みんなの党渡辺喜美氏による代表質問 平成23年9月15日 衆議院本会議 |
衛藤副議長 渡辺喜美君。(拍手)
渡辺 みんなの党、渡辺喜美であります。震災、原発、台風の被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧・復興を成し遂げることが政治の務めであります。
朝霞の公務員住宅建設をやめるべきだ
こんな時に、なぜ、総理、朝霞の公務員住宅、着工したんですか。これは、事業仕分けで民主党が凍結をしたものですよ。被災地ではまだ住む家もない。仕事もない。そういう人がたくさんいるんです。公務員住宅が先なんですか。無駄の徹底的な削減というのは、嘘ですか。復興財源を捻出するためにも、朝霞の公務員住宅の工事を中止していただけないでしょうか。(拍手)
天下り法人のからくりはどこまで解明できたのか、壊す覚悟があるのか、12.6兆円のうち、いくらを復興事業に振り向けるのか
みんなの党は、増税の前にやるべきことがあるだろうと、徹底した無駄の削減を掲げています。総理は以前、2万6千人の国家公務員OBが4700の法人に天下りし、年間12.6兆円もの血税が流れている、このからくりを壊さない限り、どんな予算を組んでも経済危機を乗り切ることはできない、と書いたじゃありませんか。最近の論文では、「現状では改革はまだ十分な姿とは言えない」と言い訳をしてる。でも、2年も経過してるんですよ、2年も。このからくりの解明状況とこれを壊す方向性、12.6兆円のうちいくらを復興事業に振り向けるのかについて、総理の覚悟をお伺いを致します。
公務員の再就職斡旋禁止は具体的に何をやるのか、監視委員会をいつまでに立ち上げるか
民主党代表選の政権構想には公務員制度改革の実現、天下りの根絶と掲げていました。でも、所信表明演説では急速にしぼんでいます。これは、「ムダを永遠に生産する仕組み」を見直さないということなんでしょうか。
政権構想には「再就職斡旋禁止の徹底」を掲げていましたが、これは具体的に何をやるのか、再就職等監視委員会の立上げをいつまでにやるのか、お答えください。
高位スタッフ職整備を撤回せよ
「高位スタッフ職を整備する」とも書いてありました。これは、高級窓際局長ポストを作って役所内の天下りをさせるってことですよ。ムダじゃあないんですか。高位スタッフ職の整備、この場で撤回を明言をして頂きたい。
みんなの党・自民党共同提案の法案こそ真の公務員制度改革である
政府提案の公務員制度改革法案は、私が行革大臣の時、民主党も賛成をして成立した「基本法」の思想とは逆方向であります。今の課題は、総理直属の国家戦略局、強力な権限をもった内閣人事局、政治任用を柔軟に行えるよう幹部を特別職とすることであります。政府の法案にはいずれも欠落しています。
みんなの党、自民党の共同提案の国家公務員法改正法案、幹部公務員法案こそ、「基本法」の思想を忠実に反映するものであります。総理は、これらの法案をこの際丸呑みされたらいかがでしょうか。お答え下さい。
財務省の増税路線に乗って復興を遅らせている責任
片山前総務大臣が、「増税プランが固まらなければ第3次補正予算は組めなかった」と語っておられます。財務省路線に乗って補正予算編成を遅らせ、復興が遅れているこの現状への責任、総理はどうお考えでしょうか。
次に、増税によらない復興財源の逆提案をいたします。
議員歳費カット法案
まず、みんなの党は、議員歳費3割、ボーナス5割カット、この法案を提出してまいりました。半年で300万カットの時限法は今月で終わり。復興財源捻出のために、みんなの党は三たび法案を提出をいたしますから、是非これは呑んで下さい。
国家公務員人件費カット法案
更に、国家公務員の総人件費2割カットの法案も再提出をいたします。これも丸呑みをお願いをいたします。いかがでしょう。
国債整理基金特別会計の定率繰り入れ停止で復興財源を捻出せよ
また、国債整理基金特別会計では、今まで11回、合計25兆円の定率繰入れを停止してまいりました。今のような国難の時にこそ、定率繰り入れ停止を決断をし、10兆円以上の財源を捻出すべきと考えますが、いかがでしょうか。
国債の日銀引受けを行うべきだ
復興財源の捻出、デフレ脱却、円高対策、一石三鳥になるのが、国債の日銀引受けであります。1000年に1度の非常事態なのですから、日銀引受けをやって復興財源を捻出すべきではありませんか。
