「あなたは当時賛成でしたか、反対でしたか」 平成23年10月25日 衆院法務委 棚橋泰文氏 1-1 |
ブログ筆者です。書き起こしをする順番がちょっと混乱してしまいまして、10月25日の法務委員会の質疑の中で、棚橋泰文氏は2回質疑の時間があったのですが、2回目のほうを先にアップロードしてしまいました。1回目がまだなのに気がついておりませんでした。
順不同でわかりにくくなって申し訳ありませんが、当ブログで書き起こした25日衆院法務委の実際の質疑の順番は、柴山氏1回目→平沢氏→稲田氏1回目→城内氏→棚橋氏1回目→柴山氏2回目→稲田氏2回目→棚橋氏2回目、となっています。このエントリは棚橋氏1回目です。他は既にアップロードしています。
動画:http://www.youtube.com/watch?v=n5NUxG2owNc
質問 棚橋泰文氏(自民党)
答弁 平岡秀夫法務大臣
棚橋 委員長。
委員長 棚橋君。
棚橋 自由民主党の棚橋泰文です。平岡大臣に、まず政策的な課題、特に治安に関連して質問する予定でしたが、先ほどの同僚議員、稲田議員に対する答弁があまりにもひどかったので、再度お伺いいたします。
大臣、ちょっと聞いていただけますか。これは大臣が衆議院の予算委員会でお話された速記録をそのまま読み上げます。「法務省の中に死刑のあり方についての勉強会というのがあって、今勉強しているということで、それは引き継いでいきたいということで、その勉強会のこれまでの経緯というものを自分なりにおさらいしてみたいと。自分で考えている間は執行ということには考えていないということだ」って、つまり死刑を執行しないとしか理解できませんが、先ほどの答弁とこれはどうやって整合するんでしょうか。お答え下さい。
平岡 あの、その答弁の後ろにですね、「一律に執行停止するとか、いつになったらどうするかということについて、申し上げたことではございません」というふうに答弁をさせていただいているところでございまして、個々の問題については、先ほど来から申し上げているようにですね、非常に重大な刑罰でございますので、まあ慎重に考えていきたいということでございます。
棚橋 あの、この答弁、そのまま日本語として理解する限り、「自分で考えている間は執行ということには考えていない」ということであって、「一律に執行停止するとか、いつになったらどうするかということについて、申し上げたことではございません」という趣旨の答弁はありますが、その前に、自分で考えている間は執行ということには考えていないということであった、とまずあるんです。
そうすると、この日本語が少し怪しいですけれども、合理的に解釈すると、一律に執行を停止するとか、いつになったら執行を始めるとか、そういうことは申し上げていないけれども、自分で考えている間は執行ということには考えていないというわけだから、個別に全て執行はしないとしか合理的に読めないじゃないですか。
もし後者の方が正しいんであれば、前者の方が嘘であって、これはまさに矛盾する二枚舌答弁であって、前者の部分を予算委員会で取り消してもらわなければいけないんじゃないでしょうか。
大臣、お答え下さい。
平岡 まあ、ここはですね、えー、大変難しい問題であるということは、まあ委員も御理解していただいているというふうに思います。
ま、ここで「自分で考えている間は」というのは、勉強会というものもあり、そしてその勉強会では自分なりにおさらいをしているということでございまして、「自分で考えている間」というものがどういう期間なのかということについては、今私が具体的に申し上げられる状況ではなってないということでございまして、この私が言った趣旨はですね、一律に執行を停止するといったような意味で言ったわけではないということは、ここに答弁で申し上げさせていただいた通りでございます。
棚橋 あの、決して難しい問題ではありません。難しいとしたら、平岡大臣の日本語能力が難しいだけでございます。
あの、それでは改めてお伺いいたしますが、この予算委員会の答弁を修正なさって、あるいは、それは結構、答えなくて結構です、あの、死刑の執行を停止するということではないわけですね。
執行はあり得べしという今はお考えになっているという理解でよろしいんですね。
平岡 今私がこの時点でですね、死刑を一律に執行停止するということを考えているわけではございません。
棚橋 あの、この問題については、さらにこのあとの質疑、さらには、参議院、そして予算委員会、特に予算委員会でこのような答弁をなさりながら、今のように食言をなさっているわけですから、厳しく追及してまいりたいと思います。
私はまず大臣に政策的なテーマからお伺いをしたいと思いますが、平成19年に審議をこの当法務委員会でもされた更生保護法案、これは、大臣、あなたは確か、この委員会での野党側の筆頭理事でしたが、賛成されましたか、反対されましたか。
平岡 えー、ちょっと、当時の更生保護法案の中身について、ええ、ちょっと今私自身も明確に覚えていませんので、賛成したか反対したかについても、ちょっと今記憶としては定かではございません。
棚橋 あの、少なくとも記録には賛成という記録がございませんし、私が記憶している限り、採決の時にこの法務委員会に平岡大臣はいらっしゃいませんでした。
大臣の所信では、更生保護に対して力を注いでいくと、特に保護司の先生方を中心とした司法行政にきっちりと力点を置いていくと、そういう趣旨の所信があると思いますが、あの時ではなぜ、更生保護法案に賛成できなかったんでしょうか?
