靖国神社に行かない理由/基本理念は党是ではない? 平成23年9月26日 衆院予算委 稲田朋美氏 1 |
動画:http://www.youtube.com/watch?v=jFzzQYLAjzs
(全長33分47秒。本エントリは冒頭から16分15秒ごろまで)
アナウンサー 続いて、自由民主党・無所属の会、稲田朋美さんの関連質問です。
稲田 自由民主党の稲田朋美です。
先ほど小沢一郎氏の元秘書らの判決がございました。検察の主張をほぼ認める形での有罪判決でした。この有罪判決を受けて、小沢氏は陸山会の土地売買、ゼネコンからの裏金の疑惑について、国会の場で説明責任を果たすべきだと思いますが、いかがですか、総理。
野田総理大臣 あの、先ほど申し上げた通りですね、あの、有罪判決が流れたという報告は受けていますけれども、その詳細については把握をしておりませんので、それを踏まえてコメントをしたいというふうに思います。
稲田 検察の主張をほぼ認めた事実認定に基づく有罪判決です。しかも、司法の場の判断とこの国会の場の説明責任とは別物です。私は、小沢元代表が御自分の疑惑についてこの国会の場で説明責任を果たさなければ、政治家としての説明責任を果たしたことにはならないと思います。しかも、元秘書三名が逮捕をされ、有罪判決を受けた。本来であれば政治責任を感じて議員辞職をされるべきだと思います。
委員長、小沢元代表の当委員会への証人喚問を求めます。
委員長 前国会から既に自民党を含めて御要求がございまして、与野党で協議をいたしております。今後も理事会で協議をいたします。稲田さん。
稲田 野田総理、次に総理ご自身の外国人からの献金問題についてお伺いをいたします。
総理に献金をした人が外国人であるということを御存知でしたか? また、外国人のひとりは総理の選挙を応援された御地元の在日韓国人の団体である民団の役員ですか? また、そのことを総理は御存知だったでしょうか?
野田 外国人籍のある方から、私が献金をいただいたという報道がございました。それを踏まえて今詳細の調査をしておりますので、まとめ次第ご報告をさせていただきたいというふうに思います。
稲田 報道がされたのは9月3日ですよ、総理。それから約1ヶ月間、一体何を調査してるんですか。外国人から献金を受けたのが事実かどうか、また、外国人と知っていたかどうか、民団の役員と知っていたかどうか、民団の役員だったかどうか、このことぐらい、今すぐお答えになれると思います。お答えになってください。
野田 今申し上げたものを含めて、全て政治資金についての調査をさせていただいて御報告をさせていただいていきたいというふうに思いますが、外国の方だということの認識を持って献金をいただいたってことはありません。
稲田 不誠実な答弁ですね。しかもですね、前原さん、菅さん、総理、外国人から献金を受けた。知ってるか知らないか、そんなこと以上にですね、知らず知らずのうちに外国人から献金を受けている民主党そのものに国民は不安を感じてるんです。そのことも含めてきちんと説明責任を果たしていただきたいと思います。(会場騒然)
呆れたことに、民主党4代に亘って政治と金の問題があるんです。あなたがこの御著書の『民主の敵』で、ま、批判してやまない、ザ・民主党、田中角栄氏直伝の金権政治家、脱税していた苦労知らずの自称宇宙人、外国人からお金をもらっていた迷惑な市民運動家、そしてあなた。一体どこがクリーンでオープンな民主党ですか。総理がおっしゃる「丸洗い」が必要なのは民主党だと思います。
総理、今日の産経新聞の1面で、内閣官房参与だった松本健一氏が、昨年9月の尖閣事件における中国人船長の釈放が那覇地検の判断ではなく、菅総理・仙石官房長官の政治判断であり、刑事訴訟法を適用して釈放したと説明して答弁したことが虚偽だという証言をされております。もし松本氏の証言が真実なら、重大な外交問題について虚偽答弁、国民を欺き続けたことになります。総理、どちらが正しいんでしょうか。
野田 まずあの、前提として、産経新聞、見出しは見ましたけど、中味読んでないんで、そこは逐次コメントはできないと思いますけれども、中国人船長の釈放は、これは検察の判断でしたと、それを踏まえたその後の外交課題については、政治主導で行ってきたというのがこれまでの経緯だというふうに理解をしております。
稲田 菅政権下の内閣官房参与だった松本健一氏が証言をされております。真実を明らかにするために、菅前総理、仙石官房長官、そして松本内閣官房参与の証人喚問を求めます。
委員長 求めますとおっしゃられても、僕に聞くとかなんとかちゃんと言ってくれたらお答えできますが、僕にお尋ねですか?
