2月8日 参議院予算委員会 川口順子氏(自民)米軍再編と普天間移設 防衛大臣答弁の迷走 |
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質問 川口順子氏(自由民主党)
答弁 玄葉光一郎外務大臣
田中直紀防衛大臣
野田佳彦内閣総理大臣
委員長 川口順子さん。川口さん。(拍手)
川口 おはようございます。総理をはじめ、閣僚の方々には連日大変お疲れ様に存じます。
新聞に今朝も普天間の件、あるいはその在日米軍の再編成の件もたくさん出ていて、8日に発表というふうに出ています。そういうことをなさるんでしょうか、玄葉大臣。
玄葉外務大臣 ええとですね、えー、今の在日米軍の再編についての進め方の調整を今しているわけでございますけれども、その方向性についてですね、日米共同で本日発表できればということで、今最終調整をしていると。ただ、方向性ということでございまして、詳細な部分についてはですね、もう数ヶ月かかるのではないかというふうに考えております。
川口 方向性とおっしゃるのはどういうことでしょうか。
玄葉 あの、先ほども申し上げましたけど、抑止力を維持して、沖縄の負担を早期に軽減する、そういった観点から、柔軟性を持って協議をしてきているわけでありますけれども、特にその沖縄の早期の負担の軽減の可能性というものを、この間ですね、追及をしてきたということでございまして、まだですね、発表でいると、まあ今日できれば発表できるようにということで最終調整はしておりますけれども、そういったいわゆる方向性ですね、その、ま、俗に言うパッケージ云々とかですね、そういったことも発表できればということで、今最終調整しているということでございます。
川口 まああの、抑止力の維持ですとか、負担の軽減とか、これはもうずうっと言ってきたことで、何も新しい話ではないと私は思います。この細かいことについては、また後の方で伺いますが、そういう大きな方向性、パッケージをどうするとか、ということについて、6日の予算委員会の議論では、分かったことは、これは玄葉大臣が総理とご相談をしてやっていらした、12月からクリントンから話をしていた。一方で田中大臣は、事務方から聞いていたのみで、これから入っていく、協議に入っていく。大筋こそ大臣が決めなければいけないこと。これに鈴木大臣が入っていないというような、(会場ざわめく)あ、失礼しました、田中大臣が、えー、入っていない、失礼しました、あの、つい旧姓が頭にありまして、失礼致しました。あの、えー、田中大臣が入っていないということで、こんなことで政府の体をなしているんでしょうか。これは、あの、田中大臣にお願いします。
田中防衛大臣 えー、あの、旧姓で呼んでいただきまして、大変あの、光栄でございます。事実をもってやってまいりたいと思います。
あの、この協議につきましては、静かな協議ということの表現がございますが、防衛省と致しましても、審議官級がですね、訪米致しまして、外務省とともども協議に参加をして、準備をしてきたところでございます。
私も、新しく就任を致しまして、その事情につきましては、伺っておるところでありますが、その準備がですね、整えば、また、皆さん方にもご報告はできると、ま、こういう立場でございましたんで、私も報告は静かに聞いておったところでございますが、ま、いよいよこの協議もですね、発表ができる段階に来ておるということでございますので、私と致しましても、しっかりとですね、我が国のこの立場をですね、防衛省として確立をしながら、この問題につきまして、参画をしていくところでございます。
川口 えー、質問に答えていただきたいと思います。何で大筋を決める防衛大臣が一番絡んでなければいけなかったところに防衛大臣が入っていなかったか、田中大臣が入っていなかったかということを伺っております。
田中 あの、私自身、あの、防衛省に、あの、着任して以来ですね、この問題につきましては、あの、報告を受け、そしてまた、私が、あの、指示したこともございます。
(山本一太理事が委員長席の前に行く)
委員長 はいはい、それじゃあ、田中防衛大臣、もう一度川口順子さんの質問にお答えをいただきたいと存じます。
田中 私があの、防衛省に着任を致しましてから、しっかりコミットしております。指示を致しておるところでございます。
川口 それでは、本件について、着任以降、総理とご相談をなさったことはおありですか。総理。
野田内閣総理大臣 あの、大臣本人と直接的ではございませんけれども、あの、昨年来、静かに協議を始めてる報告は両省から随時お伺いをしてきております。
川口 「静かに」ということは、大臣を排除するために使っている言葉ではないんです。これは対外的に、あの、秘密にしなければいけない交渉等ありますから、その時に使う言葉です。
これは、田中大臣は直接に入る情報を上げてもらえなかった、入ることができなかったというふうに私は理解しますが、田中大臣、いかがでしょうか。
