TPP交渉の是非 総理は自らの言葉で信念を語れ 11月21日 参議院予算委員会 礒崎陽輔氏(自民)4 |
動画:http://www.youtube.com/watch?v=3z6rWujItII
質問 礒崎陽輔氏(自民党)
答弁 野田佳彦内閣総理大臣
鹿野道彦農林水産大臣
玄葉光一郎外務大臣
礒崎 (承前)ま、総理はあの、本会議でずうっとこの前棒読みをしましたけど、なぜ本会議答弁は棒読みなんでしょうか?(会場笑)
野田 あの、いただいたご質問に対して、なるべく正確を期して政府の方針をお伝えをした方がいいだろう、そういう意味から、あの、ま、棒読みという表現でありますけれども、あの、一生懸命、あの、(西田「棒読みじゃないか」)用意したメモを踏まえて対応をさしていただいているということであります。
礒崎 ま、一生懸命棒読みされたんでしょうけどね、この前、我が方の、あの、高階議員の時だけちょこっと総理が何か言ったんですよ。まあ美人の国会議員だけサービスするのかもしれませんけどね。でもちょっと言ったらあの、我が党の西田昌司君もだいぶおとなしくなったんです。野次がだいぶおとなしくなった。なぜだと思いますか。なぜだと思いますか。
野田 ちょっとあの、私に問われても分かりませんが、(会場笑)西田さんに聞いていただければと思います。
礒崎 ま、西田君に聞いてもいいんですけど、これわからなきゃ困るんです、総理。やっぱり総理が自らの言葉で語ると言うことは重いんですよ。西田君でさえ、総理がやっぱり(会場笑)きちっと自らの言葉で語ればですね、一生懸命聞くんですよ。それがやっぱりね、総理分かってなきゃ駄目なんじゃないですか。(会場「その通りだ」)だからTPPも同じじゃないですか。もう最初ずうっと党の中で協議してると言って逃げ続けて、今度は党の中で玉虫色の結論が出たら、総理も同じようにTPP参加交渉に「向けて」関係各国と協議をすると、これじゃやっぱり日本の国民は総理信頼できないですね。
私はTPP交渉参加は反対の立場でありますけれど、まあそれは今置いておいて、総理は日本のリーダーとして国民にしっかりと自分の方針を語るべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか?
野田 あの、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入るということは、国内でも国外でも同じ事を言っていますし、この国会でもそのご答弁をさせていただいております。方針はまさにこれであります。そのものであります。
礒崎 いやその結果民主党の中でも、ああでもない、こうでもないとなっておるんでしょ。与党もまとめられないでね、外交交渉なんか出来ませんよ。多少怒られてもいいから、ちゃんとはっきりと自分の信念を通す感じはありませんか、考えは?
野田 党内・政府内のまさに合意形成の中で、慎重に熟慮をした中で、出した結論が、さっき申し上げた、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入るということでございますので、これは別に我が国だけではなくて、カナダもメキシコもまさに同じ表現で自分たちの意志を示してるわけでございますので、国際社会から見ても、あの、別におかしな対応ではないというふうに思います。
礒崎 いや、私はおかしいと思いますよ。ま、郵政民営化、これは賛成、反対、色々な意見があるけど、小泉純一郎総理はね、あれだけ自民党がみんな反対してる中で、まず自分で語り、そしてああやって大きく議論をし、そして最後まで自分の信念を通した。日本の総理大臣はかくあるべきと思いませんか?
野田 あの、それぞれの総理大臣のですね、あの、指導力の発揮の仕方は色々あるというふうに思います。あの、私は私なりのやり方でやっていきたいというふうに思います。
礒崎 それでは誰も総理のことを信用しないと思います。
じゃあ質問を変えますけどね、じゃあ今の参加に向けてということですが、参加の決断はいつするんですか?
