絵空事のマニフェストを作ったのは誰? 平成23年9月26日 衆議院予算委員会 田村憲久氏 1 |
動画:http://www.youtube.com/watch?v=t5QBXVPF_gU
(全長44分30秒。本エントリは冒頭から21分23秒ごろまで)
アナウンサー 続いて、自由民主党・無所属の会、田村憲久さんの関連質問です。
田村 自民党の田村です。こうやって野田総理と質問・質疑ができる、まあ、民主党政権に代わりましてね、2年ですかね、もう。これで三人目だということでございまして、いちいちですね、代わった総理にまたマニフェストの話を聞かなきゃならない。いやですね、これ、本当に。ま、同じ総理なら大体分かるんです、この人はマニフェスト守らないな、とかね。それがわかるんですが、新しい総理、ましてや、まあ、見た感じは非常に、それこそ誠意のある方かなあっていうイメージもありますから、もしかしたらマニフェストを守るということをはっきり言われるかも分からない。
そういうことも含めてね、ちょっと今日は質疑をさせていただきたいというふうに思うんですが、その前に、まあ今も色々と議論がありましたが、今年は3月11日東日本大震災、大変な災害が起こりました。今なお被災者の方々は大変な御不自由な生活をされておられます。
そういう意味で、この今回の、今回というより前回の国会でありますが、マスコミは色んなことを言いましたけれども、しかし実際は私は国会は非常に協力をした、そんな国会であったというふうに思っているんです。厚生労働委員会、私は野党の筆頭理事をやっておりましたが、なんと13本、13本3月11日から法律が通りました。これは記録です。しかも、与党が強行したわけでもない。どの法律も必ず野党が賛成した。そんな状況だったんですね。
ですから、実は国会は機能していたんだと思います。ただ、政府が機能していなかった。だから震災の復興が進んでいかなかったんだろう。こんなふうに思っておりますが、そんな中でですね、これは、東日本の大震災だけではなくて、日本中どこでも災害が起こってもおかしくないなあというのが昨今の状況であります。台風12号、大変な被害、そして15号も大変な被害が起こりました。12号はですね、和歌山県、そして我々の三重県そして奈良県を中心に大きな被害がございました。100名近い方々がお亡くなりになられたり、行方不明になられた。これは台風としては大変大きな災害であります。
色んな話を聞きますと、色々な要望を我々もいただきます。たとえばですね、特別交付税、これを積み増しをしてほしいでありますとかね。それから、廃棄物ですね。色んなゴミが出てまいります。そういうものの処理を、これを100%国庫負担でやってもらいたい、こういう声もある。二重ローン、震災のほうも二重ローンの話が今出ておりましたけれども、こちらももう二重ローンがあってはやれないという方々もおられる。そんなものに対しても対応して欲しい、こんな声もあります。もちろん、震災は震災でこれはしっかり我々は対応していかなきゃなりませんが、一方で台風被害というものも、被災をされた方々にしてみれば、やっぱり同じ状況なんです。
ですから、私はこれに対しても、政府はしっかりと対応いただきたいと思います。今度の三次補正、この中に、この台風等々の被害、12号台風も含めてでありますけれども、こういうものに対して予算を組んでいただけますか。
平野防災担当大臣 東日本大震災のあとに、福島、新潟・福島豪雨、これも大きな被害が出ました。台風12号被害、そしてこれも大きな被害が出ております15号もそうでございまして、直近では奄美で記録的が豪雨が今観測されておりまして、今これも被害状況は定かではございませんが、大きな被害が出ているものと思います。
こうした被害に対して、まず被災者に対する支援、これしっかりを(ママ)やる。それから、あと復旧・復興につきましても、基本的にはこういった自然災害、台風等々については、当初予算と、足りなければ予備費でございますが、それでもなお足りないという分については、これは当然のことながら三次補正に計上されるということになると思います。
今、災害の額等々についての、特に12号、それから15号については、今全体像を把握している最中でございますので、そういったことを踏まえて三次補正についてもしっかり対応していきたいというふうに思っております。
田村 まああの、安住大臣がね、就任直後テレビに出られてね、その震災、そして当時は12号台風のあとでございました。非常に理不尽なこういう災害に対してはしっかりと対応するんだと、こうやっておっしゃられた。ですから、我々はある意味大震災と同じような対応をですね、その災害の規模によってもそうでありますけれども、対応していただけるものだというふうに確信しておりますが、安住大臣、御答弁を。
安住財務大臣 ああ、もうおっしゃる通りで、あの、必要であれば予備費もございますので、災害に分け隔てはありませんので、理不尽な災害等にあった方々に対しては、どういう地域であってもしっかりと対応していきたいと思っております。