マニフェストどおりに歳入庁を創設して徴収を効率化せよ
次に、税と社会保障の一体改革の中で、消費税を社会保障目的税としたら、一体財政再建はどうなるのでしょうか。国税庁と年金機構の徴収部門の合体を図り、民主党のマニフェストにも書いてある歳入庁を創設をし、徴収の効率化を図るべきではありませんか。
今でも、社会保険料には国税徴収法が適用されるはずであります。法人の納めるべき厚生年金保険料や医療保険料が年間なんと約12兆円も未収になっている。違いますか。
税と社会保障の一体改革で増税する前に衆院解散して民意を問え
また、税と社会保障の一体改革の法案に増税が盛り込まれるならば、法案を国会へ提出する前に、衆議院を解散をすべきです。これを約束して頂けますか。
安住財務相は日銀総裁に大胆な金融緩和を要請すべきである
円高・デフレ対策について、G7では安住大臣が円高の是正について理解を求めましたが、無視されました。(会場笑)各国とも深刻な危機対応で手一杯なのです。円高は日本の金融政策に問題があるからなのですよ。だったらなぜ、隣に座っていた白川総裁に大胆な金融緩和を要請されないのですか。
総合エネルギー調査会を原発続行賛成・反対半々にする鉢呂氏の人事案を踏襲すべきである
鉢呂経済産業大臣の発言は言語道断でありますが、辞任の裏側で囁かれていることは御存知でしょうか。鉢呂前大臣は、総合エネルギー調査会の委員の人選で、当初3名だった脱原発派に9名から10名を加えて、原発続行賛成・反対を半々にする人事案を固めていたそうです。枝野大臣は、その人事案を引き継がれましたか。鉢呂前大臣からの引き継ぎどおりの人事を行い、賛成・反対が半々になるようになさいますか。はっきりご答弁お願いします。
原子力損害賠償支援機構法は執行停止し、東電を破綻処理せよ
枝野大臣は一昨日、政府の東電に対する支援がなかった場合に、破綻などで生じるであろう株主や債権者の負担は当然していただくのが市場のルールとおっしゃいました。同感です。普通の企業が債務超過又は資金繰りで破綻になった場合、原子力損賠賠償支援機構法による支援がないとすれば、株主は保有する株式の価値がゼロになるのが通常です。同じご認識でしょうか。また、取引銀行は、思い切った債権カットを求められることになるのが通常です。これも同じご認識でしょうか。
結局、増税や電力料金値上げによる国民負担を回避し、枝野大臣の言うようにまず負担すべき者が負担するという考え方を徹底するには、東京電力を破綻処理するしかありません。だったら、原子力損害賠償支援機構法の執行を停止すべきじゃありませんか。
みんなの党が提出した同法案の修正案は、債務超過のおそれのある原子力事業者を職権で破綻処理できるものであります。これを丸呑みして頂けませんか。
ミニ電力会社の環境アセスも東電同様免除すべきだ
みんなの党は、電力自由化で、供給拡大、電力料金値下げを目指すべきと考えます。今、ミニ電力会社、PPSがコンバインド・ガスタービンの効率の良い発電設備を増強しようとすると、環境アセスに3年、許認可に3年、工事に半年、合計7年もかかるんですよ。今は東京電力に対してだけ、一定の発電所の建設について環境アセスを免除しています。PPSミニ電力会社に対しても特例の適用をすべきではないでしょうか。
今こそ電力自由化を
今こそ、発送電分離、電力小売自由化を行う「電力自由化宣言」を断行すべきではありませんか。
古賀茂明氏を起用して大胆な改革をするべきだ
そして、既得権やしがらみを断った改革をやるためにも、筋金入りの日の丸官僚、改革派官僚である古賀茂明さんを起用すべきであります。「退職するかどうかは本人の自由意志」と称して、仕事も与えず、飼い殺しにしようとしていたら、本人は辞めるしかないじゃありませんか。仕事を与えるか、与えないか、枝野大臣と蓮舫大臣にお伺いをいたします。
松下幸之助氏の無税国家論への見解を問う
松下幸之助翁は、無税国家を提唱し、「厳しい経済状況のときこそ、国は大減税をして景気を直すべきだ」とおっしゃいました。これは、経済成長により財政再建をする考え方であり、正論であります。野田総理は、国債発行残高が多くなっているということだけを理由として、幸之助翁の考え方を否定なさるんでしょうか。今日本の国家経営にとって必要なことは、増税ではなく減税、円高ではなく円安政策であることを申し添えて質問を終わります。