沖縄防衛局長発言と普天間基地移設 12月5日 衆議院予算委員会 河井克行氏(自民)1 |
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質問 河井克行氏(自民党)
答弁 一川保夫防衛大臣
野田佳彦内閣総理大臣
玄葉光一郎外務大臣
委員長 この際、河井克行君から関連質疑の申し出があります。稲田さんの持ち時間の範囲内でこれを許します。河井克行君。
河井 はい、委員長。(拍手)
委員長 河井君。はい。
河井 おはようございます。自由民主党の河井克行です。先ほどから同僚の稲田朋美議員に対する、沖縄問題、野田総理大臣ならびに一川防衛大臣の答弁を聞いていて、言い逃れと責任回避ばかりだ。こんな答弁しかできないような今の内閣政権の姿勢、沖縄県民の皆さんは、今朝の皆さんの答弁を聞いて、余計に怒りが増してますよ。(会場「そうだ」)そして国民もまさに失望を感じている。簡潔かつ的確にこれからの答弁をしていただきたい。
先ほど一川大臣は、日程的に沖縄にすぐお詫びに行くことができなかったとおっしゃったけれども、あなたにとって今、沖縄問題以外に、沖縄問題以上に重要な日程、他にあるんですか。日米同盟の揺らぎ、在日米軍再編の停滞、その象徴が、辺野古移設の難航じゃないですか。そのために今沖縄の県民がまさに怒りに怒っている。これをお詫びに行って鎮めることが、あなたの閣僚としての最重要課題だと思う。それが日程的に行けないなんて、何を言ってるんですか。
これは、私が言ってるだけではない。3日の新聞、電子版は一斉に、前原誠司民主党政調会長が防衛大臣を批判したことを報じた。たとえば、日本経済新聞は、勉強不足が過ぎるとあなたのことを厳しく批判した。前原氏は、過去の経緯くらいは勉強して欲しい、そうでないと、安全保障、米軍との関係も、うまくハンドリングできないのではないか、と、防衛大臣としての資質に疑問を呈したということです。勉強不足が過ぎるとは、批判の二重表現ですよ、これは。これ以上厳しい表現はない。
そこでまず一川防衛大臣ご本人にお尋ねします。一、あなたは、少女暴行事件など、沖縄の基地問題に関わる過去の経緯はよく勉強していると思いますか。その前に、その前に、あなた、沖縄に謝罪に行く日の会見で、少女暴行事件を少女乱交事件って言ったんですって? お答え下さい。
一川防衛大臣 えー、お答え致します。今あの、先生最後におっしゃった、私が乱交事件という表現は、使ってないつもりでした。乱暴事件という言い方をさせ、当時使っていたつもりなんだけれども、なんか発音が悪かったのかそういう事になったのかもしれませんけども、えー、色んな先輩の沖縄県の県会・国会議員の方々からも、当時の少女暴行事件は、少女乱交事件という言い方でも当時言われてたという話を聞いておりましたので、そういう表現を使ったと思っております。
また、日程の問題につきましては、先ほどご答弁しましたように、私自身は国会なり委員会の日程の中で、えー、まず事務次官に、事務的にしっかりと説明してもらおうということで、(河井「質問に答えて」)行っていただいたということでございますので、私は、あの、日程的には、金曜日の日に行く時間しか取れなかったという意味では、大変申し訳なかったと言うふうに思っております。
河井 いや、だから、質問に答えなさいよ、大臣。過去の経緯をあなた自身がよく勉強してると思ってるか否かって聞いてるんです。答弁してください。
一川 あの、私自身は、まあ個人的な問題ですけども、約40年前に沖縄県が本土に復帰した折に、実は国会議員になる前に、沖縄県の仕事を担当していた時代がございました。まあそういうこともあって、当時しょっちゅう沖縄に行っておりましたので、そういう面では私は沖縄県の色んな課題の中では、米軍基地の問題の負担を軽減するということは大変沖縄県にとっては大事な課題であるという認識は当時から持っておりましたし、まあそういう面では、先ほど先生がおっしゃったようなことについては自分なりに関心を持ってきたつもりでございますけども、詳細に物事が全てわかってるというつもりではございませんけども、しかし、今回の少女暴行事件というのは、沖縄県の米軍基地に対する沖縄県民の怒りが沸騰したという痛ましい事件であったことは間違いないわけでございますし、で、そういうことを受けての、今普天間飛行場の返還の問題につながってきているというふうに承知をいたしております。
河井 昔の詳細な経緯じゃなくて、それでは、つい最近あなたが仲井真知事と会った時に知事から言われたことについて触れます。1年半前の名護市長選挙で、辺野古移設絶対反対の候補者が当選しましたね、大臣。この政党推薦した政、あ、この候補者を推薦した政党はどこですか?