稲田 はい。
委員長 はい、それじゃあ理事会で後刻協議をいたします。(委員長席のほうに来ていた理事に)いやいや、それはちゃんと「委員長」と言って下さい。
はい、稲田さん。
稲田 さて総理、総理はかつて質問主意書を出しておられます。パネルを示します。「A級戦犯」と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない、内閣総理大臣の靖国参拝が国際的に非難される根拠がない、「平和に対する罪」「人道に対する罪」に該当する「A級戦犯」とは、極東国債軍事裁判当局が事後的に考えた戦争犯罪の分類であり、法の不遡及や罪刑法定主義が保証されず、法学的な根拠を持たないものであると解釈できる。これは全て総理の質問主意書の中の総理のお言葉を抜書きしたものです。
私はこの全てに賛同いたします。
もう一枚パネルを示します。同じく質問主意書の中の一節です。すべての「A級戦犯」の名誉が国際的にも国内的にも回復されているとすれば、東條英機以下14名の「A級戦犯」を靖国神社が合祀していることにいかなる問題があるのか。また、靖国神社に内閣総理大臣が参拝することにいかなる問題があるのか。
これは当時一野党議員であった総理が内閣総理大臣小泉純一郎氏に対して出した質問です。今私が同じ質問を総理にいたします。お答え下さい。
野田 これは平成17年に出した私の質問主意書でございます。で、これを出したのは、確か10月だったと思うんですけれども、あの、小泉総理が靖国、あの、社頭参拝をされた時です。で、その多分同じ日にこの主意書を出したと思います。で、背景にあるのは、その前の夏の予算委員会で当時の小泉総理が、あ、党首討論だったですか、失礼致しました、ちょっと記憶違いでございますけれども、「A級戦犯は戦争犯罪人であると認識をしている」という御答弁をされていました。これは、私は従来の政府の答弁と少し違ってるんではないかと思いました。従って、法的な立場を確認をするために、その10月の社頭参拝の折に私はこの質問主意書を提出をさせていただいた。ま、一人の政治家としての自分なりの解釈から出したということでございます。で、今は政府の立場であります。政府の立場としては、そこから出てきた答弁書を踏まえて対応することだというふうに理解をしています。
稲田 総理、お答えになっていませんね。総理は官僚ではなくて政治家ですよ。しかも日本の政治家のトップにおられるわけです。あなたは今ご自身が答弁なさったように、A級戦犯は戦争犯罪人であると言った小泉総理を批判し、保守の堕落とまで言われたんですよ。今総理になられて、政権交代して、野田政権のトップにおられて、いわゆるA級戦犯、東京裁判について、総理の立場を国民に対して語るべきだと思います。語ってください。
野田 あの、私の立場は、別に小泉総理を批判をするという立場で出したものではありません。むしろなぜ与党からこういう質問が出てこなかったのかと思ってました。むしろ、国際社会にご自身の立場を説明する上の、むしろ助け舟を出したつもりでやったつもりでございます。というちょっと背景は御理解が違うというふうに思いますが、私の今内閣は、最優先の課題は復旧と復興と原発事故収束です。この対応をしっかりやっていくということであって、今、私の、あの、とうとうと色々な歴史的な認識とか含めて語る場では私はないと思いますし、(会場騒然)あの、さっき申し上げたとおり、政府でありますので、その答弁書を踏まえて対応するというものが基本でございます。
稲田 情けない御答弁ですね。あなたが質問主意書の中で「A級戦犯は人権の問題であり、国家の名誉の問題だ」とまで書かれているんですよ。今のようなお答えしか出来ないとすれば、何のために総理大臣になったんですか。国会議員であり続けることすら意味がないんじゃないんですか。信念を枉げてまでその座に座り続けたいのであれば、菅総理と同じじゃありませんか。(会場「そうだ」「菅さんより悪質だよ」)
