2月10日 衆院予算委 西村康稔氏 2 イラン問題と日本の安全保障、TPP |
動画
http://www.youtube.com/watch?v=ilNU8qUAHDg#t=26m35s
質問 西村康稔氏(自由民主党)
答弁 野田佳彦内閣総理大臣
玄葉光一郎外務大臣
田中直紀防衛大臣
渡辺周防衛副大臣
西村 ありがとうございます。前向きなご答弁と受け止めさせていただきますが、ちょっと念のため申し上げますけれども、資料の8、資料の8にですね、各国、これ、政府が、政府が目標を決めて日銀に指示をするというパターンと、アコード、協定を結ぶというパターンと両方、これは各国やってます。
ま、このようなことを念頭に置きながらですね、我々消費税から逃げるつもりはありませんから、我々も10%を公約をしてるわけですから、私は政調事務局長でこれをまとめたわけですから、これはしっかりと民主党内まとめて案を出していただければ、これは我々議論から逃げません。
しかし、それだけでは駄目なんですよ。それだけでは財政再建もできないし、日本経済もよくならない。今一番最初にやらなきゃならないのは、このデフレ・円高対策なんです。だからこそ、まあ、日銀法の改正を、ま、視野に入れつつですね、これをやることを考えながら、是非これは両政調会長、同じような提案をされているわけですから、政調会長同士でやる、そう理解してよろしいですか。総理、いかがですか。
野田 あの、まあ、私どもの今の政府の立場は、日銀としっかりと緊密に連携をしながら、問題意識を共有しながら、それぞれ機動的な対策を講じるという姿勢でありますけれども、超党派の中で円高対策・デフレ対策の議論をしていただくことは大いに結構だというふうに思っております。
西村 あの、消費税だけ超党派で協議しようと、増税だけやろうと、そうじゃなくて、全体的な経済政策が大事なんでしょ、今。最初に申し上げた通りです。だからこのデフレ対策をまず超党派でやろうじゃありませんか。この厳しい日本経済、デフレ・円高脱却させましょうよ。それをもう一回お伺いしますけど、これを超党派でやりましょうね。
野田 あの、まさにですね、国難とも言うべき状況を打開するために、ま、今経済の話もありました、財政の話もあります、社会保障あります、そういう問題について胸襟を開いて議論するということは私は大いに結構だというふうに思います。あの、国会だけではなく、ま、政党間の協議も大いにやっていただければというふうに思います。
西村 あの、前向きな答弁と受け止めさせていただいて、是非、あの、自民党からしっかりした案を提案をさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いを致します。
えー、時間がだいぶ経ちましたので、イランの情勢についてもいくつか石油・エネルギーの情勢もお伺いしたかったんですが、えー、ちょっとホルムズ海峡の情勢についてお伺いしたいと思います。
ワシントンポストにですね、これ、玄葉大臣にお答えいただいたらいいと思うんですが、イスラエルによる対イラン攻撃がですね、4月、6月に為される可能性が高いと考えていると、パネッタ国防長官がですね、そう考えているという記事が報道されました。その後、長官、パネッタ長官はノーコメントを通されているようでありますけれども、これ、万が一ホルムズ海峡を封鎖される、あるいはそういう交戦状態になる、アメリカと、ま、イスラエル・イラン、そうすると当然アメリカも交戦することになるんだと思いますが、こうした状況について、万が一のことについて、アメリカと色んな話をされてますか。まあ言えないこともあると思いますが、言える範囲でお答えをいただければと思います。
玄葉 えー、西村委員おっしゃる通り、イスラエルの立場はもう外に表明をしている立場として、えー、あらゆるオプションを排除しないと、こういうふうに言っていると、そういう立場表明があるというふうに承知をしています。
で、ホルムズ海峡が封鎖をされるというふうになるとですね、日本の場合は、これもご承知の通り、原油、日本に来る原油の85%はホルムズ海峡を通過している。LNGは確か2割弱だったのではないかというふうに思います。
従って、この問題についてアメリカだけではなくて、国際社会全体で深刻な懸念を共有しています。で、米国との連携は極めて大事でありますので、まずはですね、効果的な制裁というものを行う、そのために一つは能動的に動く、効果的な制裁たり得るためにどうするかということです。
で、もう一つは独自のイランに対する働きかけは、どこかのタイミング、適切なタイミングで行っていく。
両面からですね、能動的な動きというものが日本政府に求められているというふうに考えて行動しております。