一川 まああの、名護市長選挙の時に、(河井「どこかって聞いてんのよ」)民主党が推薦したというふうに思います。(河井「思います?」)いや、いや、民主党が推薦致しました。県連、県連ですね、はい。
河井 委員長、委員長委員長、そのことにつ、はい、そのことについて、あなたに、いいですか、県知事が会った時に、「民主党は辺野古移設に反対の候補者を応援して当選させたこの経緯について、民主党として納得の行く説明をお願いしますと申し上げてきた。」あなたはこれまでの経緯について勉強したとおっしゃったから、お答え下さい、この場で。納得の行く説明、なぜ民主党は当時、辺野古移設絶対反対の候補者を推薦して今日に至っているのか、お答えをいただきたい。(会場「いい質問だ」)(着席して)県連、そんなこと関係ない。県連なんか関係ない、そんなのは。県連も党本部だよ。一緒だよ、それは。
一川 まあ、当時沖縄県、民主党県連が、そういう対応をされたということは、えーご案内の通りでございますけども、仲井真、仲井真知事さんからも、当時の市長選挙において、民主党県連が、こういう、うー、ことで、市長選挙に臨んでいたということでは、この普天間問題については、やはりその民主党の、おー、沖縄県連を、しっかりと、まあ納得できるようにしてほしいというような趣旨の話は、我々が行った折にも色々とやり取りがございましたし、今日まで、そういう民主党の石川県連(ママ)の方々とも、面談はいたしておりますけれども、あ、沖縄県連です、すみません、そういう面では、あの、十分まだ理解されて無いというのが現実でございます。
河井 今防衛大臣がおっしゃった沖縄県連、納得させるようにまだ至っていないと言うこの言葉はあとでまた、あの、活きて来ますから、えー、しっかりとテイクノートしておきたいと思います。
総理大臣にお伺いいたします。前原政調会長が指摘した二点、一点目、一川大臣は、沖縄の基地問題に関わる過去の経緯をよく勉強していると思いますか? 二、一川大臣は、安全保障問題や米軍との関係を上手に対処してると思いますか? お答え下さい。
野田内閣総理大臣 あの、先ほど一川大臣がご答弁されたように、沖縄の問題については、ずっとあの、関心を持ち続けてきていた、ということは、これ事実としてあるというふうに思いますし、日米関係の問題においても、懸命に今努力をされてるというふうに理解をしています。
河井 まったくじゃあ党内不一致じゃないですか、総理大臣。あなたを支える立場にある政権党の政調会長の意見と、総理大臣自身が、閣僚の資質についてという最も重要な案件について、バラバラな表現をしている。これはもう普通政権末期に見られる症状ですよ。なんでこうまでして総理大臣が一川大臣をかばい続けなくちゃいけないのか。それは、一川さんにまだ使い道があるからなんでしょ?