田中 えー、私はあの、事務方からですね、報告を受けておりました。またあの、先般、あの、パネット(ママ)国防長官ともですね、電話会談を致しました。この件につきましては詳細な話はしませんでしたけれども、しっかりとこれから連携を取っていくということをお話をして、コミットをしておる、ま、具体的なお話として申し上げる次第でございます。
川口 当たり前ですよね、就任後アメリカの国防長官と話をするなんていうのは。何ら珍しいことではない。それでは、防衛大臣は、具体的に先ほど指示をなさったとおっしゃいましたけれども、どういう指示を、何についてなさいましたか。
田中 えー、この問題につきまして、防衛省と致しましては、沖縄の負担軽減と言うものがですね、第一であると、いうことを私は指示を致しておりますし、この交渉の中で、えー、負担軽減がですね、置き去りにされるようなことはあってはいけない、最優先でこの負担軽減というものがですね、取り組めるような、そういう協議、そして、合意をしてもらうということは、強く指示をしたところでございます。
川口 これは、防衛大臣の指示としては全く見当違いであると言わざるを得ません。防衛大臣としてしなければいけない指示というのは、負担軽減ももちろんですけれども、我が国の安全保障、抑止力はこれによって維持されるのか、される必要がある、それを自ら指示をなさり、そして、内容を確認するということであったはずです。
田中 えー、日米安保条約で、えー、我が国の抑止力が維持されておる、そしてまた自衛隊によってですね、えー、強化されておるわけでございます。当然、沖縄の海兵隊の存在というものは、抑止力の一翼を担っていただいているわけでありますので、この日米合意というものをですね、大前提にしながら、よしく、抑止力を維持していくということは、維持されるわけでございまして、私はその認識の下にですね、その中にあって、沖縄の基地負担というものをですね、何とか、やはり早くですね、軽減していく、こういうことが実施できる、実施していくということのあらわれをですね、この交渉にも反映をさせていくことが大事だということで、話をしておるところでございます。
川口 これはまた全然質問に答えてないですね。抑止力の維持というのをどう確認、本件について確認なさいましたかということなんです。日米、あの、同盟あるいは安保条約というものが大事なことは分かっていますが、海兵隊は一翼なんていうものじゃないんですよ。抑止力の中で非常に重要な部分、それを動かそうという時に、今までの合意を変えようっていう時に、抑止力どうなってるかっていうご質問なさらなかったんですか。指示をなさらなかったんですか。(会場から激しく多数の発言)
田中 あの、普天間問題につきましてもですね、日米合意が大前提だということで私は就任以来申し上げておるところでございまして、これは何と言っても、抑止力を維持していくという観点からも大事な条件でございますので、私は常々抑止力のことにつきましては、あの、念頭に置いて発言をしておることをご理解いただきたいと思います。
川口 今おっしゃった「日米合意が大事」の日米合意って、何の日米合意ですか。
(玄葉外務大臣が手を挙げる。「防衛大臣」という発言多数。)
田中 あの、昨年の6月のですね、2プラス2の合意、これが日米合意の内容でございます。その点を申し上げておるところでございます。
川口 呆れてちょっと質問ができません。これは、新しく合意をしようということで、今動いていらっしゃるんでしょう。それで大筋について、合意を今日発表しようということなんでしょう。それで抑止力が守られる、維持されるのかどうか、ということについて、指示もなさらず、質問も発していない。協議にももちろん入っていない。相手の国防長官とも話をしていない。それでもう防衛大臣が務まると思いません。これはあの、総理、任命責任は総理にあります。総理は今のご答弁をお聞きになって、防衛大臣が防衛大臣の職責を果たしていると思っていらっしゃいますか。
野田 この、あの、日米における、あの、いわゆる静かな協議、抑止力を維持しつつ沖縄の軽減を早期に具体的に進めて行くという、そういう枠組みでの議論を進めてまいりましたけれども、去年から動いておりますので、外務大臣はその頃から玄葉外務大臣ですから詳細を知っております。で、新たに田中大臣は今年からでありますから、去年からの動きを事務方から聞きながらその都度指示をされてるということでありますので、(会場から発言多数)あの、その時系列の差はありますが、防衛大臣としてしっかりと報告を受けながら指示をされてると、あの、私は思っております。
川口 あの、総理も私の質問にお答えいただいていないと思うんですね。私の質問は、防衛大臣の今の答弁をお聞きになって、防衛大臣が防衛大臣の職責を果たしていると思っていらっしゃるか、ということです。
野田 あの、ご本人は一生懸命答弁されてるというふうに思います。(会場から発言多数)