平岡 今答弁で申し上げたように、その時の更生保護法の改正法案の中身がどういうものであったかについて、今ちょっと私自身、あの、よく覚えていないのでですね、えー、賛成であったか反対であったかということは、ちょっと、あの、覚えてませんというふうに申し上げました。
えー、更生保護法の内容についてもですね、それは、あー、更生保護の重要性ということについては私もしっかりと認識しているつもりでございます。それはこれまでの色んな答弁の中でもおわかりいただけるというふうに思いますけれども、その更生保護法の一部改正の中身というものがどういうものであったかによってですね、私はその賛成・反対の態度が決っていたんではないかというふうに思いますし、まあ当時委員が御指摘のように欠席していたとすれば、それは別の要因でそういう事態が発生していたのではないかというふうに私としては思います。
棚橋 あの、それでは時計を止めて、大臣が、更生保護法の間、その、について、この間勉強する間、時計を止めて、その勉強が終わってから委員会を再開してください。
と言いますのは、まずこれ、通告してあります、私のほうから。更生保護のあり方について。そして、大臣が、所信の中で、自分は更生保護に関してきちんと頑張っていくという趣旨のお話をなさったわけですよ。そして、直近の平成19年の大きな法律の中身ですよ。
それを自分は、しかも審議の場にいて、野党側の筆頭でありながら、どうだったか覚えていないから何とも言えないという、これでは、申し訳ないけど質疑ができないじゃないですか。私、ちゃんと通告してるんです。
ですから委員長、ここは、こうおっしゃるんであれば、あの、法務省に確認していただいて結構ですから、一回時計を止めて、これはきちんとした答弁をいただきたいから、時計を止めてください。
平岡 あの、棚橋委員から通告をいただいたのは、更生保護のあり方についてという項目でございますけれども、えー、私としてはですね、現在ある更生保護法に基づいて行われる更生保護についてはですね、しっかりと更生保護の理念に基づいて取り組んで行きたいということを申し上げたのであってですね、えー、ひとつひとつの改正の中身について、どうであるかということについて、所信で申し上げたというつもりではございません。(会場騒然)
棚橋 委員長。あの、委員長、よろしいですか。
委員長 はい。
棚橋 これはですね、更生保護法という、すごく大きな改正であって、なおかつですね、平成19年ですよ。何十年も前の話じゃないんですよ。で、この更生保護法に従って大臣はしっかりやっていくとおっしゃったわけじゃないですか。
ところが、自分は委員だった時反対しているわけじゃないですか。
なのに、なぜ、賛成に回ったのか。
あなた、自分が賛成したか、反対したか、欠席したか、覚えてないんですか? どちらなんです? 欠席したんですか、反対したんですか?
まず、こういう重要は法案に関して、更生保護をきちんとすると言いながら。これが20年前の法律ならわかりますよ。平成19年ですよ。その時どうだったか分からないけど、とにかく法律で決ったから、しっかりやっていくと。しかしその時自分は反対かもしれない。これは政治家としてあるべき態度でしょうか? こういうの二枚舌と言われてもしょうがないでしょうが。
もう一度お伺いしますが、この法案に大臣は賛成なさった記憶はございますか?