野田 これから関係国との協議をする中で、えー、それぞれの国が我が国に何を求めてくる、求めてくるかということがだんだん分かってくると思います。そうした、得た情報をしっかりと皆様にご説明をしながら、十分な議論を踏まえて、最終的には国益に沿って結論を出すと、そういうプロセスをたどると言うことであります。(会場から「だからいつやるんだ」など)
礒崎 いや、プロセスはそうなんでしょうけど、だからそれはいつごろになるんですか? まああの、いつと言う訳にいかんなら、いつ頃でもいいし、どんな状況になったらでもいいですけど、それをあの、あんまり他の党も質問してないんですね。いつになったら「参加に向けて」が「参加」に変わるんでしょうか?
野田 あの、交渉参加となるのは結果としてまあ、入ってる9カ国の同意を得るということですね。情勢として。それがいつになるかって、これは分かりません。加えて、9カ国の同意を得る前に、我々が主体的に交渉参加するかという意思決定をするかどうかも、これ関係国とのまさに情報の交換等々踏まえてでありますんで、明確にいつまでにということは、これはちょっと、あの、現段階で交渉参加してない以上ですね、情報まだ考えてる(?)部分もありますので、現時点でいつまでと明確に言うことはちょっと困難なんだというふうに思います。
礒崎 それでもうだからアバウトなんですね。だからその、何を議論をする、何を総理の言うことを信用するのか国民分かりませんよ。たとえばそれに2、3ヶ月かけるとか、年度一杯かけるとか、そんなことを言わないと、国民は信用できませんよ。実際あの参加表明をしてから、アメリカ議会90日かかるんでしょう? ま、新聞によると半年以上先になるんじゃないかと、早くてですよ、早くて、参加、交渉参加ですね、交渉参加が、半年以上先になるんじゃないかという報道もありますが、その(聞き取り不能)そんなにかかると思ってますか?
野田 あの、アメリカの場合は、ご指摘の通り、あの、90日ルールというのがあります。で、こうやって、各国もその後合意、というか承認をするというのはですね、参加するか認めるかどうかってのは、まあ、それぞれ国によって手続きが違いますし、まあそれはまさに関係国との、まさにこれからの協議をしてみないとはっきり言える段階ではもちろんないということであります。
礒崎 まあ結局何にも分からないということがよく分かりました。あの、鹿野農水大臣、この前の予算委員会で、米を例外項目にすることはきわめて難しいという答弁をなさいましたよね。それも間違いないですね。
鹿野 大変困難なことではあるんじゃないかなと、このような考え方を申し述べたところでございます。
礒崎 こういう答弁をねえ、平然としていただいてありがとうございます。そうですよ。例外項目なんかないんですよ。総理はいいですね、今の鹿野大臣の答弁で。
委員長 じ、じゃ、じゃあ、外務大臣玄葉光一郎君。
(会場「総理だよ」「総理」)
玄葉外務大臣 あの、これ、除外とか例外が認められるかどうかは、そういう主張する国もあれば、そうではない、あくまで原則的・段階的に長期に関税を撤廃するという主張をする国もあって、まとまってないというのが今の状況です。(会場騒然)いや、それと、先生、先生先生、先生、先生、先生、それと、あの、先ほど90日ルールの話がございましたけども、あれは90日ルールを経てから交渉参加でありますので、一応事実関係だけ申し上げたいと思います。
礒崎 (着席のままで)閣内不一致だよ、答弁違うから。
委員長 あの……
(山本理事が委員長席前で「委員長申し訳ありません、閣内不一致ですから。農水大臣は、米を例外品目にすることは極めて難しいというふうに言ってるわけですね。」)
委員長 止めて。
(山本「ちょっともう一回……」会場「全然違うじゃないか」)
(速記中止により音声中断)
(速記再開)
委員長 もういっぺん農水大臣。
鹿野 TPP協定という、この今日の状況というふうなものを色々議論されておりますが、基本的に10年内にいわゆる関税を撤廃するというようなことだというふうに承知しているわけでございまして、ま、そういう中で、えー、今後どういうふうなものが除外品目になるか、例外的な扱いがあるかということは当然交渉でございますけども、今の時点でどうかと言われれば、私は大変困難な事ではないかなというふうな事も、思っておるところでございますと、こう申し上げたところでございます。