川口 職責を果たしているかということにもう一度お答え下さい。
野田 あの、防衛省から過去の経緯を聞きながら報告を受けながら、その都度指示をしてると言う意味において職責を果たしていると思います。
川口 まあ、総理の、私は、あの、判断能力、人の判断能力に、クエスチョンマークをつけざるを得ません。防衛大臣として果たすべき役割、外務大臣とペアになって果たすべき役割というのは、抑止力、もちろん負担の軽減とても大事です。だけど、指示はそれだけでは足りない。我が国の安全保証は防衛大臣の手に握られている。こんな方に防衛大臣を今やっているこの国民の不幸。これを作ったのは総理です。もう一度コメントお願いします。
野田 あの、従来からの日米合意に基づいて海兵隊の数をどれぐらい先にたとえば移転するのか等々踏まえて、抑止力の観点から防衛省もずっと検討してきており、それに基づいて大臣も指示をしてるというふうに思います。
川口 まああの、これは、えー、インターネットテレビは流れていますので、防衛大臣がいかにこの問題を把握しているかということについては十分に国民の人は見ている。総理の人事権についても判断をしているということを申し上げさせていただいて、次に行きますが、総理、それでは、何で今、分散、分断をして、パッケージを分断して、こういう動きになったんでしょうか。総理。(玄葉外相が手を挙げる。「総理」という声多数。)
野田 ま、あの、具体的な内容については、まあ今日あの、発表するかどうか、最終的な詰めでありますけれども、基本的にはなかなか、えー、今の普天間の問題が進展をしていないという状況、一方でアメリカにおいても、あの、グアム移転の問題がなかなか財政の問題も含めて色んな状況が生まれている。一方でアジア太平洋地域におけるコミットメントは一歩ずつしっかり果たしていこうという、そういうアメリカの動きの中と、国内の我々の動きと、ま、総合、両方で共同作業で知恵を出し合おうというのが今回の動きの発端でございます。
委員長 外務大臣玄葉光一郎君の補足説明を、あの、許しますが、簡潔に願います。
玄葉 いや、もうあの、簡潔ということであればですね、あの、野田総理の答弁通りだというふうに思います。
川口 もう一度防衛大臣に伺います。本パッケージをどのように評価をしていらっしゃいますか。
(玄葉外相が手を挙げる。「防衛大臣」「防衛大臣」という声多数。)
田中 あの、そのパッケージというお話…はい、お話ですか。いえ、あの、このキリヘ、あの、切り離すということでございますか。
あの、今回の柔軟な、柔軟性をもってですね、あの、対処すると言う中にはですね、当然普天間の飛行場と、そしてまた、あの、このグアム移転につきまして、切り離しをして、対処していくと、ま、こういうことがまず前提になっておることを先生もご存知だと思いますが、このことにつきましては、私は、あの、先ほどの抑止力の問題、これは大前提でありますけれども、しかしあの、沖縄の基地の負担軽減というものはですね、これは何と言っても進めなければいけない、あの、問題でございますから、この二つの問題をパッケージではなくて、切り離して、あの、対処をすると、柔軟的に対処をするということは、大変あの、私は前進だと思っておりますし、わ、わ、わ、我が国のこの要望ですね、あの、実現が実施ができるように、更なる努力をしていくということで考えております。
(山本一太理事「今ちょっと答弁違いますよ。『前提になってる』って言ってるじゃないですか。答弁が違ってますよ」など理事たちと委員長がやがや」
委員長 それじゃあ、川口…川口順子さん、恐縮ですが、あの、質問の趣旨をもう一度、あの、お述べいただきたいと存じます。
(理事たちが委員長席の周りで様々に申し入れ)
委員長 あの、もう一度ご質問を願います。
川口 あの、「普天間を切り離すというのを前提にしている」、それを後に遅らせるということですね、という趣旨のご答弁ですか、今のは。
田中 ともに進めるということでございます。
(会場から多数の発言。理事たちが委員長席の前で「答弁が違いますよ。訂正してください」などと申し入れ)
委員長 はい、そいじゃあ、あの、田中、田中直紀防衛大臣、もう一度ご答弁を願いたいと存じます。
(「答弁が違うから撤回してください」など多数の発言)
田中 あの、グアム、グアム移転とですね、あの、普天間飛行場の移設については、ともに進めていくということでございます。
川口 ということは、さっきの答弁と違いますが、取り消されるということですね。
またまた違う答弁をしてる防衛大臣ですけれども。
田中 あの、進め方については柔軟に進めますが、少しあの、表現が違いましたら大変申し訳ございませんでした。
(会場から多数の発言。理事が再び委員長席の前に集まって申し入れ)
委員長 あの、速記を止めて。
(速記中止により音声中断)
委員長 防衛大臣、防衛大臣、田中直紀君。
