法制化されたのに福島に基金が下りない 平成23年9月28日 参議院予算委員会 森まさこ氏 1 |
動画:http://www.youtube.com/watch?v=t4GCMT4KYdo
(冒頭から21分53秒ごろまで。全長は1時間25分)
委員長 関連質疑を許します。森まさこさん。
森 自民党の森まさこでございます。総理、福島の再生なくして日本の再生はない、感動的でした。その言葉を行動で示していただきたいんです。本日の地元紙、福島民報の一面トップ、「県民の苦しみ忘れたか」、何の記事だかおわかりになりますか?
野田内閣総理大臣 恐れ入ります。地元紙はちょっと拝見しておりませんので、わかりません。
森 それでは、平野復興担当大臣、福島県の担当ですから、地元紙の一面トップ記事、おわかりになってると思います。お答え下さい。
平野復興担当大臣 仮払いに関しての基金に関する記事ではなかったかと思いますが。
森 総理と平野大臣が答弁した基金に関する問題です。この原発被害対策県基金創設見送り、総理が、この基金は作らないと言ったからです。とっくに7月に法律が成立したんです。記事には、「県は、法制化したのに貴重な財源が失われると反発している」とあります。この基金、福島県は何に使うつもりだったか、総理、御存知ですか?
委員長 平野担当大臣。
森 総理に聞いています。総理が答弁したんですから、総理に求めます。
平野 ええ、あの、福島県からは、基金制度については、かなり細かな分野にわたっての制度要求を受けております。で、その中には医療拠点の整備、あるいは風評被害、非常に大きな風評被害が発生しておりますので、それに対する対応、それから企業立地を進めるための制度、こういったものについての要望を受けておりまして、こういったことについての基金をどうするかについては、今福島県とも事務的に進めているということでございます。それから、仮払いにつきましては直接の私の担当ではございませんが……ああ、わかりました。
森 平野担当大臣は、原子力事故被害緊急措置法、この法律の担当大臣として国会審議に出ていたのに、その頓珍漢な答弁は何ですか。もう一度言って下さい。この基金はこの法律で何に使われることになっていますか?
平野 ええとあの、委員の御質問の趣旨は仮払い法案の第14条に基づく基金だという、こういう御質問でございますね。ということですか?
森 私の質問に答えてください。
平野 あの基金ということについては、今私が担当している基金については、先ほど申し上げた通りであります。第14条についての基金、これは基金を設置することができるという規定があることは承知しております。
森 平野大臣は衆議院の予算委員会でですね、この基金は東電が支払うものと答弁しました。完全に間違ってるじゃないですか。この基金はこの法律では何に支払われるものなんですか?
平野 あの、前回の議論の中では、基金というものについての御質問がございました。これは吉田委員からでございます。基金については、ちょっとやり取りの中で、吉田委員の想定そ、そった(ママ)仮払い基金については三次補正の中で対応を検討するという答弁をちょっと我がほうのほうでしました。しかし、現時点においてその仮払いの基金についての試算の検討はしておりません。それに代わって仮払いについて別のスキームで対応するということを、今政府内では検討しております。そこで、その基金についての整理をするために、基金については今別の形で、今制度の詰めを福島県として行っているという答弁をいたしました。
その中で、仮払いにつきましては、これは一義的に東電というふうに答弁したってことにつきましては、仮払いはこれは国が行うという、これは仮払い法の法案の中にもきっちりありましたから、そこについてのきちっとした言及がなかったってことについては、誤解を与える結果になったかなというふうに思っております。
森 完全に間違っています。
(礒崎洋介氏が前に出て委員長に「仮払い法14条にある基金は何に使う基金ですか」と今質問がありました。全く答えておりませんのでもう一回お願いします。駄目だそんないい加減な答弁は」)
委員長 はい、それでは、まずこの、枝野経済産業大臣。
森 指名しておりません。(会場「関係ない、関係ない」)
枝野経済産業大臣 あの、申し訳ありません。平成23年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律、通称「仮払い法」と呼ばれているものですから、色々な趣旨がこの法律に入っている中で、若干説明がわかりにくくなっていることはお詫びを申し上げます。
この法律の14条によりますと、地方公共団体が行う応急の対策に関する事業のため原子力被害応急対策基金を設けることができるということになっておりまして、これについては、立法当初、地方公共団体が行う健康管理調査事業、除染事業、風評被害対策等のための基金として想定されていたものと認識をしております。
森 平野担当大臣が完全に間違っています。わざわざ資料まで私、渡してあるんですよ。資料16に書いてありますが、仮払いと基金は別物です。それなのに、「仮払いの基金は仮払いの基金は、仮払いは東電が一義的に払う」、違うんです。
福島県はですね、このあいだ憲政記念館まで来て、みんな団体が来て、決起大会したんですよ。その時涙ながらに訴えたんですよ。東電の支払いが狭すぎる、そこについては基金を作るというのがこの法律です。
つまり、東電が支払わないもの、指針から漏れているもの。つまりです、ここに書いてあるように、自主避難の皆さんには一銭もお金が払われていない。子供たちの疎開費用、除染の人件費、福島県人は待ってるんです。もう本当に倒れる寸前なんですよ。この基金は福島県議会全会派が一致して意見書を出してるじゃないですか。なぜ作らないんですか?