西村 ま、色んなオプションが、を排除しないと、様々なオプションを排除しないということでありますので、万が一そういう状況になるということも考えられるわけでありますけれども、万が一交戦なりホルムズ海峡が閉鎖を、封鎖をされるというような時、日本の自衛隊は、一体何ができるのか。これは、防衛大臣、防衛大臣、自衛隊が何をできるのか、防衛大臣、お伺いしたいと思います。
田中防衛大臣 えー、この素案につきましては、防衛省としましては、今のところですね、あの、対応について、えー、具体的に検討しておる内容ではございません。そしてまたあの、今、議員がご指摘のようにですね、あの、私はあの、外交努力でこの問題は対処をしていくということが政府の大前提であるというふうに認識を致しておりますし、今の、我が自衛隊のですね、あの、法案の中では、このことについてはですね、あの、対処をするというような手段は持っておらないということでございます。
西村 あの、ちょっと、ご答弁よく分からないんですが、自衛隊が対処する法案を持っていないと、(委員長「手段」)手段を持っておられないということですけれども、これはあの、掃海艇は過去派遣をしてるわけですね。それ、まああんまり、あの、細かい事実関係だけを聞くつもりはありませんが、いざという時、先ほど玄葉大臣が答えられたようにですね、日本の石油の8割はあそこを通ってくるわけです、ホルムズ海峡をペルシャ湾から来るわけです。それが止まった時に日本が何もしないということはあり得ないんだと思うんですね。
その時に、自衛隊は、法的に何もやれることはないと、それは違いと思いますね。
どの法律に基づいて何ができるのか、しっかりお答えいただきたいと思います。大臣。
委員長 渡辺防衛副大臣。
西村 大臣、手挙げてます。
委員長 渡辺周副大臣。
渡辺 あの、掃海艇が派遣されたのは湾岸戦争の後、ただ戦争は終結をしていました。ですから機雷の除去ということをですね、これは確かあの時は海上警備行動で行ったと認識をしてます。あのあと法案をですね、できるまでの間の検討段階では、確か色んな議論がされていたと思います。ちょっとそこのところは今正確に、20年前の話でございます、理解して、あ、忘れて、少し失念しておりますけれども、今現状ですね、イランがたとえば機雷を敷設をして、ここで、あの、ホルムズ海峡を封鎖した場合に、我が国の艦船がたとえばいて自衛隊がいてですね、これ除去できるかと言ったら、現行の法律では、えー、これはできないということでございます。集団的自衛権に抵触するおそれがある。
ですので、これがもしイランではなくてですね、まあ戦争が、軍事的な緊張が終結したところで、そこでまあ不明の機雷があることを掃海艇がこれを除去しに行くことはできますけれども、もしここでホルムズ海峡を封鎖することによって、今、現行、自衛官が行くことは、これは大変ハードルの高い話と理解しております。
西村 あの、平成3年時点では、自衛隊99法に、99条に基づいて、まさにおっしゃった掃海艇を派遣して機雷の除去をやったようでありますけれども、まあ、あの、これは今日はあまり時間ありませんし、是非整理をしてですね、何ができるかっていうことはお示しをいただきたいと思います。委員長、お取り計らいお願いします。
委員長 はい、承りまして、理事会で協議の上、政府に申し入れを致します。
西村 その上で、えー、これは玄葉大臣でいいんでしょうか、周辺事態法、これが使えるのか、使えないのか。
玄葉 周辺事態法はですね、えー、これはまあ、基本的にご存知のように、あれは事態の性質に着目した概念でありますから、どこどこの国ということは言えません。ただし、ただしですね、もう過去の答弁でありましたように、いわゆる地球の裏側、その中で、中東を含めて想定していないということが、まあ、これまでのですね、政府の答弁だったというふうに思います。今、ホルムズ海峡というお話だったと思いますので、そういうことを申し上げます。
西村 あの、確かにですね、これは自民党政権時代でも、あの、アフガン情勢、イラク情勢について何ができるかというようなことも検討しました。その時には、まあ確か日本の安全保障にどの程度影響があるかという観点から、これは無理じゃないかっていう答弁、これは自民党時代もやっております。
ただ、ホルムズ海峡、今まさに言われたようにですね、80%の石油、日本が輸入する石油があそこを通ってくる。これは日本の安全保障に重大な影響を与える事態だと思うんですね。ですからこれを是非、あの、今日は、あの、あれですけれども、答弁、あの、結構ですけれども、是非、周辺事態法が使えるのか、使えないのか、これも検討していただきたい。私は周辺事態法、まあ、万が一アメリカ軍が出て後方支援なりをやる必要が出てきた場合はですね、これは検討すべきだというふうに思いますので、これも検討をお願いをしたいと思います。委員長、お取り計らいを。
委員長 理事会で協議して、合意の上で政府に申し入れます。