しかも、あなたは靖国神社に参拝しない。この質問主意書で、靖国神社に内閣総理大臣が参拝することに問題はないという、そういう問題意識で書かれていますが、あなたは靖国神社に参拝しない、閣僚にもさせないと明言しておられます。なぜですか。
野田 国際政治を含めて総合的な判断をすると、自分はしないほうがいいだろうという判断、閣僚云々と言いますが、これは前政権からの踏襲で全ての閣僚についても同じことを望んでいるということでございます。
稲田 何回も申し上げているように、前政権から踏襲するのであれば、あなたが総理大臣になる、その意味はありませんよということを申し上げているわけであります。また、国際政治とおっしゃいましたけれども、靖国参拝に反対をしている中国・韓国、A級戦犯が合祀されていることを理由に反対をしているんです。総理は、A級戦犯は戦争犯罪人ではない、靖国神社に合祀することに問題がない。じゃあ、なぜ靖国参拝に行かないんですか? おかしいじゃありませんか。
また、歴代総理はどうしたら靖国に行って、そして英霊に感謝と敬意を表することができるか、苦心してきたんです。小泉総理は私的参拝だと言い、麻生総理は宗教法人をはずすと、それぞれ努力をして来ました。あの小沢氏ですら、間違ってはいますけれども、A級戦犯を分祀して靖国に行くと言っています。
ところが、総理は正しい認識で、行けない理由がないのに行かない。今までのどの総理よりも、どの政治家よりも、忘恩の徒ですよ。(会場「そうだ」)
さて、外国人地方参政権についてお伺いを致します。たった2ヶ月前、財務金融委員会で、当時財務大臣だった総理に、もし総理になられたらという前提で、外国人地方参政権について質問を致しました。総理は、明確に反対ですとお答えになったんです。では、民主党の党是である外国人地方参政権の早期実現という政策目標は撤回されますね。
野田 永住外国人の参政権について、民主党が党是にしているということはございません。あの、民主党内の中でも様々な議論がございます。あのー、多様な議論があって、その議論をしているプロセスの中にあったというふうに私は理解をしています。その中で、色んな意見のある中で、財務金融委員会で私の立場を申し上げさせていただきましたけれども、あの、決して党是ではございません。各党でも色んな御意見があると思いますので、そういう各党・各会派の御議論という、その推移を見守っていきたいというふうに考えております。
稲田 党是と言っていいんですよ。(会場ざわざわ)総理がですね、代表質問に対するお答えで、平成10年に結党時の基本理念があると。それについている基本政策の中にですよ、結党時の基本政策の中に、外国人の参政権の早期実現が書いてあるんです。まさしく自民党の憲法改正と同じように、結党時の基本政策、これを党是と言ってどこがおかしいんですか。それをお変えになりますかという質問です。また、総理は、外国人時報参政権付与に反対ということでよろしいですね。
野田 基本理念の中に項目として位置づけられていることは承知をしていますけれども、その後のたとえばマニフェストであるとか、あるいはインデックス、これ色んな意見の集約状況の中で、明確にその方向性を打ち出しているわけではございませんので、ま、時代によって今変化をしてきていて、党内でも色んな意見が出てきているというのが、ま、率直な、私なりの捉え方、感触でございます。
先ほど申し上げたとおり、私の立場としては慎重な立場であるということでございます。
稲田 結党時の基本理念に含まれていることを党是と言うのだと思います。
さて、総理、総理はもう既に結論は出しておられます。2ヶ月前重要閣僚として国会の場で、外国人地方参政権付与に反対だと結論を出されております。しかも、その理由として、総理は憲法上の疑義があるとおっしゃいました。総理のおっしゃる憲法上の疑義とは、具体的に何を指しますか?
野田 憲法15条に則ると、そこに疑問があるのではないかというふうに思います。
稲田 私も同感です。憲法15条に違反をする、日本が主権国家であることに違反する違憲の政策なので、これは絶対にやっていただきたくないと思います。