総理、お願いします。(会場「総理だよ、総理」)
委員長 平野担当大臣。
平野 あの、この制度により、仮払いということにつきましてはですね、私も福島県知事をはじめ、福島に既に仮払いを急げ、仮払いを急げという、そういう要望をずうっと受けております。で、今回、三次補正については別なスキームでこの仮払いをする、ということで今制度を詰めているということでございます。
(礒崎氏が再び前に出て「全然質問してない。仮払いの話は全然してない。今基金の話だろう。担当大臣わかってないです。ちょっと駄目だよ。」民主党のほかの閣僚「委員長」礒崎氏「あんた関係ないよ。駄目です、今の答弁。やり直してください。やり直してください。いやいや、全然駄目だよ。全然違う答弁ですから。」)
委員長 理事ね、あの……。中川文部科学大臣。(他の野党理事たちも委員長席の方に出てくる。礒崎「今度やったら止めますよ」中川大臣が出てくる。森「質問してません」)
中川文部科学大臣 この仮払いについてのですね、法案の所管を私のほうでやってますので。で、基金、基金、(抗議の声をあげる野党席に)わかってます、わかってます、基金、基金についても、基金についても、併せて説明をさせていただきたいというふうに思います。
あの、先ほどお話が出たように、当該基金というのは、当初ですね、地方公共団体が行う健康管理それから調査事業、除染事業等のための基金として想定をされたということなんですが、あの、たとえば除染にかかる費用および健康管理調査にかかる費用については、二次補正、二次補正予算ですね、あれ、または、予備費において、福島県原子力被災者子ども健康基金、これはもう既にあるわけですけれども、ここに向いて手当済みということになっております。で、同法に基づく基金において当初想定していた事業は、実施済みまたは実施予定であると承知しており、福島県から当該基金を活用する要望を受けてはいないということでありましたので、この、さっき申し上げました、福島県原子力被災者子ども健康基金によってこの運用をしてきたということであります。
で、今後しかし、地方公共団体において当該基金設置の要望がなされた場合には、地方公共団体をはじめとする関係者と対応について議論をしていきたいというふうに思います。
(礒崎「全然駄目」理事たちが前に出る。礒崎「これじゃ続けられません」委員長「ちょっと待って、ちょっと待って」礒崎「これじゃね、全然わかってない」などと協議。委員長「じゃあもういっぺん統一見解を誰かに答弁させます。誰に、誰に答弁さしたらいい?」礒崎「担当大臣は誰なの、担当大臣は誰なの」森「総理に指名しています」委員長「仮払い法の担当大臣が統一見解を…」委員長「速記を止めて」)
速記中止により音声中断。
理事たちが席に戻る。
委員長 平野担当大臣。
平野 まずあの、基金ということにつきましてはですね、今福島県の中で詰めている基金制度というのがございます。この基金については、先ほど言いましたように、医療拠点の整備でありますとか……はい? 企業立地の(聞き取り不能)基金などの基金制度、これは福島県からの要望に基づいて今やっている基金で、それは私の担当でございます。
前回の委員会の中で、基金と言う吉田委員の御質問の中で、吉田じゃない、吉野、吉野委員の御質問の中に基金というお話がございまして、その基金の設置ということについて聞かれたときに、今その、そういう基金ではなくて、こういう形の基金の設置を準備していますというそういうご答弁を御説明したということでございます。
(会場、「答弁になってない」など。礒崎理事が先ほどの答弁の誤りをきちんと認めるよう、委員長席の前に出て申し入れている様子。)
委員長 いや、それじゃあ、あの、平野担当大臣。
(礒崎「ちゃんと謝んなさいよ、違うこと答えたんだから。」と言って席に戻る。)
平野 仮払いに向けての基金ということについては、現段階では政府では検討してないということです。それで、14条については、基金の設置が出来るという規定がございます。ございますが、仮払いについては別なスキームで政府としてしっかり対応すると、それに向けての三次補正があるということでございます。
(再び礒崎理事が前に出て委員長に申し入れ。他の理事たちも前に出る。)
委員長 よし、よし、それじゃね、非常にあの、議論が輻輳しておりますが、森まさこさん、もう一度あなたの質問をお願いいたします。それに対してしかるべき方に答弁をさせます。森まさこさん。
森 平野大臣は菅総理の時から継続していたので、私は政治空白が生じないと思っていたので本当に悲しいです。総理、これは、福島の再生なくして日本の再生はないという形と全く違うじゃないですか。総理、答えてください。