西村 その上で、総理にお伺いを致しますけれども、もし自衛隊法99条の掃海艇派遣も使えない、周辺事態法も使えないとなった場合にですね、仮にイランで何かがあり、ホルムズ海峡で何かあった場合に、日本の安全保障には相当重大な影響がある。
この時に日本が何もしないのか。また、イラン特措法なるものを作らないと間に合わない、新しい法律を作って、新たな枠組みで自衛隊を何らかの形で派遣をする、毎回同じことやるわけですね。アフガンで起こったらやる、イランで起こったらやる。
先般石破委員の方からご質問され、一般法をちゃんと作っておくべきだと。総理は煮え切らないご答弁でありましたけれども、総理の補佐官である長嶋昭久補佐官、私は超党派で安全保障の議員連盟をやっています。そこでは恒久法・一般法を作ろうということで意見がまとまっています。総理の補佐官ですよ。安全保障担当の補佐官だと伺っています。
総理、是非ですね、毎回、毎回、特別措置法を作る、そんな時間が無いわけです。今回もし急に何か起こった時、また法律を作らなきゃいけない。一般的な法律を作るべきだと思いますが、総理、改めてお伺いします。いかがですか。
野田 あの、まずはこのイランの問題について、えー、何をやらなきゃいけないのは、ま、国際社会とこれはやっぱり協調しながら、どういうことができるか、あの、対話と圧力で、今は圧力では国際社会と協調してやっているものもあります。で、日本独自の働きかけの対話もやっていかなければいけない。こうした、まさに外交的・平和的な努力によって問題解決に向かっていくというのが基本中の基本です。
で、一方で、あの、先ほどの議論にもあった通り、ホルムズ海峡はまあ日本にとって大変重要なところであって、あの、エネルギー源はそこに頼っているということを考えた時に、何か起こった時の想定というのはやらなければいけないと思います。で、それはまさに戦闘状態の時は色んな問題、限界があるかもしれません。その前にできること、あるいはその後にできること含めて、何ができるかということの議論は、これは当然、あの、やっておかなければいけないと思います。
で、その上で、なお、特別措置法は云々とか、一般法どうのという議論までのまだ私は段階ではないと思いますが、思いますが、ただ、一般法の議論は超党派で色んな議論があることを私もよく承知をしてます。そういう議論自体を、あの、まあ、進めるということは、私は全然あの問題ないというふうに思います。
西村 あの、また外交・安全保障の集中審議もありますし、石破委員もまた立たれる機会があると思いますので、そちらにまた譲りたいと思いますけれども、今の答弁は、この間の答弁よりかはちょっと前向きになっておられたんじゃないかと認識を致しましたので、まあ引き続きまた長島補佐官はじめですね、民主党の皆さんとも案をまとめるべく努力をしたいと思いますし、私は毎回毎回作るよりかは、やっぱり一般的な法律を、常にいつでも出来る用意をしておくべきだと思いますので、そのことを申し上げたいと思いまし、まあ、何も武力を使うことを前提に常にやるわけではありませんので、外交努力というのが一番大事で、戦わずして全て解決していくのが何より大事であります。
しかし、民主党の外交力には心配があるから、あえてこういうことも申し上げているわけでありまして、最後にもう時間がなくなりましたけれども、TPPの話を少しさせていただいて、えー、と思いますが、私はあの、TPPは基本的に賛成の立場で、アジア太平洋の繁栄のためにはですね、新しい貿易や投資のルールを作って、あるいは知的財産のルールを作る。それをASEANやAPECの場に広げていく。中国やロシアにもそうしたルールを守ってもらう。これが大事なそのひとつのプラットフォームになるというふうに理解をしておりますが、しかし、日本の農業のことを考えたり、あるいは医療、まあ、これは医療はもう大丈夫だっていうことを発表されましたけれども、当初は、えー、日本の医療保険、介護保険制度は崩壊するんじゃないか、崩壊させられるんじゃないかとかですね、言われてました。
農業についてもですね、何も丸裸になって全部関税、ただちにゼロにしろと、こんなことができるわけありません。色んなセンシティブな品目はあるということを、これは、私は前にも総理に申し上げました、どこかの委員会で申し上げましたけれども、最初にオバマ大統領に会った時に、それは、日本はセンシティブなやつがあると、品目があるということはですね、是非最初に言うべきであったということを申し上げましたけれども、先般アメリカに行って、USTRやホワイトハウスにも、私ども、そういう、私からそういう話もしておきました。
それで、あえて一つ、二つだけ、もう時間がありませんので、最後にしたいと思いますけれども、アメリカは、もうオーストラリアと結んでいるFTAについてはですね、これ二国間でFTA結んでますね。で、この砂糖や一部の酪農製品は例外品目としているんです。