平岡 えー、冒頭申し上げましたように、その法案について、賛成したか、反対したか、記憶は定かではございません。
棚橋 あの、これでは質疑になりませんが、一度時計を止めて確認していただいて、それから答弁いただけませんか? まず時計を止めていただけませんか? これではだって、答弁にならないじゃないですか。更生保護に関して大臣のほうが所信で一生懸命やってと所信を述べられたわけです。で、私のほうは、それに対して一番重要な法案に関して、この通りやられるということですから、そもそも平成19年の時、大臣の政治的スタンスはどうだったんですかと。一番大事な法律ですよ、これは。保護観察も含めて。保護司の方々のリーダーシップのあり方も含めて。それが、覚えていないからわからないから答弁できないでは、議論にならないじゃないですか。
まずそこを確認していただかないと、答弁、あの、議論になりませんから、委員長、ここはやっぱり時計を止めてください。それでもう一度、時計を止めて、大臣が思い出してから答弁していただかないと困ります。お願いいたします。
委員長 えー、ちょっと整理をさせていただきます。えー、大臣としては、その時のことについては覚えていないと。しかし、ま、現在出ていることについては、このように考えるということで、過去のことについての責任は自分は負うつもりはないけれども、今日は、今は、こうであるというふうに答えているということを踏まえて質問してください。
棚橋 今の委員長の御説明では、過去自分が賛成したか反対したかわからないけど、大臣になった以上は、その法律通りやると、つまり、政治家として信念が全くないわけですな。
自分が反対した法案であっても、大臣になりたいためであれば、なるためであれば、その法案を執行すると。自分は政治生命を懸けて命を懸けてこの法案はおかしいと思うから、大臣になった以上改正すると、そういう話に本来なるんじゃないですか?
だからこそ、賛成か反対か欠席かは大事なのに、今の委員長の話だったら、大臣になるためだったら過去どういう自分が言動しようが、何でもいいことになっちゃうじゃないですか。(会場に)静かにしてください。
平岡 今の棚橋議員のですね、御質問で、えー、命を懸けてでも反対したものというような話がありましたけれども、この更生保護法案について言えばですね、私は命を懸けて反対するような法案であったというふうには思ってません。まあ色んなところでですね、えー、えー、まあ、あの、修正が必要である、あるいは補完が必要であるというようなことは多分申し上げているとは思いますけれども、えー、命を懸けて反対しなければならない法案であったという記憶は私にはありません。
棚橋 あの、残念ながら議論になりませんので、私の質疑時間は夕方にもう一度回ってまいります。それまでにまず大臣が今の法案についてどういう理由でどういう態度を取ったのかを、事務方でも結構ですが主査でも結構ですが、調べて、夕方の質疑時間に必ず御答弁いただくように、まず委員長からお願いできませんか。
委員長、お願いいたします。
委員長 まああの、整理させていただきます。大臣としては、過去の答弁にとらわれずに、過去の態度にとらわれずに、今はこうであるということをお話されましたけれども、しかし、質問者としては、過去のことも踏まえろということがあって、それは調べることができることでありますから、次の質疑時間までに事務的に調べて、それを踏まえて同じように大臣が発言されるか、それともそれを見た結果答えが少し変るのか、ということを見定めるということにしたいと思います。
棚橋 では、次の質疑時間に、委員長、必ず責任を持ってもういっぺん答弁させてください。
委員長 はい。
棚橋 あの、ちなみに今の平岡大臣の御答弁でよくわかりました。あなたは野党時代よく反対をされましたが、命を懸けて反対するようなことはなかった、ということは政治生命を懸けて反対するようなことはなかった、ということは非常によくわかりました。(会場に)静かにしてください。
次の質問をいたします。
(平岡「委員長」)
あの、入管法、大臣、バイオメトリクスというのは大臣の所信にもございますですね。こういったものを活かしながら適正な入国管理、最終的には不法出入国、治安の悪化、こういったものに対処していきたい、大臣の所信にございますね。
これ、入管法の改正、平成18年の行われておりますが、これはどういう中身の主だった改正で、その時大臣は賛成されたか反対されたか、御存知ですか?
平岡 えー、大きな論点だったのはですね、おー、え、生体認識情報を使って入国管理をしていくということであったというふうに思います。で、この件についてはですね、反対を下という記憶があります。
ただ、その時に私たちが問題提起をしていたのはですね、えー、個人情報管理が、えー、しっかりできないんではないか、あるいは、この情報がですね、日本国内だけじゃなくて、外国にも流出してしまうんではないかと、そういう問題提起をさせていただいたものとして反対をしたというふうに記憶をしているところでございます。
棚橋 それでは、個人情報管理がしっかりできないんではないかと反対したけれども、今バイオメトリクス等を活用しながら出入国管理を適正にやっていくということは、民主党政権になったとたん、個人情報管理がしっかりできるようになったんですね?
平岡 あの、民主党政権になったからできるようになったというふうには、まあ、思っていませんけれども、えー、我々が問題提起をしたことを踏まえ…(続く)