祝賀会出席も拉致解決への努力の一環? 平成23年10月25日 衆議院法務委員会 稲田朋美氏 1-3 |
動画:http://www.youtube.com/watch?v=utyhgCk1TS0
質問 稲田朋美氏(自民党)
答弁 平岡秀夫法務大臣
稲田 (承前)予算委員会で、考えている間は執行ということは考えていないと。一律に執行停止するんじゃなくて、考えている間は執行をやらないって答えたんですよ。ところが、今は、考えている間でも死刑は執行するっていう答弁に変えられたんですよ。どっちが正しいんですかと、そして、何で変えたんですかと。同じ質問繰り返させないで下さい。
野党側理事 あの、簡潔に答えさせてください。
委員長 はい、じゃあ、まず、今の、現在の、大臣の立場を発言していただいて、それからこの発言と予算委員会の発言をもう一度照らし合わせて、それについて説明することがあれば説明するという形にしてください。
平岡 あの、私はですね、えー、自分で考えている間は執行ということは考えていないと、いうふうに申し上げましたけれども、その趣旨は、いついつに執行を停止するという趣旨で申し上げたものではないということでございます。
稲田 委員長の質問にも答えてないじゃないですか。委員長の質問にも答えてないじゃないですか。
委員長 (笑う)
稲田 委員長の質問にも答えないじゃないですか。現在はどっちなんだと、考えて結論が出ない間も死刑を執行するということで結論でいいんですか? それと、予算委員会との間で矛盾してるでしょってことで、矛盾しないって言うんだったら何で矛盾しないんですかって。どうして委員長の質問にも答えないんですか。
平岡 あの、一律に執行を停止することでないということでございますから、私の、ここに考えていきたいということでございます。
稲田 (失笑しながら)あのね…ちょっといいかげんにしてください。
理事 委員長、あの、答えになってません。もう一度、委員長。
委員長 はい。今のだから大臣の説明は、死刑執行することもありうると言うことを今述べたんですよね。一律じゃないんですからありうると。その際、前の予算委員会の答弁は、丁寧に説明すると、執行、その、執行することもありうると言ってるので、矛盾してないというふうに大臣は今思ってるということを答えています。
それを踏まえて、どうぞ発言してください。
稲田 お言葉ですけれども、委員長、善解のし過ぎです、それは。(会場笑)予算委員会では、考えている間は執行しないと、ね、一律に執行しないじゃなくて、考えている間は執行しないっていうのが予算委員会での答え。今日の大臣のお答えはですね、考えて結論が出ない間でも、死刑を執行することがありますとおっしゃったわけです。
そこは矛盾してますけれども、委員長がそうおっしゃるので次へ進みますが、じゃあですね、一体ですね、いつ結論を出すのか。また、結論が出ない間に、結論が出ない間に死刑執行することもあるっておっしゃるのであれば、個々の記録を、予算委員会の時には勉強しないっておっしゃってる記録を、今勉強してるんですか?
平岡 その話も先ほど来の質問の中にございましたけれども、えー、個々の事案について、今検討しているとか、考えているとか、ということを申し上げることは、色んな影響がございますので、従来から答弁を差し控えさせていただいているということでございますので、えー、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
稲田 予算委員会では、検討してないって答えたんです。その時はきっちり答えたんです。勉強してないって答えたんですよ。今はお答えできないと。また、これまた答弁に矛盾がありますね。しかも、個々のですよ、Aという事件について検討してますか、Bという事件について検討してますかという質問ではなくて、一般に、死刑判決が出たですね、事案について、検討するのが大臣の責務だから、その責務を果たしていらっしゃいますかという意味で、検討してますかと質問しております。
平岡 えー、具体的な検討しているかということについても、これは影響があることなので申し上げられないということを申し上げているところでございます。
稲田 もう呆れましたね。しかもその理由が「従前どおりそうなってた」。何のためにセイ、あの、何のために政権交代したんですか。御自分の言葉で答えられないんだったら、何のために政権交代したんですか?
それから、大臣、あの、考えてるんだったら法務大臣になるべきではないと思います。死刑が正しいかどうか考えている人は、私は法務大臣にならないでいただきたい。自分の法務大臣としてのですね、職責が果たせないことがわかっていながらですね、死刑執行できないことをわかっていながら、法務大臣になることは、私は無責任だと思いますので、法務大臣の職をですね、考えている間は、辞められたらいかがですか?