アメリカの主張はですね、もうこれは再交渉しないと、そのままにするんだということを言っています。つまり、アメリカは自分のところのセンシティブな砂糖や一部の酪農製品はですね、もう例外品目扱いだと。しかし、後から入ってくる日本は例外品目無しですよと、こんなこと言っているわけですね。
これは、猛反論しました。そんな不公平な取り扱いがあるかと。この点、アメリカは自分の思うようにやろうとしている。これは徹底的にまさに交渉で外交力、まあ、そこまで言う話でも本当はありませんけれども、やらなきゃいけませんし、それから、基本的に米韓FTAをベースに色々考えていることがよく分かりました。
で、アメリカの自動車業界は、韓国に対して、ま、一社あたり2.5万台の、まあ、枠というか、数値目標というかですね、アメリカで検査をすればもう韓国で検査なしにそのまま輸出できるような仕組みを入れていると。しかし日本はこんなもの受け入れられないと。数値目標みたいなものは受け入れられないということは申し上げてきましたけれども、このあたりの交渉、昨日いくつか発表されていますけれども、アメリカは例外扱い、自分たちはするけど日本はなし、こんなことはあり得ないし、日本は数値目標みたいなことは受け入れられないし、このこうした方針はですね、きっちりと守っていただきたいと。
丸裸になってやると、アメリカの言うとおりにしますと、この姿勢は絶対にこれは受け入れられませんので、このことは玄葉大臣がいいですか、お答えをいただければと。
玄葉 あの、野田政権のまず外交、着実に結果重視で成果を挙げますので、そのことをまず申し上げたいと思います。で、その上で、今のTPPの話でございますけれども、今回もですね、包括的経済連携の基本方針に基づいて、えー、作業、こちらの対応していくということを言いました。それはすなわち、センシティブ品目に配慮をしながら、しかし全品目テーブルに乗せます。で、おっしゃった通り、問題は交渉の中で今のようなですね、勝ち取るべきものを勝ち取って行くということが大切です。
で、米韓が確かに私も参考になるというふうに思いますし、ジョウ、ドウ、どうもアメリカは参考にしているということも間違いありません。で、9千から9千500タリフライン(注:貿易品目の細目の数)がありますけれども、1%の除外をたとえば認めるということは、90だと。で、コメとその調製品で大体34のタリフラインですから、そういったことも含めて。
で、おっしゃる通り、たとえば自動車で数値目標、私、あり得ないと思います。私自身はあり得ないと思います。で、そういうことをやらないためにですね、まさにこういった高いレベルの経済連携というものが行われている。
ただ、現在米国との関係ではですね、まだ米国自身が何を要求してくるかということについて、整理できてません。ただ、先ほどおっしゃっていただきましたけれども、公的医療保険制度、これはもう要求しません。それと、単純労働者の問題、これも一切要求しません。ここはもうはっきり米国側から表明があったということでございます。
ですから、そういう意味で、今、西村委員がですね、言っていただいたような立場で臨んでいきたいというふうに考えております。
西村 えー、もう時間が来ましたので最後にしますが、あの、これまでの交渉、色んな様々な2年間の外交の姿勢を見てきて、心配だから申し上げているわけでありまして、是非日本の国益、日本の主張をしっかりとしていただきたいと思いますし、それからまあ、今回実はひとり大臣が増えるということですね。
実は私、色々期待をしまして、えー、まあ、総理は税、消費税、消費税重視でありますから岡田副総理の負担を軽くするということで色々考えられたんだと思いますが、私は、まあ、古川さん頑張っておられますけれども、色々兼任をしておられる。科学技術とか宇宙とか。
先ほど申し上げたように、経済全体のことを今、経済財政全体を考えて、日本の経済どうするか、財政再建を含めてどうするかということを考えなきゃいけない。これは私は古川さんを専任にする、もっと軽くしてあげる、そういう考えもあったと思いますし、あるいはTPPについても、どこが司令塔でやっているのか、各省バラバラないつも試算を持ってきてですね、調整してませんということでありますので、私はそういう司令塔、税だけじゃなくてですね、今大事なTPPであったり、あるいは、まあ、最も大事なのはデフレ円高対策でありますから、そこの司令塔を大臣にするということで期待を申し上げたんですが、ま、残念ながらそんなふうになっていないようでありますけれども、えー、いずれにしても、今日超党派でいくつか申し上げました。
何とか政治が前に進むようにですね、我々も提案をして頑張りたいと思いますので、提案をしていきたいと思いますので、是非よろしくお願い致します。今日はありがとうございました。(拍手)