役割というのは何なんでしょうか。勇気と真心を持って真実を語る、私はそれが政治家の役割だと思っている。真実を語らねばならない、それを語る勇気と真心を持たねばならない、きょう一日自分がそうであったか、そういう自問自答はいつもしなければならない、そうでないとわかったならば、一日も早く政治家なんぞやめるべきだ、私はそう思ってやってまいりました。
私はこう思うんです。権力をもてあそんだ者は必ずその報いを受ける、そしてまた、安全保障をもてあそんだ者は必ずその報いを受ける、財政をもてあそんだ者は必ずその報いを受ける、国民の心をもてあそんだ者は必ずその報いを受ける、政治はそうあってはならない、そのように考えております。
質問の順番を変えます。
まず、お尋ねします。
国の形とはどうあるべきだろうか、午前中の金子委員の質疑を聞いていて私は本当にそう思いました。国会とは何だろうか、行政とは何だろうか。予算の審議 に入る前に、仮内示、あるいは仮決定。言葉は何でもいいです。内示じゃないというふうにおっしゃるのでしょう。言葉はどうでもよろしい。仮配分、いろいろな言葉はありますよ。内示じゃないと。
これは、金子委員から、その資料をこの委員会に出してくれというお願いをしました。それにこたえられるかどうか、官房長官、お答えください。
平野官房長官 委員にお答えをいたします。
委員会の理事会で御議論いただきたいと思います。(会場騒然)
石破 あなたに聞いているんです。あなたは出す用意があるかないかということを聞いているんです。
平野 理事会の結論をお待ちいたします。(会場騒然)
石破 余りいいかげんなことを言わないでもらいたい。
国会で審議が始まる前に、これは仮配分であると。仮配分でもだめですよ、このようなもの。仮配分だからよいというものじゃないでしょう。そういうものが出るということ自体が極めて問題である。私の鳥取県でもそのようなことがあった。そのものの資料も私は持っています。その現物がどのようなものであるのかということについて、内閣の中で精査をし、処分も含めて検討するというお話でした。
いいですか。これは国会を無視している、そういうことなんです。この国会にそれをきちんと出さないで、何で予算の審議なんかできるんですか。国会を無視したということではないですか。これはよかったことだ、これからもどんどんやるんだ、それが政治主導だ。これが国会無視でなくて何ですか。憲法無視でなくて何ですか。権力を持ったとしたら何をやってもいい、そういうものじゃないでしょう。この場に出してください。
前原国土交通大臣 金子前大臣にお答えした中身と同じで恐縮でございますが、民主党に伝えた仮配分は、検討作業段階のものを一たん整理したものにすぎません。当該情報が地方公共団体に対してその意味が正確に伝達される前に公になると、誤解等を招くなどにより、国と地方公共団体との間の率直な意見交換が損なわれるおそれがあります。今後、負担をいただく地方公共団体との調整を行っていく必要があることから、提出は差し控えた いと思います。
なお、一つだけ。党との調整はいたしました。それが県連を通じて流れたということについては極めて遺憾だと思っております。
石破 極めて遺憾だと、今、前原さんは言いました。前原さんは、正直で誠実で、個人的には私は信頼する友人であります。あの彼が遺憾だということをおっしゃいました。このようなことがあるべきではないということをおっしゃいました。だとするならば、これが一体どういうものであったのかということが出されないで、何で審議ができるのか。お答えいただけない限り、この審議は続行いたしません。
鹿野委員長 石破君に申し上げます。
昨日におきまして、平野官房長官からこの問題につきまして、今後、事実関係を十分精査の上、内閣においてしかるべき処分を含めて対処させていただきます、こういうことでございますので、そのようなことで、質疑を続行してください。
石破 委員長、それは、二十数年前、政治改革をともに闘ってきた同志であった鹿野先生のお言葉とはとても思えない。
私は、この国会に対してどうなんですかということを申し上げているんです。国会に対して出すべきだということを申し上げている。国会に対してそれで責任を果たしたというふうに平野さんは思っているか。
平野 何回も申し上げておりますが、今回の事案については、誤解を招く発言があったということで、申しわけないということを昨日の理事会並びに委員会冒頭で私はおわびを申し上げました。その上で、今後、その事実関係を十分に私は精査をして、それについての対応 を考えます、こういうことを申し上げました。
石破 誤解を招くのは地方に対してだとおっしゃいました。私は、国会に対してどうなんだということを申し上げているんです。
国会に対してどうなんだ。国会を無視したということについてどう考えるのか、そのことについての意識はどうですか。
平野 きのう、委員会の冒頭に、委員長を初め、理事、委員の皆さんに、迷惑をかけました、誤解を与えましたということで陳謝をしたことですから、国会に対して私は陳謝をしたわけであります。(会場騒然)
石破 とても理解ができません。
鹿野委員長 では、速記をとめてください。
(野党側理事たちが委員長席の周りに集まる。与党側理事も出て協議。動画はこの間2倍速)
(理事たちが戻る。)
鹿野委員長 速記を起こしてください。
それでは、石破君、もう一度。
石破 では、もう一度お尋ねします。
この基本的質疑の間に資料を出していただけますか。
国会に対しておわびをするというふうにおっしゃいました。そうであるならば、それがどういうことであるのか。おわびして済むんだったら、世の中に警察も何にも要らないんだ。何があったのかということを、国会に対してわびるからには、これが資料でありますということを提出するのは当然ではないですか。
平野国務大臣 何回も申し上げますが、理事会で出せということであれば、従います。(発言する者あり)
鹿野委員長 速記をとめてください。
(野党側理事たちが委員長席の周りに集まって協議。)
鹿野委員長 速記を起こしてください。
石破君、もう一度どうぞ。
石破 それは今、どんどん審議を進めればいいんだ、続行だというようなお話がありますよ。本当にそうですか。これは審議の前提だ、前提として申し上げているんです、前提として。これをきちんと明らかにしなければならない。
国会に対して申しわけないとおっしゃった。そうだとすれば、どういうことなのか。国民の代表たる国会に対しておわびをしたというふうにおっしゃいましたね。そうだとするならば、これがどういうことであったのか、今後このようなことがあるのかないのか、どういうような問題であったかということを明らかにしないと。国会を余り軽視してはいけませんよ。国会無視じゃないですか。そのことについてどう考えるのか。
平野 先輩の石破先生にこういうことを言っては大変申しわけなく思いますが、私は、きのう委員会冒頭に、誤解を招いて、そういうことで混乱をしたということについてまず(会場騒然)陳謝をしました。この事実関係については十分精査をさせていただきます、その後私どもとして対処をいたします、処分のことを含めてと、こういうふうに申し上げたところでございます。
石破 だれが、どう誤解をしたんですか。
平野 誤解を招いたということが、私どもの方から……(石「だれが。だれの誤解を」)
委員会、理事会の方から、そういうことについて、どうするんだということを理事の方から求められましたので、私はそう答えたのでございます。