委員長 今、あの、森さん、森さんの、森さんの質問をお願いしたいんですが。仮払い法案に関する。それをまず担当大臣から答えさせますから。あとで総理は指名いたします。
(礒崎氏が前に出て申し入れをし、また戻る。)
委員長 森まさこさん。
森 平野大臣は担当大臣でもなかったのに、基金は東電が払うものと、吉野さんの質問に間違った答弁をしたこと、訂正して謝罪してください。
委員長 はい、それじゃ、平野担当大臣。
平野 仮払いは国が早く行うものだという規定がございます。そこについての言及をしなかったということについて、誤解を与えたことについてはお詫びを申し上げろということでございますので、これは反省をしなければならないと考えております。
委員長 それでは、次に枝野経済産業大臣。
枝野 あの、先ほど申し上げましたが、あの、このいわゆる仮払い法と言われている平成23年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律に基づく、この規定第14条に基づく基金の話と、それから一般的にこの法律以外の基金の設立についての話と、それから仮払いについても、東電が現に行っている仮払いのこの話と、いわゆる仮払い法に基づく国が行う仮払いの話とが、所管も色々分かれておりまして、若干質問の意図を、あの、誤解をした結果として、あの、答弁が若干わかりにくかったことについてはお詫びを申し上げます。
委員長 はい、それで、森さん、森さん、総理の答弁を求めますか? 質疑を続行してください。
森 あくまでも平野大臣は仮払いと言ったので、基金のことについて間違ったと訂正してください。
委員長 はい、それじゃ、平野大臣。
平野 仮払いは国が行うもの。(森「仮払いじゃありません」)いえ、あの、基金については出来るという規定がございます。それから、仮払いは国が行うものということについては、その通りでございます。
(礒崎理事が再び前に出る。「駄目だそれじゃ」など。他の理事たちも集まってくる。大臣が全然わかっていない、勉強不足で答弁になっていないと抗議。)
委員長 速記を止めて。
(速記が止まっているため音声中断)
委員長 はい、平野担当大臣。
平野 私が、あの、佐藤知事とずっと総理の命を受けてやってきた基金の話とですね、ちょっと話が混同してしまいまして、色々混乱を与えたようでございます。これについては陳謝を申し上げます。
委員長 はい、それでは、森まさこさん。
森 (着席で)先ほどの総理の答弁してください。
委員長 総理の答弁ですか。それじゃあ、野田……、あの、それじゃあ、総理の答弁(ママ)をもう一度おっしゃってください。はい。あの、総理に対する答弁(ママ)。
森 (着席で)先ほど言いました。
委員長 総理に対する質問をもう一度おっしゃってください。
はい、内閣総理大臣。
野田 あの、私も含めてですが、先般の衆議院の吉野議員の御質問、そして今の森さんの御質問について、いわゆる仮払いの話と、第14条仮払い基金の問題と、今福島県から頂戴している復興基金の話と、それぞれちょっと混同して入り混じって答弁をして、わかりにくくなったと思います。そのことはお詫びを申し上げたいというふうに思います。
森 それでは総理、総理が答弁された三次補正の基金では支払いが遅くなります。7月に法律が出来て、みんなずっと待ってるんです。倒れる寸前です。自主避難の方、子供の疎開費用、除染の人件費、今か今かと待っています。あの法律に基づく基金を今すぐ作ると言ってください。
枝野 ええと、今のお尋ねは、仮払い法、いわゆる仮払い法第14条に基づく基金という趣旨であるとすれば、この基金については、これはあの、法律上の御理解をいただいているというふうに思いますが、原発事故による被害について地方公共団体が行う応急の対策に関する事業のために、原子力被害応急対策基金を設けることができるという内容になっておりますが、この基金については、先ほど御答弁申しました通り、立法当初、地方公共団体が行う健康管理調査事業、除染事業、風評被害対策等のための基金として想定されていたものと認識をいたしております。
仮払いについても、この基金で、14条で、読めるというふうには思いますが、現在これについては基金を設けることなくですね、予備費とそして三次補正と、予備費も含めてですね、風評被害というに対する仮払いの手続きは進めているところでございまして、これはできるだけ遅れることのないよう、迅速に進めてまいるように努力してまいりたいと思います。
森 大変残念です。仮払いは東電が指針に基づいて払う以外の自主避難者、ずっと待っているんです。そのために作ったものを、あんなに審議したものを、理解されていない。お金を福島県に払い込んでもらえない。私は本当に、総理のお言葉とあまりにも違う態度であるということに悲しみをもって抗議の意を示したいと思います。