委員長 議事の途中ではありますが、ただ今後ろにブータン王国ナムギェ・ペンジョール上院議員御一行が傍聴にお見えになっています。(拍手)御紹介申し上げます。(拍手)
アナウンサー 衆議院予算委員会、今、傍聴に訪れたブータンの上院議長らが紹介されました。
委員長 田村君。
田村 よろしくお願いいたしたいと思います。それでは、マニフェストについて議論をさせていただきたいというふうに思います。
まああの、こうやって今回挙げさせていただいたのは、厚生労働関係だけなんですよ。それだけでも多くのマニフェストをお掲げをいただき、それが実際問題守られていない部分がいっぱいある。これがまず一枚目ですね。
それともう一枚あるんですね。もう一枚出してください。
これ、全てじゃありません。厚生労働関係、他にもあります。ただ、とりあえず主だったものを今日は挙げさせていただきました。多分、今日全てこれに対して明確な御返答をいただけないと思います、時間の関係で。ですから、本当言うと、まあ、国会を再延長していただいて、委員会で小宮山大臣からしっかりした御説明をいただきたいなと思っておりますが、ま、それはまたあとでお願いをさせていただきたいと思います。
それでは、元のパネルに戻していただいて、まずは、今日の午前中もお話がございました子ども手当でございますが、子ども手当に関しては、次代の社会を担う子どもひとりひとりの育ちを社会全体で応援する、といたしましてね、全ての子ども一人当たりに年間31万2千円、月2万6千円、これを支給をするというのがあなたがたのマニフェストでございました、09年。このスキームが変った。こういう話ですね。
ということは、まず2009年のマニフェスト、31万2千円、年間、これを子どもたちに支給をするというマニフェスト、これはもう誤っていたということで撤回をされるということでいいですね。
小宮山厚生労働大臣 その月額2万6千円の子ども手当は、まだ実現できていないと。で、これはなかなか色々な財政事情からも難しいということは、国民の皆様にお詫びを申し上げないといけないと思っています。そして、子ども手当としてこれまで1万3千円ずつ支給をしてまいりましたけれども、はい、あの、これから三党合意に基づいて、また4月以降のものについてもご協議をいただけるものと思っております。
田村 いや、私、マニフェストの話をしてますので、4年間でやるっていう話だったんですよね。もう2年来ました。もう来年度は違うということは決りました。もしやるとすれば、再来年度にやらないと間に合わないっていう話になるんですね。再来年度までにやれるのか、それともそれは無理だと思われているのか、そこをお聞きをしているんです。どちらですか。
小宮山 三党でご協議をいただいて、今の、これは先ほど岡田委員の質問に、私違うことをちょっとお答えしたようなので、ひとつ訂正をさせていただきたいんですが、恒久法である児童手当の制度に乗せる形でご協議をいただくということになっております。そうした中でひとりひとりの子どもを支援するという仕組みが作られるものだと考えておりますが、2万6千円はなかなか難しいということは事実だと思っております。
田村 ですから、2009年のこの部分はマニフェストは実現できなかったということだと思います。つまり、31万2千円は無理だった。こういうふうに今おっしゃったということで理解しました。
さて、今日の午前中、何か色んな議論が出て、我々は納得し切れないなと思いました。なぜかと言うと、何かあの、子ども手当の理念は残っているだとかね、それから、控除から手当ということ、これも検討項目に入っていますけれど、ここは変っていないということですと。さらには、所得制限をかける世帯に対しても財政的支援としての暫定的措置としての一定額を支給する。あるいは、税制的措置としての税額控除を行うなどと、こうやっておっしゃられましたが、あの、これ、財政的な支援と言ったってですね、一定額支給するなんてことは、三党合意では何も決めていないんです。これ、御承知ですか、大臣。そんなこと書いてありますか、三党合意に。
小宮山 今三党合意のペーパー、手元に持っておりますけれども、「子どもに対する手当の制度のあり方について」というのが三党で合意をされたペーパーです。この中で、所要額2.2から2.3兆円程度ということが合意をされております。これで行きますと、所得制限をかけた世帯にも9千円ずつという計算になっておりますので、これを支給という形で財政上の措置を取るか、あるいは税額控除の形を取るかは、これからご協議をいただくことだと思っております。
田村 だから、支給するかどうか決めてないんですよ。支給とは書いてないんです、現金で。財政上の措置というのは他にも色んなことをやれるんですね。たとえば保育のほう、保育料をね、免除するっていうのもひとつかもわかりません。それも財政的措置でありましょう。それから、税制的な措置もね、税額控除かどうかわからないんですよ。所得控除もこれは税制的な措置ですね、これは。