田中 あの、先生からですね、最初にパッケージというお話がございましたので、大変そのパッケージのお話から入ったんで、切り離しとこう申し上げました。大変その点あの、言葉が不十分だったと思いますが、あの、ともにですね、進めていくということと、柔軟に対応していくということが、二つの大きな要素であるということをご理解をいただきたいと思います。ま、切り離しのことにつきましては、そのパッケージに対してですね、あの、ちょっと分かりやすく申し上げたところは、(会場騒然)あの、申し訳ございませんでした。
川口 あの、すっかり私は混乱をしてしまいました。えー、ともに進めていく、ということと、柔軟に進めていく、ということと、どういう関係にあるんでしょうか。もう一度明確に答えてください。
(玄葉外相が手を挙げる。「防衛大臣」「外務大臣に聞いてないよ」などの声多数)
委員長 それじゃあ、外務大臣玄葉光一郎君。
玄葉 今、委員長のご指名がありましたから、私から答弁いたしますけれども、ともに進める、そして柔軟性、それはどういう意味なのかということでありますけれども、(「外務大臣に聞いてない」などの激しい野次)結局、グアムへの海兵隊への移転と普天間への、の、辺野古崎への移設、これをともに進めていくんですけれども、その進め方について知恵を出そう、その知恵の中にはですね、今、田中防衛大臣がおっしゃられたような、いわゆる時間軸の問題も含めて、(間断なく激しい野次)えー、議論をしよう。なぜかと言えば、なぜかと言えば(礒崎理事が玄葉大臣に向かって大きく横に手を振って静止しようとしている)、ちょっと、委員長の指名ですから。委員長の指名なので。なぜかと言えば、やはり、米国は米国の議会の状況がある、日本は沖縄を巡る状況がある、沖縄の負担の軽減をしながら抑止力を維持する、そういう中で、そういう中でですね、えー、今のような、ともに進めるということと柔軟性ということを、今考えて、最終的にですね、方向性を、おー、近いうちに発表できるように最終調整しているということでございます。
(山本理事「防衛大臣何なんですか、じゃあ。防衛大臣に聞いたことを外務大臣が…」など激しく)
川口 あの、今までのロードマップ、(会場で多数の発言)今までのロードマップあるいはグアム協定、これは三者が、三つが一体、それぞれの条件になっていたということです。
委員長 (理事たちの抗議に対して)質問中です。ちょっと待ってください。はい、どうぞ。
川口 これを切り離すというふうに防衛大臣は言われた。それで、その後の答弁で、同時に進めるんですというふうに言われた。従来のロードマップ、グアム協定、これは変えるんですね。あの、明確に答えてください、防衛大臣。
委員長 ちょっと待てって。あんた(玄葉大臣)出て行ったら、混乱もっとするよ。ちょっと待てよ。田中直紀防衛大臣。
(与野党間で激しい野次が飛び交う)
委員長 静粛に願います。
田中 えー、私はあの、今回の準備をですね、準備の結果を、発表がなされると聞いておりますが、その中でですね、今後数ヶ月の間に両国政府でこのような調整を行う際のですね、複数の課題について、えー、取り組むべく作業を行っていくということを報告を受けておるところでございまして、先生がご指摘の点につきましてはですね、これからの作業になるというふうに認識を致しておるところでございますし、えー、その点はご理解をいただきたいと思います。
川口 全くご理解できません。あの、元々のロードマップ、グアム協定、これを変えることになるような、三者今までお互いに条件となっていたのをやめる、切り離す、ということが新しい合意なんですね、ということを聞きました。
(激しい野次)
委員長 はい、(野次)田中防衛大臣。
田中 あの、おー、審議官級の協議がございました。あの、その中でですね、私が報告を受けておりますのは、海兵隊のグアムへの移転およびその結果として生ずる嘉手納以南の土地の返還等についてですね、返還等についてはですね、あの、普天間飛行場の代替施設に関する進展からきりへら、切り離すことについて、公式的な議論を開始を致しましょうと、いうところまでは私は聞いておりますが、まだ正式に政府として発表をしてきておるところではございませんが、あの、協議をして、えー、米国から帰ってまいりました者からですね、その進展から、あー、切り離すということを、あの、報告を受けておるということでございます。
川口 もう私も混乱の極みに、防衛大臣の答弁を聞けば聞くほどなりますが、結局「切り離す」とおっしゃってらっしゃるわけですね。で、「これについて報告を受けてます」、大臣、何ですか。これぞ自分がそうしたい、あるいはそうしない、してはいけない、部下の交渉に指示する立場ですよ。それもしない、ただ報告を聞いている。それから、「今日発表することになされると聞いている」、何ですか。発表を今日するかどうかというのは、決定者は、決定の少なくとも半分ぐらいは防衛大臣ですよ。
もう一回、主体的な答弁をしてください。
(続く)