年内に辺野古移設に向けた環境影響評価書を沖縄に提出する作業がどうしても必要だ。でも、沖縄県知事も県議会も評価書の提出には強く反対をしている。もし沖縄の反対を無視して評価書の提出を強行するならば、時の防衛大臣と今後一切話ができないと、沖縄が言ってくる事は容易に想定できる。
よって、どうせやめさせることになっている一川大臣に評価書の提出と言う泥だけかぶらせて、自分の政権は生きながらえようとしている。まあ大体そんなとこじゃないですか、総理の腹のうちは。(会場ざわめく)いかがですか。
あなたは、総理大臣、年内の評価書の提出を、今の一川大臣に担当させるおつもりなのか、それとも別の他の人に担当させるおつもりなのか、お答え下さい。
野田 あの、あまりにもたくましい推理力にびっくりしましたけども、あの、私自身は一川大臣には引き続き襟を正して職務を遂行していただきたい。で、それは、環境評価所の問題もありますし、FXの選定もありますし、様々な重要な課題がございますので、しっかり対応していただきたいというふうに考えております。
河井 確認します。環境影響評価書の提出も、今の一川大臣に任せる訳ですね? イエスかノーかお答え下さい。
野田 年内に環境影響、かしょう、影響しょう、あの、影響評価書を提出する準備をしていますけれども、その担当大臣は一川大臣でございます。
河井 沖縄の人々は、一川大臣が大臣の席にいる限り、一切話に応じてくれませんよ。次から次へと様々な感情を害する色々な問題発言ばかりをする。それでも野田総理大臣が、環境影響評価書の提出は一川さんに任せるということを今明確におっしゃっていただいた。
私は、この普天間基地の辺野古移設を巡る一連の総理や担当閣僚の今までの国会での答弁をずっと聞いていて、何が何でも実現したいという気迫を全く感じることができないんですよ。
その証拠に、先だっての11月30日の外務委員会で、私は何度も玄葉外務大臣に、あなたは辺野古移設に担当閣僚のひとりとして政治生命を懸けますかと聞いたけど、明確な答えはとうとう返ってこなかった。それどころか、「政治生命を懸けるか」という表現が適切かどうかなんてあなたは私に嘯いたほどである。玄葉大臣、確認をします。あなたは辺野古移設、政治生命を懸けますか、簡潔にお答え下さい。
玄葉外務大臣 全力を尽くして、そしてまた、あの時も申し上げたと思いますが、死力を尽くしてこの問題に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
河井 死力とか全力とか言うけれども、責任を伴う政治生命を懸けるという表現は絶対しない。
野田総理大臣にもお尋ねします。12月2日の外務委員会でも私は質問させていただきました。もう一度確認します。総理は辺野古移設に政治生命を懸けてお仕事してらっしゃるかどうか、お答え下さい。
野田 普天間の移設問題については、私も全力を尽くして責任を果たしていきたいというふうに思います。
河井 同じような答弁しか返ってこない。あの、一川さんには、私は質問しません。まあどうせ辞めていかれる方だと思いますから。
結局あなたたちは責任を取りたくない。政治生命を懸けると言って、辺野古移設、普天間基地の移設、失敗した時の責任が問われるから。でもそれはね、保身なんですよ、政治家としての。いかに責任を回避するか、今の政権はそればかりに汲々としている。そういう総理や閣僚が、本気じゃない、真剣じゃないという姿、辺野古移設に政治生命なんか懸けていないということを官僚は見抜いて舐めている。だからあんな暴言が、移転の沖縄における防衛省、最高責任者、当事者から飛び出してくる。橋本龍太郎総理大臣をはじめ、歴代の自由民主党の総理、外務大臣、防衛大臣、防衛庁長官、たくさんの関係してきた国会議員が、沖縄に行って、地元の皆さんとともに、時には泡盛を酌み交わしながら、真剣にその地域の将来を語り合ってきた頃に、こんな馬鹿げたことは起きなかった。
田中聡沖縄防衛局長の暴言の後半部分に、私は今の関係する官僚たちの気分がよく表れてると思います。時事通信の11月29日の配信記事によると、「政治家にはわからないが、審議官級の間では、来年夏までに米軍基地の移設問題で具体的な動きがなければ、辺野古移設は止める話になっている」云々と。政治家にはわからないがと、職員から馬鹿にされて舐められてる。私は今の政権の実態が、あの前防衛局長の言葉によく象徴されている。お役人が民主党政権の足元を見ている。
もうひとつの理由に、民主党は、普天間の辺野古移設に賛成するように、身内も説得できてないという現状があるじゃないですか。話をする順序が逆なんですよ。沖縄県知事や沖縄県議会や名護市長や名護市議会に、頭を下げに行く前に、まず沖縄選出の民主党の国会議員、県会議員、県連、辺野古移設に賛成させるべきでしょう、総理。ただのひとりの民主党……(続く)