事実、この三党合意の中には、5番目に書いてあるんですね。「所得制限世帯も含めた扶養控除のあり方について、平成24年度税制改正までに総合的に検討する。」これは、年少扶養控除のことですよね、これ。これも入ってるんですよ。なのに、何かね、言われているのは、控除から何か給付へみたいなことを言われる。いや、約束は違うんですよ、大臣。ごまかしてもらっちゃ困る。今日ここにね、岡田当時幹事長、三党合意された御本人おられますよ。聞けませんから聞きませんけれども、どうですか、私が言ってること、間違ってますか、大臣。
小宮山 ここにあの、合意にある通りのことを申し上げているので、ここの中に今言われたように、「控除のあり方についても検討する」ということにしておりますので、控除を、控除から手当にするかどうか、あるいはそうしないかどうか、そのこともご協議をいただくということだというふうに私は申し上げたので、控除を民主党の主張のままずっと行くかどうかというのは、それは協議次第。ただ、しないということを決めたわけでもございませんので、協議項目にあるということを午前中にお話をしたところです。
田村 それはおっしゃられなかったんですね、この部分はね。所得控除の部分はおっしゃられておられません。税制上の措置を検討するほうは言われましたよね。でもこの5番目の所得控除のことは何もおっしゃられなかった。言いたくないのかもわかりませんが。それはちゃんと記録に残っておりますが、あとで確認してください。
そして、一方で、この「財政上の措置も検討する」んであって、現金を給付するとは書いてないんです、これも。どういう形での財政的な措置かはわかりません。これも、これから検討するんです。しかし、あなたは、この中で、答弁の中で、給付をしますとお答えになられておられる。それはしっかりとね、御自分自身の書かれたことをね、確認をしていただければいい。あなたのお気持ちはよくわかりますよ。でも、これから三党で決めることですから。大臣が決ってもないことをお答えになられるのはやはりおかしい。それは党の中でおっしゃればいい話だ。大臣は決ったことをおっしゃっていただければいいと思います。もういいです、答弁は。
それでね、まあなぜ2万6千円、31万2千円、年間、これ配れなくなったのかということに対して、先ほど、色々とまあお話がございました。で、まあ、あの中でですね、岡田先生が御質問されておられました中でね、色んなことを民主党はやったと、しかし三分の二衆議院はあるけど、参議院は過半数ない、ねじれている。だから、これもひとつの原因だ。それから震災が起こった。これによって財政的に厳しくなったから、これも原因だ。こういう話でありましたけれども、これだけですか。これだけですか。他に何かありませんか、大臣。
小宮山 先ほど岡田委員のほうからも、その二点の他に、やはりその財政的な色々の計算、試算が甘かったということも言われております。そういう中に私も子ども手当についても積み上げ方が甘かったという認識は持っております。
田村 あのねえ、その中がまた問題でね。要は、まあ、この補助金だとかそういう部分には、人件費ですよね、踏み込みが甘かった。こう岡田先生はおっしゃられたんですね。しかし公共事業はやったんですと。それから、まあある意味での埋蔵金もやったと、こういうようなお話であったと思います。
問題はね、公共事業、1.3兆円目標のところ、1.6兆円やったんですね。ま、一方で、それが今回の災害にも私は影響も出てるんだと思いますけどもね。たとえば私なんかの地元でも、ここの治山事業もっとやってほしかったと、しかし公共事業は厳しいからやってもらっていないと、結果的にやっぱりここは抜けたと、こんなことをおっしゃられる方がおられました。ね、そういう意味で、実際問題、1.6兆円切るっていうのがね、かなり大きなインパクトがあったのは事実ですよ。
私は無駄な公共事業はやる必要ないと思いますよ。ただしね、災害の問題だとか、命の道、今回私どもの地元のほうも、やはり命の道がありました。色んな所で途切れましたよ。高速道路がなければやっぱり駄目だという話になっている。病院に行けないっていう話になっちゃうんですね。こういうものはやっぱりしっかりやらなきゃならない。だから、そういう意味でのこの1.6兆円っていうのはいささか問題もあると思いますが、ただ財源的には、1.3兆円のところ1.6兆円出したんですから、ま、ここは、あなた方としては胸を張りたいところだと思いますよね。
しかしね、もう一方のその、言われたですね、この埋蔵金等々のところ、これは、以前の予算委員会で当時財務大臣だった野田総理と私、議論をさせていただきましたが、こういうものは一時的なもので恒久的には続かないと、あなたがおっしゃった部分ですよね。毎年5兆円出さなきゃいけないんですよ、この試算で行くと、民主党の。今回は2.7兆円でございました。今年度予算ですよ。2.7兆円覚えてみえられると思いますよ。その中でもやはりね、鉄運機構、こういうところから金を出してきたりしたわけですよ。毎年出せませんよね。出せない。外為特会も、前借までして予算に入れちゃったですよね。今年度たぶん出てくる収益に対してまで予算に入れちゃった、一部。これ、無茶やってるんですよ。
