現閣僚の半分が秘書給与二重取り 11月8日 衆議院予算委員会 棚橋泰文氏(自民)3 |
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質問 棚橋泰文氏(自民党)
答弁 古川元久税と社会保障改革担当大臣
平岡秀夫法務大臣
藤村修内閣官房長官
野田佳彦内閣総理大臣
古川 (承前)ですから、要するに今度まさにこの附則に基づいて私どもも、今、法律の下でこれ行政を運営させていただいているわけでございますから、この附則に基づいて、皆様方が政権時代に作られた附則に基づいて、私どもも今年度中に法案を提案させていただきたいと思っておりますが、その法案を作る中では、それは基本的に先ほど総理も他の方の答弁でも申しておりましたけれども、どういうどういう時期にどのくらいの形で何パーセント消費税を上げるのかということは、決めていくことになろうかと思いますが、しかしそれはですね、やはり画一的なものでなくて、どういう状況が、それは経済状況が突然悪くなる、リーマンショックのようなこともあるかもしれません。やはりそうした状況には柔軟に対応できるような、そうした考え方を法案の中に入れていかなければならないんじゃないかというふうに思っております。
ま、そういった意味では、委員が御質問で言われたようなですね、別にそれを実施時期等分けるということは基本的には考えておりません。
棚橋 あの、委員長がおっしゃっていただいた通りですね、あなた方は言い訳と言うか、答弁が長いんですよ。結論は、別途法律を必要とするかしないかと聞いてるんですから、そのつもりはないと、だから上げさせてもらうと、あの、上げるにあたってもう一度国会の了解を得るつもりはないと、そう言っていただければいいんです。
では総理、財政の再建にも資するというお話がございましたが、総理が所信でおっしゃったように、歳入の問題と歳出の問題、その歳出の問題の中で、民主党政権は、無駄はギリギリまで徹底して削ったわけですよね。
そこで、資料1をご覧いただければと思います。
率直に、ストレートにお聞きします。これはですね、(パネルを用意している自民党議員に)いいですか、それだけです。そこの黒いところはですね、二重取りと書いてあったんですが、民主党の与党の理事さんの強いプレッシャーで二重取りのところ消されちゃったんです。ですから分かりづらいと思いますが、平岡法務大臣、先日法務委員会で私が指摘したところ、詐欺、公金詐欺の前科がある方を公設秘書に9月に1日に登用し、9月の2日に大臣政務秘書官にした。しかしその方は9月の公設秘書の給与と9月の大臣政務秘書官の給与と二重取りしてるんです。これ、二重取りが駄目って言うなら、何て言うんですかね? 二重支給ですか、二重受給ですか、民主党の用語だと。その二重取りをしてるんですが、これは、総理、こんな方を法務大臣にしててよろしいんでしょうか? 総理どうぞ。御答弁お願いします。
委員長 平岡法務大臣。まず経過を説明してください。
平岡 総理にお答えいただく前にちょっと事実関係、誤解もあるかと思いますので説明させていただきたいというふうに思います。今の棚橋委員が言われた点は法務委員会で指摘がありまして、私も調査をさせていただきました。ここに書いてありますようにですね、9月分の公設秘書の給与については、9月1日に在籍をしていたということから1か月分が支給されていたということでございます。これは仕組みとしてはですね、衆議院の公設秘書については、月割りで給与が支給されるという仕組みのためでございます。
それから、大臣秘書官給与についてはですね、これは9月2日から採用しておりますので、同月の16日に支給をされているわけでありますけれども、大臣秘書官については、日割り計算で支給をされるという仕組みになっているということでございます。突き詰めて言えばですね、大臣秘書官については日割りでの支給、公設秘書については月割りでの支給という制度の違いによってこうしたことが生じたことでございます。で、ちなみに言いますとですね、公設秘書としての後任者、今私の事務所にいるわけでございますけども、その者に対してはこの9月分の給与は国からは支払われていないということでございまして、決して税金の二重取りではないというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。
このような状態になっているのはですね、何も私のところだけが特別にこうなっているということではなくて、制度としてこういうふうになっているということでございますので、似たような状況は色んなところで生じているんではないかというふうに推測をさせていただいているところでございます。
棚橋 いや、ちょっと平岡大臣の感覚疑うんですがね、この同じ秘書官が9月の1日に公設秘書に在籍し、9月の2日から大臣政務官になり、その方に給料が二重に払われてるわけでしょ? それが二重取りじゃないんですか? それが平岡さんの常識ですか? 仕組みさえそうであれば、50万円を超えるような月給を二重取りしてもいいというのが平岡大臣の御答弁でしたが、総理は歳出の削減を強くおっしゃってますが、総理はこのことをどう思いますか? 総理のあなたの常識としてお答え下さい。
藤村 今平岡大臣御説明の通りで、ま、仕組みのところでこういうことになるというのが現実でございます。つまり、公設秘書の給与というのは、まあ、月ごとに払われるんだけど、1日に在籍した人には払われてしまうという今仕組みであります。
一方、いわゆるこちらの公務員になられた政府に入られた方について、これはいわゆるその、日割りも可能でありますので、それで両方ともがその方に行ったという現状だと思います。これは過去から指摘されてることで、やはり今後のこととしては、やはり日割りできちっと清算出来るという方が正しいやり方だと私は思っております。
棚橋 あの、総理の御見解を。
野田 え、あの、事実関係として今平岡大臣と官房長官の御説明でわかってまいりましたけれども、これ、二重取りというちょっと厳しい言い方で指弾してしまう前に、制度上生じてしまう問題だということでございますので、これを踏まえてどういう対応をするかだと思いますが、今官房長官お話になったように、日割りをベースで対応するというのがこれから基本ではないのかなというふうに思いましたし、これ、歴代こういうことが起こってて、別にこれ民主党政権だけではなくて、前からあったんだろうと思いますが、今そういうご指摘もあったんで、これは超党派で議論するテーマかもしれません。国会議員の公設秘書の給与に関わることでありますし、政権交代はこれからも起こることでありますので、そういう協議は大事だというふうに思います。
棚橋 ちなみに、そこまでおっしゃるならば、自民党政権の時代にこの二重取り問題に気がついて、秘書さんに、公設秘書の給与、その相当分の日当を国庫に返納するようにというような自民党の大臣がいた時に、あなたはどうするんですか?