平岡 あの、これもですね、えー、先ほど来の答弁の中でも申し上げましたけれども、えー、死刑の問題について言えば、その制度の存廃についても、この勉強会で、ま、検討をしているということでありますし、えー、世界的な情勢の中で、日本がどういうふうにあるべきかということについて検討するのも、私は、法務大臣の職責のひとつであるというふうに考えておりますので、えー、その検討をすること自体は、えー、私自身としては、しっかりと進めていくのも、いきたいというふうにも思っております。
稲田 ですからそういう態度自体がですね、私は法務大臣にはふさわしくないと思うんです。
大臣は平成18年11月10日、朝鮮大学校創立50周年記念祝賀会で、ただひとり、日本の国会議員として出席をして、祝辞を述べられました。このことは予算委員会でもお答えになっておられますけれども、もう一度お伺いいたします。このような国民の常識からかけ離れた行動をなぜ取られたのか、その理由についてお伺いいたします。
平岡 予算委員会でもお答え申し上げましたけれども、朝鮮大学校について言えば、私の母校である岩国高校の大先輩である法学者の末川博先生が朝鮮大学校に対して色々な御支援・協力をされてきたというような経緯もありましたので、私も出席をさせていただいたということでございます。
挨拶については、元々挨拶を求められていたわけではございませんけども、その場で、えー、ちょっと名前は忘れてしまいましたけれども、各大学の著名な先生方が挨拶をされた後に、えー、私も勧められて、まあ、挨拶をさせていただきましたけれども、その中の挨拶は、あくまでも、末川先生が朝鮮大学校に対してどういう思いで、えー、おられたのかということについて話をさせていただいたというふうに記憶をしております。
稲田 もう今のお答えでですね、大臣は、法務大臣だけでなくて、日本の国会議員としても資格がないと思いますよ。そんな個人的なこと関係ないんですよ。その北朝鮮大学校というところはですね、北朝鮮に役立つ人材を育てる学校で、公安の調査の対象になってるんです。それで、北朝鮮は、御承知の通り、我が国の同胞をですね、多数拉致していて、返さない、ならず者の不法国家ですよ。
そんなところに日本の国会議員がですよ、のこのこ出て行って、祝辞を述べることが、いかに誤ったメッセージをですね、北朝鮮に対してですね、与えることがね、分からないんですか。
大臣、今大臣となられて、御自分の過去のその軽率な行動について、拉致被害者および国民に対して謝罪してください。
平岡 えー、私自身はですね、拉致問題の重大性っていうものについては、しっかりと認識しているつもりであり、えー、拉致問題の解決に向けてですね、えー、私なりに努力をしてきているつもりでございます。ま、その中でですね、えー、若干のそのまあ、路線の違いって言いますか、(稲田「路線の違いじゃないでしょう」)対応の仕方の違いがあるのはですね、これは当然のことだとある意味では思います。
えー、今、稲田委員をはじめとして、えー、取り組んでおられることも、ひとつの、私は、あー、拉致問題解決へ向けての、大きな努力であろうかというふうに思いますけれども、私自身が、あー、重ねてきた努力、活動というものも、拉致問題の解決に向けて、私は必ず、うー、大きな役割を果たしていくというふうに、まあ思っております。
そういう中でのですね、ま、行動ということでございまして、目的は、あの、一緒ということでございますので、その点は是非御理解をいただきたいというふうに思います。
稲田 驚きましたね。大臣の今の答弁はですね、御自分が北朝鮮大学校に出席したことが拉致問題の解決のための行動だと、そうおっしゃったんですか?
平岡 (稲田「ちょっとおかしいですね」)あの、朝鮮大学校の50周年に出席したこと自体がですね、拉致問題に直接、その、解決になるというふうには思いませんけれども、えー、そのことがですね、私は、あー、北朝鮮との関係において、えー、我々が、あー、色んな信頼関係を築いていく、あるいは、北朝鮮との関係で、えー、何らかの、おー、これからの、交渉の、えー、きっかけを作っていく、まあそういうことにもつながるんではないかというふうにも思います。
ただ、その見解がですね、えー、あの、稲田委員とは違うということも私としては認識しております。稲田委員が活動されておられることに対して、私は批判するつもりもございませんし、是非稲田委員は稲田委員の、その考え方に基づいた活動をしていただきたいというふうに思いますが、私が当時野党の一議員という立場で行動したこと自体がですね、私は北朝鮮の拉致問題の解決にマイナスになるということではなくて、むしろそのために一助となるということに結びついていくというふうに考えているところでございます。
稲田 全くもう呆れてものが言えませんけれども、これ、路線の対立とかですね、価値観の違いとか、そんな問題じゃなくて、日本の国会議員がですね、北朝鮮大学校、北朝鮮に貢献する人を育てている、あの大学校にですね、たったひとりですよ、日本の国会議員が、のこのこ出かけて行って、祝辞を述べるっていうことが、いかに誤ったメッセージを北朝鮮に与えることかっていうことを、大臣が認識されていないということが分かりましたので、その意味からも、大臣は全くこの国の治安、そして、人権のですね、擁護の法務大臣としては、ふさわしくないと確信を致しました。
後ほどまた質問いたします。終わります。(拍手)