ですから、この、毎年5兆円出す、今年度2.7兆円出た、この部分も毎年出るとは限らない。こんなものは永続しない。それは、財務大臣当時、野田総理がお答えになられた答弁であります。
そして、もうひとつ大きいのは、1.3兆円、これは増税ですよね、増税。結果的に見ますとね、16.8兆円、まあ、まだ4年目じゃありませんから、全てとは言いませんけれども、16.8兆円出すと言った中で、事実上できているのはですよ、毎年出せるのは、1.6兆円の公共事業と、それから、まあ、補助金や人件費削減はうまくはやれなかったけど、そこそこやったね、と言われた0.7兆円ですよ。つまり7千億円。あとは増税の1.3兆円ですかね。これは増税ですから、国民の皆さんは、これをよしとは思っていないと思いますけれども。
これじゃあ、どう考えたって、全額国費で5.4兆円かかりますって言ってる子ども手当なんて、やれるはずがないじゃないですか。そもそも全く持ってね、財源はどっからも出て来るんだとおっしゃられたあなた方の論理が壊れているんですけれども、総理、これに対してどう思われますか。
野田 あの、マニフェストの主要事項、子ども手当とか、高校無償化、これらを実現するためには、恒久財源を確保しながら位置づけをしてまいりました。で、その額は今御指摘のような歳出削減の部分と税制改正の部分と併せたもので、これ3兆円台に乗っています。3兆円台の範囲でマニフェストの主要事項はこれまで推進してきたということで、で、委員御指摘の通り、ワンショットの金は作ってきました。作ってきましたけれども、こういう恒久的な制度を裏付けるものではございませんので、それは支えにはなりません。ということは事実関係としておっしゃるとおりであります。その意味では、マニフェスト全般を実現する上で、ま、色んな意味で、その見通し、あるいは財源確保というところに甘さがあったことは事実であり、それは中間検証にも明記されてございますので、そのことは深くお詫びしなければいけないと思います。
ただし、子ども手当含めて、あるいは高校無償化を含めて、私どもが訴えたかったそのマニフェストで実現したかった理念というものは、たとえばチルドレンファーストであるとか、国民の生活が第一、こういうものはこれからも、ぎりぎりの努力をしながらできるだけ実現をしたいというふうに思っております。
田村 そんなことは我々も言ってますんでね、言ってない政党って、ないんじゃないですかね、多分ね。だから、そんな理念はね、別に当たり前の話なんですよね。
それでね、あの、この16.8兆円、素直にもう集められないというふうにお認めになられたということで、今、よろしゅうございますね。もう16.8兆円というマニフェストの財源の根拠というものは、あれは絵空事であったと。
と言いますのはね、あの、これ、16.8兆円できると言われたのは、どなたが言われたんですかね、もともと。こういうことを民主党の中で言われたのは。総理、覚えありますか。
野田 あの、どなたかというよりは、党としてマニフェストを決めて、みんなで共有したという意味では、全ての人に責任があるというふうに思います。
田村 いやこれ、あなたがやられた、決められたってね、あの、これ、今日、資料につけてますけれども、あの、「俺がやらねば」とか言うね、これ、日刊紙の、まあ、あなたの特集ですね。これ、平成17年8月11日号、覚えあられるかどうかわかりませんが、下のほうの波線のところ。「民主党案は私がまとめた。3年間で実質17兆円の歳出削減、現時点で16兆円にのぼるプライマリーバランスの半減、小泉政権がいとも簡単にあきらめた国債発行30兆円枠などを実現するという内容だ」と書いてあるんですよね、これ。まあ、この時にマニフェストの財源として使うとは書いてませんが、実際問題、こうやってあなたがこの時もうおっしゃられておられるんですよ。
つまり、この時にもう既に17兆円の財源をあなたは作れるというふうにおまとめになられたんですか。覚えておられます、これ?
野田 これはですね、民主党のマニフェストを作る前に、あの、次の内閣の財務大臣を私やっていました。で、その時に、財政健全化のプランを作ることになりまして、これは8年計画なんですが、その8年計画で財政健全化プランの中間報告でまとめた内容をここで書いているということでございます。
田村 いやだから、17兆円出せるってことですよね。いや、そういうことでしょ。その時に、その時にあなたは民主党案をまとめたんでしょ。いや、まとめたのはあなたでしょ。これ、これ、あなたが言ってるんですよ、これ。嘘だっていうんじゃないでしょ。
委員長 まだ説明してません。(野田総理、一度立ち上がりかけてから着席。)
田村 嘘だと言うなら、この記事が嘘だと、捏造だというならそうお答え下さい。