あなた方は何で、藤村官房長官が言うとおり、制度の問題点を指摘されると言いながら、制度で許されるから二重取りするんですか?
やっぱり常識からすると、返させるもんじゃないですか、返却を。9月の、藤村長官、今うなずいてらっしゃいますが、もう一度総理、総理の常識を問いたい。給料を衆議院と大臣秘書官と両方もらっていて、制度がそうだったからいいってのは、野田さんの常識でしょうか?
それともやっぱり返すべきでしょうか?
総理、お願いいたします。
野田 自民党の頃にどの大臣がどういう形で対応したか、全て詳らかにわかりません。棚橋さんがその時に秘書さんに返納させたのかどうかもわかりませんけれど、それは個人の良識の問題じゃあなくて、こういう制度の問題が根底にあるということを踏まえた対応を、それぞれの良識じゃなくてですね、これからはすべきではないかということを申し上げたいんです。
棚橋 まず個人の良識だと思いますよ。給料を二重取りしちゃいけないっていうのは個人の良識でしょ。で、仮にそういう制度があっても返させるというのが常識じゃありませんか? 私がですね、議員便覧で調べた限りでもですね、同じように二重取りされている可能性がある大臣がたくさんいらっしゃるんですよ。大変残念なことに、制度の二重取りは制度としておかしいと言った時にうなずいてくださった官房長官、安住さん、あなたの大臣秘書官もそうですよね、確か。平岡さんだけではなくて。川端さんもそうですね。小宮山さんもそうですね。枝野大臣もそうですか。防衛大臣もそうですか。あ、山岡大臣、やっぱりそうですね。(会場「やっぱり…」騒然)古川大臣までそうじゃないですか。
こういった問題をきちんと総理として指導力を示して、少なくとも私はですね、平岡大臣にこの質問をした時に、二重取りに気がつかれたからすぐに返却させたと思ったんですよ。
今申し上げた大臣の中で、9月分の二重取りになる分は国庫に返却させたという大臣がいらっしゃったら、御答弁をいただければと思います。(騒然)
平岡 えー、少しお答えさせていただきたいと思います。実はですね、日割り計算の場合でも、月の給与ってのはまとめて払われるもんですから、たとえば10月の20日に退職した場合にどうするのかというと、21日以降のものについては返納という仕組みがあるんですね、日割り計算の場合は。それで、私も、これは返納の仕組みが公設秘書の場合もつき割りであってもあるんじゃないかということで、衆議院の議員課の方に問い合わせをさせていただきました。そうしたらですね、この公設秘書の場合は、返納という仕組みがないので、これはあくまでも国庫に対する寄付ということで任意にやっていただかなければならないという仕組みになっていると。まあ仕組みというよりは、仕組みがないもんですから、やむを得ずそういうことでやった例があるということを聞きました。このケースとはちょっと違うんですけども。
そういうことでですね、私も国庫に対して寄付をするということをこれからどのように求めていったらいいのかということについては、まあ既にもう退職した人間でもありますし、これは国庫の寄付でありますから任意に対応しなければならないという問題でありますので、そういうことを考えていきたいというふうに思います。
棚橋 この感覚がおかしいんですよね。法務委員会で質問して、平岡さんは私は当然二重取りの分は返納させると、元秘書とは言え指示をすると。で、どうしようもなければ、国会議員としての歳費は確かに公職選挙法等で議論ありますが、大臣給与の分は返納できますよね。当然それをやってますという平岡さんから私は答弁があるかと思ったんですよ。(会場騒然)で、不思議なことにですね、二重取りというのもおかしいと言われれば、残念なことに、まず民主党国対が了解をしてくれなかったんで、平岡さんのところから法務委員会の理事会に出てきた、その当該秘書さんの給与明細すら、今回資料、パネルで使えないんです。
それはやっぱりあなた方がやましいとわかってるからじゃないですか。(会場ざわざわ)
どうか、消費税を上げる前に、まず歳入の問題の前に、歳出、特に総理は所信で自ら襟を正すとおっしゃったんですから、閣内の半分の大臣がこういう状況であるようなことは、どうか襟を正していただきますことを強く求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
委員長 理事会におきましてはこの問題にご議論をして、二重取りということについては、まあ、文書では使わない。それを、法務委員会では、法務委員会理事会限りの資料だと、こういうことを前提に御質疑をいただくということになっております。これらの点についても御議論を今後いただきますようお願いいたします。