委員長 それじゃあ、野田内閣総理大臣。
野田 あの、まあ、困難か困難じゃないかってそれ、見通しの判断はひとつあると思うんですが、センシティブ品目について配慮しながら我々は対応していくと言うことでありますし、加えて、今回のホノルルAPECで9カ国によって、あの、大まかな輪郭の話がございました。で、そこについては、センシティブ品目について、えー、ちょっと正確な表現は忘れましたけど、まだ議論をしているという表現をしていたというふうに思いますので、私どもは国益を踏まえてしっかりと対応していきたいというふうに思っています。
礒崎 あの、まあ全然話がおかしいんですが、まあとにかく、農水大臣ははっきり米を例外項目にするのは極めて難しいであろう、でいいですよ、推測でいいですよ、そういう見通しを示したと。ま、総理は訳の分からんことを言って、政府の答弁は鹿野さんの方が正しいんだと私は思います。
まああの、きちっとやっぱり閣内をまとめた方がいいと思いますけどね。
えー、私もね、日本が自由貿易立国であることは間違いない。だから、開国か鎖国とかと言うのは全く不毛の議論であって、そんなもの開国をしとるんですよ、今も話に出ましたけどね。ASEANでどんな話してきたんですか、総理、あの、経済連携について。
野田 あの、経済連携についてはですね、まあ、TPPの話ではなくて、今回むしろASEAN向けの議論を進めなければいけないというふうな思いからですね、ASEAN+3、ASEAN+6、それから日中韓、この経済連携を具体的に推し進めるための議論をさしていただきました。日中韓については年内に特に中国との調整が若干残ってますが、投資協定しっかりやっていきましょうと。それを踏まえて具体的な議論を日中韓で進めていきましょうという、これは合意ができました。で、ASEAN+3とASEAN+6については、日本と中国がもう既に作業部会設置することを共同提案しています。それに向けてASEAN諸国が前向きな対応をし始めていると言う状況でございます。
礒崎 まさにね、TPPというのはひとつの選択肢であると言うことを国民にちゃんと言わんといかんと思うんですよ。今まさに総理が言ったように、色んな事を総理がやっとるわけでしょ。なぜTPPかちゅう問題ですよ。だから開国か鎖国かなんていう馬鹿な議論をしててもしょうがないんで、テレビ見るとそんなことばっかり言ってるんだけど、そうじゃないんですよ。なぜTPPなのかという議論をしっかりと、国民にもっと訴えるべきだと思いますが、いかがですか?
野田 あの、ご指摘の通りだと思います。で、FTAAPというアジア太平洋における自由貿易圏を作っていくことが一番の目標であります。そのための道筋で、TPPもある、ASEAN+6もある、ASEAN+3もあると。そういう中で、私どもはそれぞれ多角的に推進できるような立場で行きたいというふうに思っています。
礒崎 そうであれば、先ほど農水大臣の答弁にあったように、10年間で例外なく、ま、原則例外なくって言ったらいいかな、原則例外なく関税を撤廃しようというTPPは、あまりにも日本にとってきついものであるということをやっぱり、国民に言わなきゃならない。まあ、日韓中、中国、韓国、政治問題色々ありますけどね、こういう問題は、FTAであれば日本の主張がしっかり出来るはずであります。その違いを国民にしっかりと訴えていく必要があると思いますが、日韓中FTAはどうやって進めていく考えですか? 最後にお聞きします。
野田 あの、日中韓の投資協定はですね、先ほど申し上げたように何とか年内に持って行きたいんです。これ4年間議論してきました。で、投資協定で4年かかってて、FTAにまで持ってくにはまだもっと時間かかる可能性がある。そうではなくて早く投資協定を終わらせると言うことを主張しました。で、これは日中韓だけの提案です。あの、内国民待遇、ここはしっかりやって行きたいと思います。その上で日中韓についてはもう研究のレベルから交渉のレベルに早く持っていけるようにしていきたい。研究については年内これ終わると言う段階に来ています。
礒崎 これで終わりますが、まあちょっと非常にあの不明確な答弁がたくさんありますので、理事会において、委員長、またしっかりと議論したいと思います。ありがとうございました。(拍手)